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ssh681 政権やメディアを見習うと小論入試で落ちる [小論文]

<2014>

 

 本当はね、本当にね、こういうことは言いたくないんですよ。

 でも、言わないといけない。そうしないと、生徒が不幸になりますから。

 これから小論文入試に望む受験生のみなさん、現在の政権と中央メディアの言説を絶対に見習ってはいけません。

 そんなことをしたら、確実に落ちます。断言します。


 政権やメディアを見習ってはいけない理由はいくつもあります。

 1つ目は、彼らに一貫性がないこと。

 小論文は、具体的な論拠によって自分の意見を主張する意見文です。論拠に一貫性がなければ、説得力は出ません。

 ところが、困ったことに、現在の政権と大手メディアは、一貫性というものをひどく軽視しています。

 先月来、朝日新聞の「誤報」問題が騒ぎになっています。現政権も多くのメディアも、朝日新聞に対して反省と謝罪を強烈に要求しています。

 しかし、当の彼らが誤報や虚言をずいぶんたくさんやらかしています。

 晋三坊ちゃまからして、フクイチ事故の時に当時の菅直人首相が官邸から電話をして海水注入を止めさせようとしたと自身のメルマガで配信してますけど、これは「吉田調書」とは全く異なっています。でも坊ちゃまは訂正も謝罪もしてません。

 で、まったくおなじ誤報を読売新聞もやらかしているのですけど(これは坊ちゃまのメルマガをそのまま鵜呑みにしたせいらしいです)、やはり訂正も謝罪もしてません。

 石原慎太郎も例の「ババア発言」で誤解に基づいた言説を垂れ流したのですけど、都議会で指摘されてなお訂正も謝罪も拒否しました。

 自分のミスに訂正も謝罪もせず、他人のミスには訂正と謝罪を執拗に求める。こんな一貫性のない姿勢は、受験生は絶対に真似てはならないものです。

 ミスをしたら訂正し謝罪するのが正しい。そう主張するのなら、自らのミスも訂正し謝罪する。これが一貫性ある、範となる姿勢です。


 

 2つ目の理由は、不都合な事実を無視すること。

 くだんの朝日新聞に関して言うと、朝日新聞はいわゆる従軍慰安婦問題を取材しているとき、恐らく旧日本軍の罪状を暴くことを意識していたはずです。それそのものは悪くありません。取材というのは、狙いがあって始まるものです。

 ところが、取材を進める中で、自分たちの狙いを補強せず、むしろ弱化させるようなものに出くわした。その時に、それを受け止めることをせず、黙殺してしまった。結果、引き返すチャンスを失い、ズルズルと今日まで来てしまった。

 これは朝日に限りません。他紙しかり、国会の答弁しかり、自分に都合のいい論拠ばかりをつまみ食いしています。

 自分の狙いに合致する論拠だけを選んで使えるのなら、小論文なんて屁みたいなもんです。小論文が難しいのは、どんな意見であっても、必ずプラスの側面とマイナスの側面があって、そのマイナスの側面もきちんと受け止めた上で自分の意見を述べねばならないからです。

 不都合な事実を無視するのは、小論文を書く人間が絶対にやってはならない反則行為です。しかし政権もメディアも、その反則を厚顔無恥に繰り返しています。


 3つ目の理由は、力に訴えること。

 昨今は、何を言われても自分の意見を変えずにゴリ押しするのが毅然とした姿勢でよろしいと勘違いしている人が多いようです。

 曰く「◯◯は日本の文化だ」、曰く「日本人なら××するのは当たり前のことだ」、曰く「丁寧に説明をしていく(つまり自分の意見を修正するつもりはない)」、曰く「見解の相違ですね」云々。

 前述のように、どんな意見にもプラス面とマイナス面があります。100%プラスというのは教義ではあっても意見ではありません。それはすなわち、どんな意見にも反論の余地があるということです。反論の余地がないものは意見ではない。

 ところが、反論されて、それにしっかりとまた別の論拠を加えて意見を補強したり修正したりする知性がないと、ムキになって(キレて)、力でねじ伏せようとするんです。

 もっとも顕著なのは東京と大阪の教育行政でしょう。処分処分でひたすらねじ伏せようとしている。

 ま、受験生の場合、意見の異なる相手をねじ伏せるような権力も財力もコネもありませんけど、やり口を下手にマネしようとすれば、怒鳴り散らすような文面になってしまう可能性があります。当然、不合格答案です。


 4つ目は、きちんと調べないこと。

 これまでもsshでは、中央メディアや政治家や一流ビジネスマンの皆様が、いかに不確実な俗説をロクに調べもせずに垂れ流してきたかを指摘してきました。

 中でも、現与党の議員センセイ方が一番いけません。国会の答弁でも演説でもツイッターでも、とにかくロクに調べて確認もせずに風説(風評?)や通説を口にする。

 この点でもっとも前科が多いのは片山さつきでしょう。彼女はホントに全然、情報の出所を調べて確認するということをしない。

 出所のはっきりしない、聞きかじりの情報を論拠に使うと、確実に不合格答案になります。確実に、です。政治家なら許されても、受験生には絶対に許されません。受験生は政治家みたいな甘っちょろい稼業じゃないのですよ。


 まだまだあるんですけど、いい加減イヤになったのでやめます。

 とにかく、小論文をちゃんと書けるようになりたかったら、政治やマスメディアのエラい人たちのマネはしちゃいけません。彼ら彼女らは、知性が低いです。

 

 え?じゃあなんで、そんな知性の低い人たちばかりがエラくなっているのかって?

 その答えは、ぜひみなさんが考えてみてください。受験が終わってから。


 

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