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ssh1109 ようこそDJデミオ(1) [ご挨拶&エッセイ]

<2021>


 さて、16年ちょっと働いてくれたDYデミオに代わって、我が家にDJデミオがやって参りました。


 私が初めてクルマを買ったのは(ようやく)教員採用試験に合格した時で、クルマはマツダ・ファミリアの4WDでした。日本初のフルタイム4WDという触れ込みでしたが、さすがにDOHCターボのGTは手が届かなくて、1.5LでOHCのXRというグレードでした。

 今回のDJデミオは、このとき以来の4WDです(現在マツダはAWDと呼んでいるようです)。


 改めてよーく調べたところ、私が購入したDJデミオは、XDツーリングLパッケージAWDという大変長い名前のグレードで、当時のトップグレードだったようです。

 XDはエックスディーではなくクロスディーと読むのですね。スカイアクティブDと名付けられた、マツダご自慢のクリーンディーゼルエンジンです。4バルブDOHCターボという1980年代の車好きなら興奮するスペックのディーゼルです。


 今や電動車の風に紛れて地味になりつつあるディーゼルですが、5~6年前まではCO2削減の有力手段としてかなり注目されていました。ディーゼルはガソリンエンジンより燃費がいいのでCO2排出も少なく、長距離走行だとハイブリッドよりも効率もいいということで。このころのヨーロッパ市場はディーゼルが大人気でした。

 ディーゼル人気が傾いたのは、電動化やZEV(排気ガスゼロのクルマ)への需要が増えたせいもありますが、かなりデカかったのはフォルクスワーゲンのいわゆるディーゼルゲート事件ですね。同社がディーゼル車のプログラミングを排ガス規制テストするときだけ排ガス浄化装置をフル稼働させるよう不正に細工していたという事件です。

 この事件は本当に大問題でした。日本でもすでに規制を合格して販売されていた国産ディーゼル車を実地走行して排ガス中の窒素酸化物(NOx)を測定するというテストを行政が行ったくらいです。

 実は、ヨーロッパ市場でディーゼルに人気があったのも、マツダのスカイアクティブDがよく売れたのも、環境性能や維持費のせいではなく、走りの良さからです。

 日本だと軽油はガソリンより安いですが、これは税制優遇のためで、ヨーロッパの軽油はガソリンに比べて安くはありません。加えてディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べ高価で、その上たいていターボエンジンなのでますます高価になります。燃費は確かにガソリンエンジンよりもいいですが、車両購入価格を取り返せるのは相当な距離を走る人だけです。

 なのにディーゼルが好まれたのは、トルクが太いからです。特に中低速のトルクが太い。クルマの加速は馬力よりもトルクがモノを言います。中低速からの加速や坂道を登る時にグイッと引っ張ってくれるのがディーゼルの強さです。

 ただしディーゼルは高回転は苦手。グイッと加速はするけどスカッとは伸びない。

 WebCGで清水草一が書いてましたが、今まで乗ったディーゼルでもっともスカッと爽快に走ったのはヨーロッパで借りたレンタカーのフォルクスワーゲンだったのだそうです。で、後で考えてみると、あれこそが「不正ディーゼル」だったのではないかと。なんともはや。


 前述した日本の行政実地テストでは、マツダ・日産・三菱・トヨタのディーゼル車が遡上に乗りました。どれも試験に合格したエンジンですが、公開された結果では、やはり実地走行では基準値を数倍上回るNOxを排出していました。クルマによってクセがありましたが、当時最新のエンジンを積んでいたランドクルーザープラドが特定のモードで最も悪い成績を出したのはかなり意外でした。

 そんな中、マツダCX-5の2.2Lディーゼルとデミオの1.5Lディーゼルは、すべての実地走行で基準値をほぼ下回る成績を出しました。スカイアクティブDは掛け値なしのクリーンディーゼルエンジンだったのです。


 排ガス性能が高く、トルクが太くて走りが楽しいディーゼルエンジンが、自分の好きなブランドであるマツダから出ている。しかもマツダは国内メーカーでは珍しくCVTを使っていません。コンパクトカーのデミオにも6速オートマチックを使っています。さらに、多くの仕様に4WDを用意している。いい物件があればスカイアクティブDの4WDを買いたいという気持ちはあったのです。


 長くなったので、続きは次回。

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