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ssh1110 ようこそDJデミオ(2) [ご挨拶&エッセイ]

<2021>


 ssh1108で書きましたが、DJデミオの商談はあっと言う間にまとまりました。

 一方、納車はそれから2週間以上してから。中古なのに納車が手間取ったのは、車検切れの物件だったからです。

 中古車は車検が長く残ってるものの方が人気があります。けど、私はあまり気にしません。費用はかかりますが、車検切れ物件は車検が残っているものに比べてたいてい車両本体価格が低めになってます。それに、車検に合わせて気になるものを交換してもらうこともできます。今回はエンジンオイル・エレメント・バッテリーなどをすべて交換してもらっています。


 10月上旬に納車ということで家族で受け取りに行きました。

 ところがこの納車が、まあ、なんとも激しいものだったんですよ。

 まず予約席よろしく名札の立った席が用意されてて、店員が次々と「本日はおめでとうございます!」と声をかけてくる。

 家の新築ならお祝いもありますけど、クルマの新規購入っておめでたいんですかね。しかも中古だし。


 一通りの説明を受けたのち、引き渡し場所へ行きました。そこには、ピッカピカに磨かれた我がDJデミオが。

 これはホントに素晴らしい磨きでして、冗談抜きに新車と見紛うレベルでした。シートの少々のシワを除けば、内装も外装も新品同然。ドアを開けてピラーやサイドシルを見てもピカピカ。外装の黒いプラスチックパーツもピカピカ。アルミホイールも新品同様でした。いや、よくもここまで磨いてくれたものです。


 しかし驚くのはまだ早い。このあと我が家族は実に小っ恥ずかしい体験をしたのであります。



 
 ピカピカの実車とご対面後、担当さんが「それでは納車式を行いますのでこちらにお並び下さい」と。

 納車式?

 ええ、納車式です。納車のセレモニーです。

 これがまあ、実に小っ恥ずかしいものだったのですよ。


 まずは記念撮影。

 撮影用のでっかいキーの模型を持って家族全員で1枚。なんかいにしえのプロ野球オールスター戦のMVP表彰式みたいです。

 つづいてテープカット。はい、テープカットです。道路や鉄道が開通したときに偉〜い政治家のセンセイ方がやる紅白のリボンをハサミで切るアレ。小さい頃は一度やってみたいと思ってましたけど、いざやってみると楽しくもなんともないですな。あれ、利き手にハサミ持って、残りの手でリボン持って切るんですね。私ゃただハサミで切ってバサッと落とすもんだと思ってましたよ。

 これで終わるかと思うと、ここからが長い。5人ほど従業員が並んで、一人一人から感謝とお祝いのご挨拶。実はこのうちの一人が30年以上前の教え子でして、まーなんともはや。

 ご挨拶の大トリを務めまするは社長さん。なんと直筆のお手紙を自ら朗読。結婚式の新婦さんか。

 すぐに終わるだろうとタカくくってた私達家族は、毒気に当てられたような感じ。「もう帰ってもいいっすか」と口に出したいのをこらえてるうちに、一大セレモニーは終了。ようやくDJデミオは私らのものになりました。


 いや〜、それにしても、濃かったっすねえ。

 そりゃまあ、この納車から点検やら何やらで長いお付き合いになる新規のお客様ですから、先方にとってはありがたいのでしょうけど、なにもここまでやらんでも。

 そもそも私は〇〇式ってものが苦手なのですよ。結婚式でも葬式でも苦手。式典が始まると「早く終わらねえかなー」と思います。幼少期から現在まで変わらずそう思います。

 家人の感想は、新車ならともかく中古車なのにあそこまでやられると恥ずかしいと。まあそうですわな。


 あ、この熱烈なる納車式は、この店舗だけのもののようです。系列店がみんなそうというものではなくて。


 納車されたDJデミオは快調です。

 その週末、さっそく高速使って往復200kmほどのお出かけをしましたが、実に快適です。静かだし足回りもいいし、スカイアクティブD1.5は強力トルクで運転がラクです。気になっていた後席の居住空間とラゲッジスペースも及第点です。ただ、後席の住人(嫁サンと娘)からは、広さはいいとしてハーフレザーのシートが滑りやすくてちょっと疲れると言われました。


 納車後1ヶ月ほど経過しましたが、改めていい買い物したと思います。

 ボディサイズについてはかなり迷ったんですよね。後席によく人を乗せることと、家族で遠乗りすることを考えると、ちょっと大きい方がいいので。

 ただ、大きなクルマは、遠乗りには強いけれど、街乗りは気を使う。トヨタ・ランドクルーザーは地球上のどこまでも行って生きて帰ってこれるクルマというのを誇ってますけど、あの巨大なランクルを仮に所有できたとして、私のヘタクソな取り回しのウデでは、どこまでも行けるがどこにも駐められないですわ。

 その点DJデミオは5ナンバーボディでコンパクト、コンビニでもスーパーでも気楽に駐められます。住宅地の狭い路地も問題なく入っていける。当地は狭っちい路地がかなり多いのですけど、DYからDJに替えてからも同じ道を平気で走っています。

 なのに遠乗りに強い。というか、DJデミオXDが最も得意とするのは遠乗りです。市街地走行も問題なくこなすけれど、遠乗りになると俄然生き生きしてきます。コイツとならどこまでも行けるという頼もしさがある。それでいて行き先での取り回しにも苦労しない。

 燃費も良好です。リッター15~17kmは走ります。数字だけなら最新のハイブリッドの方がはるかに上ですが、こっちは4WDだし速いし、軽油はガソリンより安価です。

 私が思うに、DJデミオXDAWDは、ディーゼルのファミリア4WDGTですね。コンパクトで実用性十分のボディにフルタイム4WDとパワフルなエンジンを積んだホットハッチ。走りで選ばれるクルマ。そのくせ燃費は良好。アクセル踏んずけるのに余計な引け目を感じずに済みます。


 寒冷地の当地は近いうちに降雪の季節になります。スタッドレスタイヤを装着したAWDの走りについては、またご報告したいと思います。


 あ、ところで、社長さん直筆のお手紙ですが、あれどうしたもんかと困りましてね。

 そしたら次男が「車検証と一緒にクルマに入れといたら?」と。

 彼、いいこと言いますね。現在、そうなってます。

 

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