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ssh1035 やりたいこと地獄 [志望理由・進路選択]

<2017>
ssh46再録 初出2007年

 やりたいこと。
 この言葉に、今、どれだけの若者が縛られ、苦しんでいるのでしょうか?

 やりたいことを仕事にする。そりゃあ、そうなれば最高です。やりたいことをやってゼニが手に入るんなら、これ以上の喜びがあるでしょうか。
 しかし、そんな都合のいい「やりたいこと」なんか、あるのか?

 そもそも仕事ってのは、ゼニにならなきゃ成立しません。
 言い換えれば、他人様がゼニを払ってくれるようなことでなければ、仕事にはなりません。
 商品でも音楽でも文学でも何でも、みんなが買ってくれるようなものを作れば仕事ですが、誰も欲しがらないものをいくら作っても仕事にはなりません。

 これまで志望理由書関係で書いてきたことと矛盾するかもしれませんが、「やりたいこと探し」にあまりのめり込むのはやめるべきだと思います。不幸ですらあります。
 仕事をイメージするにあたっては、「やりたいことかどうか?」以外のモノサシも、時には使ってみた方が安全です。
 別に夢をあきらめろと言ってるんじゃありません。ただ、「やりたいことやりたいことやりたいこと・・・」と、そればかり考えていると、どんどん頭が固くなって、思考が袋小路にはまりやすいんです。

 今、「やりたいこと地獄」にはまっている人、あるいははまりかけている人は、気分転換くらいの軽い気持ちで、以下のようなモノサシもあててみてはどうでしょうか?

 1 その仕事は自分に「できそうか、できそうもないか?」
 2 その仕事は「面白そうか、つまらなそうか?」
 3 その仕事の苦労は「ガマンできそうか、できそうにないか?」
 4 自分にとって「やりたくないこと」は何か?
 5 その仕事は社会的に「価値があると思うか、思わないか?」

 それと、もう一つ。
 今、世の中にある職業を、思い付く限りあげてみて下さい。できるだけたくさん。
 もし50以上あげられるようなら、合格です。
 でも、どうでしょう。案外、10くらいしかあがらないんじゃないでしょうか?十代なら、そんなもんかもしれません。
 もし10くらいしかあげられないなら、進路選択の前に、まず、世の中にどんな職業があるのかを調べるところから始めればいいんですよ。
 「やりたいこと」探しは、それからでも十分間に合います。
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