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ssh1125 理学部と進路 [志望理由・進路選択]

<2022>

前号までのあらすじ

 某県立高校教諭shiraは、3学年担任ということで地元大学のガイダンスに参加する。人文学部で入試について根掘り葉掘り聞いた挙げ句、人文はツブシが聞かないからと子どもの進学に難色を示す保護者にどんなことを言うべきかという超絶失礼な質問までして、さらに心理職についてスッポンのごとくしつこくあれこれ尋ねるのであった。


 はいはい、どーせスッポンのshiraですよ。って、本物のスッポンは言われているほど強烈じゃないらしいです。世の中には奇特な人もいて、わざわざスッポンに手を噛ませて実験して、意外に簡単に離れると実証してたりしてます。

 いや、スッポンはどーでもいい。実はこの日のshiraは、全部で3つの学部のブースを回ってるのですよ。

 人文学部の次に訪問したのは理学部。(人)文学部と理学部はある意味お友達。人文科学を純粋に学問的に研究するのが(人)文学部、自然科学を純粋に学問的に研究するのが理学部です。


私: 初めまして。〇〇高校のshira(本名を言う)と申します。

理学部の先生(以下、先生): どうも。よろしくお願いします。

私: 先ほどの全体会で理学部の紹介を聞いたんですけど、冒頭で「応用ではなく」と言ったのがさすがだなと思いまして。

先生: 理学部は科学を研究する学部ですので。

私: 私、高校生に進路選択するとき、理系であれば純粋に自然科学を研究するのが理学部で、自然科学を応用して人間に役立つことを考えるのが工学部や医学部や農学部だと伝えてるんですけど。

先生: それでよろしいと思います。理学部は応用ではなく、あくまで「なぜ?」を追い求める場所です。




 
私: もうかなり前、えーと6~7年前だと思うんですけど、本校からこちらの理学部物理学科にお世話になった生徒がいまして。

先生: あ、私、物理なんですけど、お名前わかりますか?

私: あーすみません、名前までは。で、その彼、かなり優秀だったんですけど、家庭事情とかいろいろあって、どうしてもこちらで学びたいと。それで、大学2年くらいの時、在校生のためのミニ講演会みたいなのを企画して、彼にも来てもらったんですよ。その場で在校生から大学生活について質問されたら「大好きな物理のことを一日中考えてられて本当に楽しい」って言ってたんです。

先生: いやあ、もう理学部にうってつけですね。

私: 聞いた話だと、東大だか京大だかの大学院に進んだらしいです。

先生: 私どもの学部は、卒業後の進路で最も多いのは大学院への進学でして。55%が院に進みます。(資料を開く)

私: 昨今は理系の学部だと修士課程くらいまではって感じになってますもんね。ああ、けっこうあちこちの大学院にも進んでるんですね。

先生: 他大学の院に進むのは、研究内容が理由ですね。どうしてもそこの研究室に行きたいと。まあ私どもとしては惜しいのですけど、そこは本人の希望ですから、引き止めるわけには行きませんので。


先生: 実は最近、修士課程を出ると、今まで以上に就職がいいんですよ。

私: そうなんですか?シロウトの感覚からすると、工学部の方が引く手がありそうに思えるんですが。

先生: それが最近は違うんですよ。もちろん工学部さんで学んだ学生さんたちも求められてるんですが、理学部で基礎研究をやってきた学生が欲しいというケースがけっこうあって、以前より声はかかります。

私: へえ、そうなんですか。まあ、大学で学んだことが仕事先でそのまま使えるわけじゃないですもんね。仕事で必要なことは仕事場で学ぶことになりますよね。

先生: ええ。そういう点でも、応用ではない学びをしてきた理学の学生が欲しいということがあるようで。


私: あ、公務員の就職も結構ありますね。

先生: はい。公務員はわりと多いです。合格率は高いですね。

私: それは専門職ということですよね?国家なら国土交通省とか農林水産省とか科学技術庁とか。

先生: その通りです。都道府県や市町村にもそういう枠があります。

私: 公務員ということになると、やっぱ理系の方が受かりやすいんですよね。文系だと総合職みたいなのしか受けられないんで。専門職は文系じゃ受けられないですからね。

先生: そういうことでしょうかね。まあとにかく、うちから公務員試験を受ける学生はよく受かります。


 ということです。

 理系のみなさん、理学部に行きたければ、迷わず理学部に行きましょう。出口は大丈夫です。


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