ssh648 現実を受け止めて、前へ進むことの価値 [志望理由・進路選択]
<2014>
2014年度センター試験が終わりました。
誰しも目標は高く設定しているはずです。目標を下回った人は多いはずです。
センター試験&自己採点を経て個別試験を受験するという現在の国公立大学受験システムには、高校入試や私大入試とは異なる特徴があります。
それは、試験の途中経過が明らかになること。
通常の試験は一発勝負。結果は発表までまったくわからない。デキが良かろうが悪かろうが、ひとたび試験が始まったら、終わるまで一直線に突っ走ることになります。
対して、センターを使う国公立入試のシステムでは、センターが終わると自己採点とリサーチによって、センターの結果と自分のポジションが明確に示される。センターの結果という、厳然たる事実を一旦見てから、その先のことを考えることになる。
センターの結果を見てから考えられるというのはありがたいことです。反面、センターのデキが悪ければ、出願前に志望校を諦めざるを得ないケースもある。予選敗退のようになるのはつらいことです。
それでも、現在のシステムで、センターが期待通りに取れなかったことは、まったくのマイナスだとは私は思いません。
センターが取れなかったという不幸を、成長の機会にした受験生を、私はたくさん見ています。
一旦出てしまったセンターの結果は、もはや動かしようがありません。どんなに後悔しても、ただの1点も変わらない。その現実を受け止めることは、非常に苦痛を伴います。
でも、受け止めなければならない。受け止めなければ、何もできない。
厳しい現実を受け止めること。これは貴重な経験です。
現実を受け入れたら、これから何ができるかを考えねばなりません。
例えば、今まで考えていなかったような国公立大学を調べてみる。
例えば、今まで考えていなかった学部学科を検討してみる。
例えば、今まで考えていなかった地域の大学を検討する。
あるいは、予定外の私大に出願する。
あるいは、進学する意思の無い大学を受験して、コンディションを調整する。
場合によっては、来年に繋がることだけのために受験をする。
現実を受け止め、前へ進むこと。
これは、実社会で非常に重要な能力です。
実社会では、想定外のことがちょくちょく起きます。というか、そういう局面の方が多い。
そういう時に、その現実を受け止めて、対応していくことができなければ、どうにもならない。
トラブルが発生したら、まずそれに対処しなくてはいけない。誰が悪いのかを言い当てるのは、ひととおり対処が終わってからです。反省する前に、とにかくやらねばならないことがある。トラブルを前にして茫然自失していては困るのです。
センターで思うように取れなかった。
その現実を受け止め、そこから前に進む。
苦しい試練です。
しかし、その試練が、必ず受験生を人間的に成長させます。
仮に今年の受験が全滅に終わっても、くじけずに前を向いた受験生は、必ず成長しています。その成長が、必ず未来を切り開きます。