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ssh1126 農学部から公務員になる法 [志望理由・進路選択]

<2022>

前号までのあらすじ

 某県立高校教諭shiraは地元大学のガイダンスに赴く。人文学部ブースで失礼全開の質問を繰り出した後、今度は理学部ブースに行き、やはり妙ちきりんなやり取りをするのであった。


 ふっふっふ。内容的には失礼でも、雰囲気や言葉を選んで突っ込めるところまで突っ込むのが私の得意技なのですよ。せっかく大学の先生方と直でやり取りできるチャンスじゃないですか。聞けるところまで聞きますよ。当たり障りのないやり取りだったらTVでいくらでも楽しめます。

 さて、人文学部と理学部でお話を伺い、ラストは農学部ブースを訪問させていただきました。


私: 〇〇高校のshira(本名を言う)と申します。よろしくお願いします。

農学部の先生(以下、先生): あ、はい。

私: (んー、なんかやる気のない感じの先生だな。大丈夫かな。) こちらは本校からも毎年多くの受験がありまして、4年前にも私の担任クラスの生徒がお世話になってます。

先生: はい、ありがとうございます。

私: まあ、地元の国立大学ということで、本校の生徒保護者にはかなり人気がありまして。

先生: んー、でも実際にキャンパスに来てもらうと、ショック受けるケースが多いんですよね。

私: それはどういう?

先生: まあ、田舎だとは思ってたけど、ここまで田舎だとは思わなかったと(笑)。

私: いや、そうは言っても、農学部って都会のど真ん中ってわけにゃいかないじゃないですか。

先生: 確かに、実験でも実習でも、キャンパスにすべてがあるというのは自慢できますね。どこか遠くまで行かなくてもやれますから。

私: ただまあ、ここからだと通学はちょっと不便ですよね。

先生: ええ。だから相当数の学生がクルマを使ってます。


私: あの、自動車通学はOKなんですか?

先生: OKです。というか、そもそも農学部キャンパスには門扉がありませんで。

私: え? じゃあ、出入り自由ってことですか。

先生: はい(笑)。

私: 実は私、以前そちらの近くに住んでまして、所要でお邪魔させてもらったこともあったんですけど、簡単にクルマで入れましたね。

先生: ああ、そのころから変化はないです。

私: そうすると、多くの学生が自動車通学ということですか?

先生: 割合は高いです。通学だけじゃなくて、農学部の周辺はクルマがないと本当に不便ですから。

私: それが引っかかって進学を躊躇するケースはないんでしょうか。

先生: 最初は抵抗あるみたいですけど、実は女子学生と保護者には却って評判がいいんですよ。クルマだと家からキャンパスまで箱の中なので、妙なヤツに狙われにくくて安全だと。

私: あー・・・。わかります。日本は本当に女性にとって生きにくいところですから。都会の電車通学よりセキュリティはいいですよね。


私: あの、農学部の男女比って、今どのくらいですか? 以前伺った時は、女子学生の比率が高いってお話だったんですけど。

先生: 4割超えてます。

私: 男女比、55:45くらいって感じですか。

先生: 感覚的にはもっと多いんですけどね。

私: それはどういう?

先生: 女子学生は全体に真面目でよく頑張るんですよ。男子学生はそうでもなくて、加えてちょっと弱いというか、割とよく休むんですよね。授業に行くと女子ばっかり目立ちます。

私: (苦笑)まあ、女子の方が男子より学力が高いってのは実証されてますからね。


私: ところで就職について伺いたいんですけど。やっぱ農学部って食品関係のメーカーが多いですよね。

先生: 多いことは確かですが、最近は食品以外も多いです。(資料を見せてくれる)

私: あ、本当だ。電気関係のメーカーとか、地元紙とか、民間もけっこう多岐ですね。

先生: 公務員もいますよ。教職もいますし。

私: ああ、以前の同僚さんがここの卒業生でした。よその県から進学してきて、そのままこっちの教員になっちゃって。

先生: 私の教え子も地元の高校で働いてますよ。

私: 公務員は、農林水産省とか、都道府県や市町村の専門職ですよね。

先生: その通りです。専門職はわりと受かりやすいです。ただ、最近は国家公務員があまり人気ないんです。

私: え?

先生: 優秀な学生だと、国家公務員と地方公務員の両方に合格するんですけど、たいてい国家を蹴って地方に行っちゃいます。

私: あの、それは、どういう理由で。

先生: あっちこっち飛ばされるのがイヤみたいですよ。

私: あーわかります。企業でも、出世するけど全国展開というセクションと、出世はしないけど勤務地は限定的というセクションを用意すると、後者の方が圧倒的に人気だそうですから。


先生: 実は、農学部から地方公務員の農業関係の専門職を狙うのであれば、狙い目があるんですよ。

私: あ、それ是非教えて下さい!!

先生: 農学部のない都道府県が狙い目です。

私: あ、あ〜。

先生: 地元の大学に農学部がないと、どうしても受験者は減るんですね。隣県にもそういうところがありますよね。そういうところはかなり受かりやすいです。



 このあと、環境保全やら何やら、相変わらずスッポンのように食いついていろいろ聞いたのですけど、それはここで紹介するほどのネタでもないので。

 毎度のことですけど、この大学の先生方からは得るものが多くて本当に楽しいです。

 これを生徒にしっかり伝えないといけないですな。

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