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ssh692 最近中央メディアがサボったニュース [マスコミュニケーション論]

<2014>

 

 sshではかつても中央メディア(全国紙や在京TV局など)が黙殺したとしか思えないようなニュースのことを取り上げています。

 20122月に行われた杉並での脱原発デモ(ssh510)

 同年311日の東日本大震災追悼式典での今上天皇明仁陛下の御挨拶で、フクイチに関わる部分がNHKニュースでバッサリとカットされた件(ssh515)

 その1ヶ月後に行われた国会包囲行動(ssh516)

 今でも行われている毎週金曜日の国会前脱原発集会(ssh534)

 オリンピック競技から除外された後の20127月の世界大会で日本の女子ソフトチームが優勝したこと(ssh545)

 

 その後も中央メディアは妙な基準でけっこう大きなニュースを無視したり軽視したりします。しかも困ったことに、その程度がさらにひどくなっている感じ。

 今回は、そんな中央メディアに無視/軽視された可哀想なニュースたちが化けて出てこないように、きちんと光をあててやろうと思います。

 

1. 安倍政権がTV局に選挙報道に関する圧力(?)をかけていた

 衆議院の解散総選挙が確定していた1120日、政府がNHKと在京民法TV局に報道の中立を細か~く求めた要望書を出していました。

 中立と言えば聞こえはいいけど、政権が「中立で行けよ」とわざわざメディアに言うこと自体がすでに中立じゃありません。そもそも籾井なんてアホンダラをNHK会長にした時から安倍政権のメディアコントロールの意欲は相当なもの。メディア人たるもの、政権からこんな要望が来た時点で「言われなくたって我々は中立を旨として報道しています。そもそも政権がこういうことを求めることが報道の自由への圧力ではないのですか!?」とブチ切れてみせなきゃウソです。

 なのに、この件を報じた中央紙は朝日と毎日のみ。他の中央紙はすべて黙殺。読売も産経も日経も、安倍政権の「犬」に成り下がったということなんでしょうか。

 もっと情けないのはTV局。どこも何も言いません。つーことは、この要望書を黙って受け取ったということでしょう。すでに死んでますな。


 

2. 地球温暖化会議でアメリカが中国と合意していた

 地球温暖化対策と言えば、1997年に京都で開かれた会議で採択された京都議定書が有名です。これは日本が世界に存在感をアピールできた出来事で、何かと批判の多い日本の外交には珍しいクリーンヒットでした。

 それから17年。先日ペルーのリマで行われた第20回の会議では、アメリカは同盟国日本を無視して中国と温暖化対策で合意してしまった。これは今後の地球温暖化対策での外交はアメリカと中国がリードする可能性が高いということです。

 これはNHKニュースで報道されたらしいのですが、中央紙はほとんど後追いしていません。日経はリマ会議があったことはベタ記事で流したものの米中合意には触れず。結局、朝日だけが議長のインタビューを掲載して米中合意がなされたことを報じました。

 

3. 自民党と公明党が外国特派員協会の記者会見を拒否していた

 外国特派員協会(FCCJ)というのは、日本に滞在している海外プレスの特派員からなる協会。ほぼ毎週、各界から様々な人を招いて記者会見を行っています。日本の記者クラブが仲良しクラブ的で質問が生ぬるいという批判が多いのに対し、こちらはかなり鋭いツッコミも飛び交うマトモな会見というのが定評となっています。

 山谷えり子がこの会見で在特会との関係を相当厳しく追求されました。でもこの件も国内ではほとんど報道されませんでしたっけ。

 で、今月は総選挙ということで、各党の党首を招いての会見が企画されています。選挙前の会見は恒例なのですけど、今回に限って与党自民党と公明党が欠席を連絡してきたとのこと。表向きは日程が合わないという理由だそうですが、今まではそういうことがなかったのですから、これは拒否したか逃げたと考えるのが自然でしょう。

 この件については朝日が報道していますが、他紙は今のところ確認できていません。

 なお、FCCJのホームページは英語ですが、それほど難しい文章じゃありませんから、覗いてみると面白いですよ。今ならFCCJが定期発行しているNumber 1 Shinbunの最新刊「Sink the Asahi!(朝日新聞を潰せ!)の表紙が見られます。朝日新聞を折り紙にして作った船に読売・産経・安倍晋三の書かれた爆弾が落とされているという、国内メディアにはすっかり見られなくなった批判精神と風刺の効いたアートになってます。

 

 

4. 2014年度版「世界で影響力のある人物」の第1位はプーチン、安倍晋三は63

 これはアメリカのフォーブズ誌が毎年やっているランキング。全国学力テストでもPISAでもスポーツでもランキングの大好きな中央メディアにしては、こいつは毎度あまり話題にしたがりません。

 ムリもないでしょうね。何せ我らが晋三坊ちゃまは堂々の第63位。下がった下がったと言われるPISAだってベスト10には入ってますからねえ。あまりの情けなさに無視するしかないんでしょう。

 今年の1位はプーチン。2位オバマ、3位習近平。アジアでは韓国の朴大統領が46位、北朝鮮の金正恩でも49位。晋三坊ちゃま、ずいぶんとバカにされたものです。

 

 

5. 百田尚樹『殉愛』が関係者から強い非難を浴びている

 百田尚樹と言えば、『永遠の0』など当代きっての人気作家。その百田の最新作がちょっとした問題を起こしています。

 先頃なくなったやしきたかじんは、元々は味のあるシンガーでした。後年なぜかナショな(ナショナリスティックな)言動をするようになり、そのせいかTVでも重用され、『たかじんのそこまで言って委員会』という人気TV番組も持っていました。

 やしきは最初の妻(死別)との間に娘がおり、自身が亡くなる3ヶ月前に再婚。その後妻とやしきの「愛の物語」を百田がノンフィクションとして書いたのが『殉愛』。

 その『殉愛』の内容がかなり問題が多いということで、関係者から強い非難を浴びているのだそうです。

どうも百田は執筆にあたり後妻にしか取材をしていないようなんです。で、この本は前妻との娘と元マネージャーなる人物をひどくワルモノ扱いしている。先日とうとう娘側から告訴されたとか。(経緯は「リテラ」に詳しいのでそちらをお読み下さい)

 内容的には下世話なスキャンダルですから新聞が取り上げないのはいいとして、下世話命のTVワイドショーも週刊誌もこの件についてはまるでダンマリを決め込んでいるのだそうで。

 百田がドル箱作家で、週刊誌の連載もよく受け持つ。それで百田ネタはタブーになっているのだろうというのがリテラの見立てです。当たってそうな気がしますね。

 まあ、小説をまるで読まない私にとって、百田はただの危ない右翼のオッサンでしかありません。このスキャンダルで馬脚を現してNHK経営委員もクビになることを願っております。

 やしきにしても百田にしても、最近のTVはナショな人を重用し過ぎですよ。今TVで仕事がなくて困っている人は、ナショな言動をすればすぐ仕事がもらえるんじゃないですかね。これを偏向と言わずして何と言う。在京民法TV局とNHKには中立を旨とする要望書をsshから送りたいと思います。


 

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