ssh198 Mammo.tv 紹介 [おすすめサイト]
<2008>
今回はMammo.tvの紹介です。
正式名称は、「考える高校生のためのサイト マンモTV」といいます。
これまでsshで紹介してきたおすすめサイトは、必ずしも受験生向け、高校生向けではないものが多くありました。(もちろん、それでも紹介したのは、受験生にも有効だと考えたからですが)
しかし、このサイトは正真正銘、高校生を対象に作られています。
マンモTVは大きく3つのコンテンツから成ります。
(1)ヘッドラインニュース: その日の主なニュースの紹介。新聞読むよりラクです。
(2)コラム: 現在は以下の5人が交代で執筆中。
多賀谷 浩子(フリーランス・ライター)
寺脇 研(NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター)
白川 由紀(紀行フォトエッセイスト)
高橋 源一郎(作家)
高野 雅典(医学ライター)
(3)インタビュー: これがこのサイトの一番の見どころ。
このインタビューはいいです。何がいいかと言うと、まず人選。
高校生相手となると、つい各界の第一線で活躍する勝ち組人間のサクセスストーリーを聞かせたくなりがちですが、マンモTVは違います。現在話題となっている様々な問題などに造詣の深い人が選ばれています。
さらに、このインタビュー、聞き手がいい。
巷に溢れるインタビューって、本当にくだらないものが多いんですよ。特にテレビは。
その原因は、聞き手の技量の低さ。インタビューってのは、技量の要求される仕事です。訓練がいります。経験と勉強が必要です。なのに、テレビ屋はすぐ若いネーチャンを使うんだ。そんな甘いもんじゃないっつーの。
マンモTVの最新インタビューは、牛窪恵氏(マーケティングライター)。すみません、知らない人でした。『独身王子は早く死ぬ?』の著作があるそうです。
「ひとりを楽しみたい~増えるシングルと消費、結婚のカタチの変化」と題されたこのインタビュー、テーマは一人の消費行動といったところでしょうか。
聞き手がいい、と私は指摘しましたが、それは例えばこんなことです。
記事の序盤で、聞き手が「ひとりで楽しみたいという欲求はなぜ増えたのでしょうか。」と質問しています。
が、まあこれはテーマに沿った普通の質問。
牛窪氏はこれへの答えの中で、こういう一節を述べています。
◆◆昔は「結婚して専業主婦になればいい」というようなゴールが明確で、短距離を走ればよかったけれど、いまはどこまで走ればいいかわからない。そうなると給水所も必要だし、自分へのご褒美も必要。自分に潤いを与えないと走り続けられない。昔はなかった消費スタイルです。◆◆
なかなかうまい比喩を使います。フツーの聞き手なら「なるほど」とうなずいてオシマイ。
しかし、マンモTVの聞き手はそう甘くないです。
後に、こう聞き返しています。
「シングルの女性の消費の動機づけが、長距離を走るための給水だとすると、男性の動機づけは何でしょうか。」
牛窪氏の答えは、これ。
◆◆男性は基本的に出産年齢がないので、将来のことを先送りしている感じを受けます。団塊ジュニアは、競争意識を煽られて育っています。そのため女性の場合、生き甲斐ややりがいを重視しても、男性だと、いい年収、いいポジションへの獲得に喜びを見いだす傾向があります。特に独身だとリベンジ消費といって、子供の頃、親に買ってもらえなかったものを買う場合があります。女性にはあまり見られない行動です。それだけ競争意識や比較を気にしているのは、立身出世を子に望む親が多かったのでしょう。◆◆
うまい比喩にあっさり説得されず、「では○○は?」と切り返す。これがまともなインタビューアーの一つの技能です。この質問がなければ、牛窪氏の口から男性シングルの消費行動についての言及は得られなかったでしょう。
マンモTVインタビューのもう一つの美点は、高校生向けということで、後半に必ず進路選択につながる話を聞いていることです。つまりゲストの高校時代や進路選択などについての質問です。
マンモTVは2001年スタート。インタビューだけでもすでに230を超えています。
初めての人は、このインタビューを読むだけでも相当得ることが多いでしょう。(あいうえおで検索可能)
是非、ご訪問を。