ssh1118 謹賀新年2022 [ご挨拶&エッセイ]
<2022>
みなさま、新年あけましておめでとうございます。4日遅れの年賀のご挨拶を申し上げます。
sshの象徴・校長先生は先月15歳になりました。小型犬ですのでぼちぼち寿命でもあるのですけど、幸いなことに日々元気に過ごしております。もらいもののダルマの横で安眠しております。
2022年のshiraは5回目の年男であります。つまり還暦です。
若い頃は還暦の自分なんざ全く想像つきませんでしたし、そもそも還暦まで生きてないんじゃねえのかとも思ってました。まあ、馬齢というのは重ねられるものなんでしょう。
村の渡しの 船頭さんは
今年六十の お爺さん
年はとっても お船をこぐ時は
元気いっぱい 櫓がしなる
ソレ ギッチラギッチラ ギッチラコ
童謡「船頭さん」は1941年の作ですけど、私が子どものころもよくラジオやTVの子供番組で流れていました。NHK「みんなのうた」のソノシート(ペラペラのビニールの安価なレコード)にも収録されてたはずです。この唄が特に違和感なく流されていたのですから、1960年代の日本人にとって、60歳は「お爺さん」だったのですね。
時は流れて、今や日本はウルトラ高齢化社会です。非婚+晩婚+少子化もきっちり進んでいます。石を投げれば高齢者に当たる。今年60のお爺さんどころか、70代が交通整理や介護職を勤めています。別に日本が健康長寿国になったからじゃありません。確かに寿命は伸びましたけど、高齢者が働いてるのは生活に困ってるからです。
かつて「老後」の問題というのは、有り余る時間をどのように充実して過ごすかという問題でした。仕事一筋の会社人間(男性)たちは、定年を迎えるとやることがなくなってしまう。友達らしい友達はいないし、趣味らしい趣味もない。家でゴロゴロするのが関の山。
一方の女性たちは仕事一筋に打ち込みたくても打ち込ませてもらえなかった。20代のうちに結婚を求められ、結婚すれば寿退社を求められる。おかげで若いうちから友達も多く、趣味も開拓していた。彼女たちにとって老後の厄介物は何もせず家でゴロゴロしてる粗大ゴミ=夫です。
ただ、老後の問題がそういう悲喜劇であり得たのは、生活の心配があまりなかったからです。終身雇用で収入は十分あり、貯蓄もちゃんとできました。年金は60歳からきっちり支給されたし、医療費の心配も不要だった。家でゴロゴロできたのは稼ぐ必要がなかったから。現代の日本からすれば champagne problem(ぜいたくな悩み)です。
21世紀の日本では、老後の問題とは生存問題です。
そもそも収入が低い。低いから蓄えをする余裕がない。ロクな蓄えもないまま定年を迎えて、年金がもらえるのは65歳から(現在は経過措置期間)。正規雇用なら退職金も出ますが、非正規雇用だったら定年もヘッタクレもありません。年金は減らされ(そのくせ掛け金は大幅にアップしてます)、医療費も高くなりました。
私も含めたアラ還世代が老後についてもっとも悩んでいるのは、ゼニです。
定年が近づくと、退職後の生活についてのセミナーへのお誘いがよく来ます。一番多いのは金融機関からのものですが、教職員の場合、互助組合や職員組合のセミナーもあります。
昨年その種のセミナーに参加しました。退職後のゼニを計算するシートをもらいまして、具体的なゼニを入れてシミュレーションしてみました。
いやあ、なかなか厳しいですね。
率直に言って、貯蓄についてはけっこう地道に頑張ってたんですよ。家は建てましたけど、ちゃんとシミュレーションもして予算を組みました。
じゃあなんで老後の予算が厳しくなったのかというと、子どもたちの教育費です。やっぱ3人を大学に出すのはキツかったですね。蓄えはかなり取り崩してしまいました。
一生の買い物のつもりで建てた家も、すでに築20年。ぼちぼちあちこち傷んできました。昨年はトイレが壊れましてリフォームしましたけど、15万円くらいかかりました。これからこういうのがちょくちょく起きるんでしょう。
私は来年度で定年です。定年後に再任用講師として雇用してもらう機会はありますけど(65歳まで)、給与は講師のそれですので一気にダウンします。それでもまあ、とにかく収入は得ないといかんでしょう。65歳からは年金が給付されますけど、余裕はゼロです。
どうなるんでしょうかね、私の老後は。実際に65歳になってみないとわからんですね。案外なんとかなるかも知れませんし、想像以上に悲惨なものになるかも知れません。ま、なるようにしかならんでしょう。
それでは、本年もssh-スーパー小論文ハイスクールをよろしくお願いいたします。
2022-01-05 21:02
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