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ssh1088 気仙沼で同窓会(3) [ご挨拶&エッセイ]

<2019>


 7月に行ってきた大学の同窓会の様子のご報告を、もう1本だけ。


 震災遺構を見学した後は、のんびりと観光。マイクロバスで気仙沼大島へ行きました。


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 気仙沼大島、地元の方は単に大島と呼んでいます。面積9平方km、人口3000人というかなり大きな島です。小田の浜海水浴場は海がきれいで、大島神社は1000年以上の歴史があるとのこと。写真は展望台から撮ったもので、かなりの絶景です。

 ただ、この展望台、道が狭い上に駐車場がなく、シャトルバスで上がるしかありません。我々はスケジュールの都合で展望台の滞在時間が10分ほどという中学生の修学旅行のような突撃観光でした。




 大島と港の間は長らく連絡船・フェリーが交通手段でした(フェリーが津波に飲まれる映像を覚えている方もいるかも知れません)。この4月に気仙沼大島大橋が開通し、クルマで行き来することができるようになりました。



 
 昼食は煮魚とお刺身のお膳。と書くとどうってことない感じですが、サワラの煮付けがデカくて柔らかくてムチャクチャ美味でした。

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 お世話になったお店は、鰹節や煮干しではなく、サンマを干したサンマ干しを出汁に使っているのだそうです。あの脂っぽいサンマの出汁というのでかなり強いものを予想していたのですが、ずいぶんと上品な味でした。


 午後は海産センターで買い物。一部のお店はイートインが可能。生ガキを1ついただきました。PCマウスくらいのカキが300円。ははは、いや、うまかったです。あのくらいうまいと醤油とかポン酢とか邪魔で、ただの酢が合いますね。自宅にはホタテを4枚宅配手配しました。


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 マイクロバスで一関まで送ってもらい、仙台行きの仲間とお別れ。ここから新幹線に乗って帰路です。自分の取った指定席が偶然同行の先輩のお隣りで嬉しかったです。


 一関ってどこ?と言うそこのアナタ。アナタはうちの嫁サンと同じタイプの方ですね。岩手県一関市は岩手県の南端の市です。仙台と盛岡のちょうど真ん中へん。気仙沼は宮城県の市ですが、緯度は同じくらいです。つーても東北6県の位置関係とか主要都市の場所って、東北地方に行くことの少ない人にはまるっきりわからないですよね。ちなみに菊池雄星や大谷翔平の出身校のある花巻市は一ノ関と盛岡の真ん中へんです。

 東北6県ってひとまとめに言いますけど、各県のサイズはずいぶん違ってます。福島県と岩手県がデカい。特に福島は本当にだだっ広い県で、北海道を除くと面積最大の県ですその次が岩手で、4番目が長野県です。

<訂正>福島と岩手が逆でした。面積2位は岩手、3位が福島です。お詫びします。


 東北新幹線が青森まで通ったことで(現在は函館まで開通)、東北6県の県庁所在地はすべて新幹線一本で上京できるようになりました。最初に開通したのが盛岡までで、このとき福島・仙台・盛岡は東京までの所要時間が大幅に短縮されました。その後、ミニ新幹線企画で山形新幹線(福島〜山形)と秋田新幹線(盛岡〜秋田)が開通しました。在来線と同じところを新幹線が走るというのはちょっとしたミスマッチで、見慣れない人間には面白いものです。最後に東北新幹線の盛岡以北が開通し、現在に至ります。


 東北新幹線の開業は私の大学在学中、1982年でした。上越新幹線も同時に開業。と言ってもこれは暫定営業。東北は大宮〜盛岡、上越は大宮〜新潟でした。新幹線で上京する人は大宮で「新幹線リレー号」なる大宮〜上野直通の在来線に乗り換えなければなりませんでした。大宮〜上野の開業はその2年後。これで乗り換えなく東京エリアに入れるようになりました。

 ただでさえ道路も鉄道も建物も多い東京に新たに新幹線用の専用レールを通すのは相当に大変だったようで、おかげで新幹線上野駅は並の地下鉄よるもずっと深いところにホームがあります。地下の深いところくらいしか場所がなかったんでしょうね。デパートのエスカレーターの3倍は長いエスカレーターを3つ4つ乗り継いでようやく辿り着くような深部です。敏感な人なら気圧の変化が感じ取れるんじゃないですかね。山手線なんかから新幹線に乗換えるには20分ちかく余裕を見ておかないといけません。


 もっとも、大学時代はあんまり新幹線使わなかったんですよね。新幹線特急料金が惜しくて。

 新幹線開業に併せて在来線の特急列車は廃止されましたが、暫定営業期間は常磐線経由の特急「みちのく」などまだ少々残っていました。それと夜行急行列車が残っていた。深夜1時ころに仙台を出て上野に朝7時くらいに着く。上京にはこれをよく使っていました。当時は東京ミニ周遊券というのがあって、都内の国鉄(現JR)乗り放題でしかも急行列車には追加料金なしで乗れた。体力と引き換えにゼニは節約できました。


 今回の同窓会は特急列車も新幹線もフルに使いました。当たり前じゃんと思うかも知れませんけど、普段はそういうことはまずやりません。公務出張の場合は必要最低限(と行政が認める)交通手段しか許されません。私用は私用でフトコロが気になる。クルマと高速バスとJRとその他とあれこれ見比べて、時間やら日程やら何やら確認して一番リーズナブルな手段を選ぶ。フトコロが気になるのは誰だって同じです。

 で、最も早い交通手段を使ってみて、改めて実感したんですが、旅行なんてものはカネと覚悟さえあれば全然心配する必要のない、どうとでもなるものなんですね。

 今回の移動距離はけっこうなもので、運賃も(私としては)相当な額だったんですけど、カネさえ払えばえらい長距離をあっと言う間に運んでくれるんですね。ホント、カネされ用意できれば旅行なんて簡単です。


 ただ、新幹線って乗り物は味わいみたいなものがあんまりないなとは思いました。

 生来ケチゆえ、せっかく高いカネ払って新幹線に乗るんだからそれに見合った喜びが欲しいとか、実に貧乏臭いことを考えていたんですよ、乗車前は。

 でも、今や新幹線って、多数の人間を長距離・超高速で運ぶための単なる道具なんですね。

 開業直後の東海道新幹線は「夢の超特急」と呼ばれ、「こだま」や「ひかり」に乗ることは土産話でした。私も生まれて始めて東海道新幹線に乗った時は相当な興奮を味わいました。

 アラ還暦のオヤジになった私が今さら東北新幹線で10代のころのような興奮を味わうはずもありませんが、それにしても「はやぶさ」は全然楽しくなかったです。何ででしょうかね。


 6月に「はやぶさ」に乗った嫁サンとそんな話をしているうちに、2人が同意したことがあります。

 それは、天井の低さ。

 E5系って言うんですか、「はやぶさ」の車体って、やたらと天井が低くて圧迫感が強いんですよ。彼女「こまち」の車両にも乗ったんですけど、幅が狭い分いよいよ狭っ苦しい感じが強かったと。

 いや、車両を開発したエンジニアに非はないですよ。300km/hでぶっ飛ばすには空気抵抗は敵の中の敵。空力ボディを作りつつ旅客もたくさん乗せなきゃいけないとなったら、削れるものは全高しかない。速いしカッコいいけどたくさん乗らない500系の失敗はもう繰り返せないですからね。


 そうは言っても、感覚的なものはどうにもならんのですよね。

 「飛行機みたいに窮屈な感じがする」と嫁サンが言ったとき、おお、と膝を打ちたくなりました。うん、そうなんですよ。窮屈な感じがするんですよ。グリーン車やグランクラスは天井高いのかな。