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ssh84 いきなり本題を書く〜作文技術(5) [作文技術]

<2007>

 先日、実に情けない内容の電話をしてしまいました。
 
 「もしもし。えーとすみませんが、こちらを出る電車にちょうどいいのがなくって、○時○○分のやつしかないんですよ。それだと駅に着くのが×時××分なんで、それからタクシー拾ってそちらへ行くとして、集合時間に間に合うかもしれないけど、5分くらい遅れる可能性もあるんですよ。ですんで、間に合えばいいんですけど、もしかしたらちょっと遅れちゃいそうなんです。集合場所にじかに行くようにしますんで、そちらが別に何かしてもらう必要はないんですが・・・。」

 あ〜。今思い出しても情けない。恥ずかしい。なーにがスーパー小論文ハイスクールじゃ。まず自分が勉強し直せっての。

 何がマズいって、この電話、一番重要な用件が、ちっとも出て来ない
 この時、私が先方に伝えるべき一番重要な用件は、「集合時間に5分ほど遅れるかもしれない。」これです。電話を受けた相手が一番知りたいのは、そこです。
 あとのことは、相手が知りたければ、聞いてくるだろうし、知る必要がなければ、聞いてもこないはず。だから、別に言わなくてもいいことです。

 私の電話がなぜあんなにもとっ散らかったかというと、相手のことでなく、自分の頭の中に浮かんだことを優先したからです。結果、相手は、どうでもいい話に長々と付き合わされるハメになりました。

 自分に失敗しておいてナンですが、発話や文章で、一番大切なのは、聞き手や読み手です。話し手や書き手ではありません。
 聞く人や読む人に、正しく伝える。それが最終的な目的です。

 だから、自分の言いたい、書きたいことの順番ではダメなんです。
 聞き手、読み手にとって、聞きやすい、分かりやすい順番でなければ。

 つまり。
 「一番大事なことを、一最初に書く。」

 まず意見を書いて、あとの残りは全部論拠を書く。
 これまでsshで述べて来た小論文の書き方です。
 自分の意見を、いきなり最初に書いてしまう。読み手にとって、これは非常に親切な構成です。何せ、一番最初に「私はこう思う。」と書いてありますからその先は実に読みやすい。

 本題は、一番最初に書く。導入だの何だのというのは、基本的に不要です。(第一、小論は字数が少ないから、そんなもの書く余裕がない。)

 いの一番に、本題=自分の意見を書いちゃって下さい。
 私のみっともない電話は、まあ笑い話で済むものですが、入試は笑い話じゃすまないですからね。


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