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ssh1123 文学部に進学するということ [志望理由・進路選択]

<2022>

 久しぶりに、地元国立大学の説明会に行ってまいりました。ええ、3年の担任なもので。

 ここの説明会はとても充実してます。全体会で全学部の説明もしてくれるし、同時並行で各学部のブースでの説明もしてくれます。

 今回、私は人文学部と農学部と理学部の個別ブースに行ってまいりました。

 その中でも、特に長話になってしまったのが人文学部です。

 (人文学部と文学部は同じものです。なぜか日本の国立大学では、一部の大学を除いて人文学部と名乗っています。)


◆◆◆

私: 初めまして。〇〇高校の☓☓(shiraの本名)と申します。

大学の先生(以下、先生): お越しいただきありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。

私: えー、本校にとってこちらの大学は憧れの大学でして、地元だし国立だし、生徒も保護者も進学したいという希望はすごく強いのですけど、まあ学力的に届かないというケースが多くて。

先生: (笑)ありがとうございます。本学への志望者は、どのくらいいらっしゃるんですか?

私: ひと学年300人弱なんですけど、3年生だと50人くらいですかね。ただ、潜在的にはもっといて、1年生は半分くらいこちらが第1志望ですね。やっぱ学年が上がると自分の学力を見て現実的なことを考えるんで。

先生: 多くの生徒さんに志望されるのはありがたいことです。

私: えー、私の認識がちょっと古いんで申し訳ないんですけど、センター試験のころと比べて、現在の共通テストと個別試験の配点が変わってますよね。個別試験の配点が上がってて、調査書も得点化されてて。

先生: はい、そうですね。

私: で、こちらの個別試験、あの総合問題ですけど、なかなか手ごわいですよね。

先生: ははは。まあでも、形式はセンター時代から変わってません。第1問が英語、第2問が数字やグラフを読み取る問題、第3問が日本語の課題文で、第4問は1~3をまとめての小論文です。

私: 第2問は数的リテラシーってヤツですか。

先生: ええ、それです。

私: で、あの総合問題の英語ですけど、すげー難しいですよね。単語や構文もムズいんだけど、とにかく内容に手加減がなくて。

先生: 内容は確かに手加減はしてないですね。難しい単語はご覧のように注が付いてますけど。

私: 単語の意味がわかっても、筆者がどんな視点観点から、どういう論を立てて、どういう意見を述べているのかっていうのが、もう本当にレベルが高くて。旧帝大の英語でもこういうレベルの長文はなかなか出してこないです。

先生: 第1問に限らず、やはり筆者が何を言わんとしているのかというのが読み取れないと、難しいでしょうね。

私: 何年か前にこちらの説明会に伺ったとき、総合問題の評価について尋ねさせて頂いたんですけど、まったく公表されている配点通りで、センター+2次の合計点で上から合格にしているということだったんですが。

先生: その通りです。現在もまったくそういうふうにやっています。ただ、個別試験の総合問題で逆転して合格するケースは確かにありますね。

私: えーと、これ、ここで伺うべきことじゃないんですけど、その、ものの見方とか視点とか考え方とか論の立て方とか、そういうものを何とか高校生にも学ばせたいと思ってはいるんですよ。英語でも国語でもそうなんですけど、ただ文章を読んで問題に答えられるようになればOKってんじゃなくて、筆者の脳内にある視点観点切り口・論の立て方みたいなものまで飲み込んで欲しいなと。

先生: それは本当にそうですよね。

私: ただまあ、ホント申し訳ないんですけど、そういうものに、いい名前がないんですよね。「○○を学べ」みたいに言えない。概念装置なんて言葉で表現した人もいるんですけど。

先生: (苦笑)まあ、難しいですね。


私: えーそれでですね、これホントに失礼極まりない質問で恐縮なんですけど。

先生: なんでしょう。

私: あの・・・。現在担当している生徒の中に、文学部/人文学部に行きたいと言ったら保護者が難色を示したってケースがありまして。

(周囲にいた先生方まで爆笑)

先生: (笑いをこらえて)それは就職に関してですか?

私: はい。まあぶっちゃけ、文学部/人文学部じゃ潰しが効かないって言われたみたいで。

先生: ははは。まあその辺についてはですね。本学でも就職率はまったく問題ないですよ。こちらのデータのように、就職率は高いですし、就職先も多岐に渡ってます。就職率は91%ほどですが、これは就職できなかったということではなくて、やはり人文科学の研究をするという特質上、進学(大学院)にも就職にもカウントされないけれど、自分で研究なんかにつながる活動をしているというケースはあります。

私: 進学にも就職にもカウントされないけれど、自分のやりたいことをやっているというケースですか。

先生: ええ、そういうことです。

私: 考えてみれば、法学部だって経済学部だって、大学で学んだことを仕事でそのまま使うわけじゃないんですけどね。

先生: (笑)まあ、本学は就職のサポート体制も自信を持ってますので、ご安心いただければと思います。



話はこのあと、心理学関係に進みます。続きは次回。


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