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ssh696 こづれでのおしょくじのけん [マスコミュニケーション論]

<2015>

 

 少々旧聞で恐縮ですが、山田優が子どもを連れて居酒屋に行ったのがけしからんのどーのとネットで話題になったのだそうで。

 多いですな、最近こういう、他人の行為にやたらとかみつく人。

 

 けしからんと憤る皆様は、子どもを連れて居酒屋など論外とか、子どもの健康を何と考えるとか、非常識だとか、息抜きは他にやりようがあるだろうとか、その他もろもろ。

 けしからんと憤る皆様に憤る皆様は、子育てのストレスがわかってないとか、旧態依然とした価値観だとか、いじめのような構図だとか、その他もろもろ。

 まあ、中3生か高1生に小論文やディベートの練習問題として最初にやらせるネタくらいには使えるかもしれません。

 

 ただねえ。私はこの種の「物議」にはかねがね不快感があります。

 本来、こういうものは、事実関係をきちんと調べた上で、批判なり支持なりすべきもの。ロクに調べもせずにいいの悪いの言うのはガキかアホウのやることです。

 でも、ネット界じゃ「調べる」人間なんざ希少種。何せ、あるかないかも不明な在日特権なるものを根拠に特定の国の出身者をイジめる輩が跋扈するような世界です。

 部外者は黙ってるべきじゃないっすかねえ。

 黙っていて、それでも気になったらきちんと調べて、それから何かを言えばいいんです。反射的にあれこれ感情丸出しのコメントを書くのはガキかア(以下同文)

 

 

 私shiraは子宝にだけは恵まれまして、3人の子持ちであります。


 子どもが小さいうち、1歳とか0歳とかの頃に、子どもを連れて外食したことはあります。それこそ居酒屋で。


 そんなのはもってのほか、とおっしゃりたい方もおいででしょう。


 そりゃ、子連れ外食なんか、しなくて済むのならしませんよ。でも、現実は甘くないのです。




 32歳のときに長男が、翌年に次男が生まれたのですけど、当時私は人口9000人の小さな町の高校に勤務していて、教員住宅に家族で住んでいました。築50年以上のコンクリートブロック建て住宅でした。


 


 50歳以下の人なら「コンクリートブロック建て」なんて初耳でしょうね。ブロック塀を作るあのコンクリートブロックで壁を築いた平屋建てです。戦後の住宅需要急増を満たすべく、パッパと建てられて割と頑丈という設計で、当時は十分に役割を果たしました。


 そういう旧世代の遺物のような建物ですから、断熱などもちろんされていません(赴任地は-15くらいまで冷える極寒冷地でした)。ストーブを焚けば壁が結露し、北側の4畳半はまったく使い物になりませんでした(そのうち床が抜けた)。使い物になるのは62部屋のみ。台所は2畳ほどで食器類は居間に置くしか無かった。トイレは汲取、風呂は古ーいガス釜、もちろんシャワーはなし。網戸すら後付けで隙間から虫が侵入してくる。雨漏りなんざ当然。そういう「住宅」が道路からはなれた斜面に7軒ほど建っていたのですね。そのうちの1つに住んでいたわけです。


 そういう狭くて不快で危険ですらある住宅で、3時間おきに起きる乳飲み子の世話をしながら家事育児をすべてこなせなんてのは、相当な注文です。嫁サンは日々くたびれていました。食事の支度だって滞ります。外食でもしなけりゃどうにもならないことは多々あります。


 


 だったら総菜でもホカ弁でも買ってくりゃいいじゃないかと言いたげなそこのアナタ。アナタは便のいいところにお住まいですね。田舎町にホカ弁なんかありませんでしたよ。スーパーだってやっと1軒で、大した惣菜はなかったです。


 いや、仮に総菜やホカ弁があったとして、古くて狭い家の中に昼も夜もずーーーーっと子どもといたら、ストレスは相当なもんです。たまには外の空気も吸わなきゃ、気が狂いますよ。


 


 だから、小さな子ども2人を連れて、外食に行くこともしましたよ。


 つーても、そこは田舎町ですから、ファミレスなんかない。ラーメン屋すら近くにはなく、町中にあるのは居酒屋や小料理屋ばっかりです。だいたい田舎のお店は閉店が早い。夜行けるところは、大体が「飲み屋」です。


 だから、小さな子どもを連れて居酒屋に晩飯を食いに行くこともあったのです。嫁サンは下戸ですが。


 特によく行ったのはちゃんこ鍋の店。ここは個室が取れたので他のお客さんに気兼ねせずに済み、本当にありがたかったです。


 その子どもたちは大学生と高校生になってます。親の目から見れば心配は尽きませんが、社会に迷惑かけたり警察の世話になったりしてはいません。幼少期のあれこれは人格形成にほとんど関係ないような気がします。


 


 育児中の疲れやストレスは、同じ条件であっても人によって受け止めはかなり違います。


 子どもと狭い家に(場合によっては舅&姑と同居)ずーっといても割と耐えられるという人もいるし、日々これ苦痛という人もいます。


 外向的で活発な人ほどつらいかも知れません。ケアが必要なのは、そういう人たちでしょう。時々ハネを伸ばしてくれた方が、頑張り過ぎてストレスでおかしくなるより実害は少ない。




 いや、親とはそんな甘い立場ではない、というご意見もおありでしょう。


 でもね。人間、つらいものはつらいのですよ。頑張りだけですべてができるなんて考え方こそ甘い。できない時はできないもんです。


 子連れ居酒屋など親失格だと言うのであれば、少子化は甘んじて受け入れることです。


 過労とストレスにとことん耐えられる選ばれし人間しか親になれないというのであれば、出産のハードルは自動的に上がります。当然、少子化は進みます。アナタのせいです。


 


 


 最後に、子連れ外食を時々していた私から、小さな子どもを連れて外食に行こうor行かねばならない方々に、経験則的アドバイスをいたしましょう。使えそうなものがあったら参考にしてください。


  • 乳幼児はおんぶしていれば問題が少ない。フードコートやファストフードはさっさと食事が済むのでありがたい。
  • 座敷や小上がりに席を取れれば、おんぶした子どもを降ろしてリラックスして食事ができる。クーファン(赤ちゃんを入れるカゴ)があれば子どももラク。
  • 少し成長してハイハイやよちよち歩きをするようになるとかなり大変。子どもはじっとしていないし、大きな声を出して迷惑をかけることもある。この時期は畳の個室がベスト。個室はレストランよりも飲食店・居酒屋・焼肉屋・中華料理店などに多い。チェーン店の居酒屋には個室をたくさん持っているところがある。子どもが大きな音を嫌がらないのならカラオケボックスもあり。できれば他の家族や親類と行くと大人の目が多くなるので安心。
  • もう少し大きくなって自分の好きなものを食べるようになったら、最強の援軍はファミレス。とにかく子連れが多いからお互い様で気楽。それと回転寿司。
  • 小さな子どもにイライラするのはたいてい独身者。若者やお一人様の多い店は敬遠すべし。カウンターしかない店はしばらくサヨウナラ。
  • ドタバタ落ち着かない子どもを連れて行くには、チェーンの焼肉屋や寿司屋がオススメ。子ども向けのメニューやエンタメがあるし、店全体が酔客が多くてうるさいのでまず怒られない。
  • どんな店でも、まずは「すみません、子ども連れなんですけどよろしいですか?」と聞く。意外に店構えの印象と違って子ども歓迎だったりすることもある。
  • 感じのいい店は繰り返し行って覚えてもらう。
  • 子どもは騒ぐものだとは言っても、度を超したら叱る。これは周囲の客に「私はちゃんと子どもを見てますよ」というアピールにもなるので、目立つように叱る。
  • 楽しい食事ができても、山田優の二の舞にならないよう、SNSやブログに写真などアップしない。楽しいことはナイショで楽しみましょう。

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