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ssh1060 面接指導のゴール [面接]

<2017>


 11月は推薦・AOのハイシーズンです。現任校でも推薦・AOに挑戦する生徒が毎日指導を受けています。

 面接試験は一期一会の真剣勝負です。一見の受験生が一見の試験官に自分の志望の本気さをどこまで伝えられるか。

 「面接の練習」は予定原稿を覚えることではありません。その場で、ライブで、自分の気持ちの確かさを、初対面の人間に何とか伝えるという骨の折れる仕事です。

 総理大臣や官房長官は記者会見のときにあらかじめ質問を提出してもらってそれに対する回答を用意して原稿なりプロンプターなり見ながら答える=ただ読み上げるんだそうですけど、受験生にはそういう反則技は許されていません。大学入試は政治家のお仕事ほど甘くはないのです。


 さて、今回の記事は受験生ではなく、面接試験に臨む受験生を指導する先生たちについてのお話。

 面接指導のゴールは、どこにあるのか?


 もちろん目標は合格です。試験なんだから当然です。

 でも、不合格者も出ます。試験なんだから当然です。どんなにいい学生でも、競争相手に恵まれなければ落ちます。

 合否を決めるのは大学側。送り出す側には決められません。なれば、送り出す側には合否とは別のゴールが必要です。

 スポーツや音楽の大会であれば、勝てなくてもベストを尽くせれば納得して終わることができます。

 受験生が面接試験でベストを尽くせるように、職員の側がやるべきことは何でしょうか。


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ssh1049 面接で絶対やってはいけないことを安倍晋三に学ぶ(2) [面接]

<2017>

 ssh1048の解答編です。

 安倍晋三の②の回答は、①の質問に対するものとしてはまったく不適当です。記事タイトルがすでに結論をバラしちゃってますけど。
 面接試験なら、マイナス100点レベルの0点回答。面接試験なら一発不合格です。
 その理由は以下の通り。

1. 基礎知識に欠けている 
 質問①は難民問題についてのものですが、②で回答者は「難民」と「移民」をごっちゃに使っています。
 自らの選択で他国に移住する移民と、自国で迫害されて止むなく逃げ出す難民はまったく異質のものです。
 もし法学や政治学を志す受験生が、この程度の基礎知識がないというのであれば、マイナス50点くらいの減点を喰らうでしょう。

2. 質問と関係のない話をしている
 1.よりも大きな減点対象が②の第3文、「人口問題として申し上げれば・・・」の部分。
 私は最初このニュースを見た時、自分の見間違いではないかと思いました(マジで)。しかし安倍晋三は本当にこう言ったらしいのです。
 難民問題ですよ。どの脳細胞にどんなアクロバットをやらせたら、難民問題が人口問題として申し上げられるんでしょうか。これまでずいぶんいろんな高校生のトンチンカンなやり取りに付き合いましたけど、この安倍晋三のぶっ飛び具合は次元が違います。質問した記者も通訳が間違えてるんじゃないかと疑ったんじゃないですかね。
 とにかく、質問されたことと関係ないことを答えるのは大きな減点対象です。ここでさらにマイナス50点。

3. そもそも質問に答えていない
 では安倍晋三は②で一体何を述べたのか。
 (ア)難民問題は多国間で協力して取り組むべきである。 
 (イ)日本は移民(難民ではない)を受け入れる予定はない。 
 (ウ)日本は難民そのものが生まれないような取り組みに加担したい。
 ①の質問は「日本は難民を一部でも受け入れるのか否か」。質問者が聞きたいのはそれに対するYes/Noです。ところが、②にはそれがない。(ア)〜(ウ)のどれ一つとして、質問①の答えになっていないのです。
 質問に答えていない回答は採点対象外。最初から0点です。

 というわけで、(-50)+(-50)+0=-100で、マイナス100点レベルの0点面接という評価となります。
 これだけダメな回答のサンプルは、なかなかお目にかかれません。反面教師として非常に貴重と言えます。
 ずいぶんと世界に恥をさらしてくれたもんですな。


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ssh1048 面接で絶対やってはいけないことを安倍晋三に学ぶ(1) [面接]

<2017>
<ssh756再録>

◆◆安倍晋三首相は9月30日未明(日本時間)、国連総会の一般討論演説で、シリア・イラク難民の問題について、約8億1000万ドル(約972億円)の経済支援を実施する方針を表明した。
 演説後の記者会見では、外国人記者が、9月24日に安倍首相が発表した「新・3本の矢」とする経済政策について質問したあと、①「シリア難民問題への追加の経済的支援を表明したが、難民の一部を日本に受け入れることは考えていないか?」と質問した。
 安倍首相は「新・三本の矢」について説明して「新たな三本の矢を全力で放ち、新たな国造りを進めて参りたい」と述べた後、シリア難民問題への答えに移り、以下のように答えた。
 ②「そして今回の難民に対する対応の問題であります。これはまさに国際社会で連携して取り組まなければならない課題であろうと思います。人口問題として申し上げれば、我々は移民を受け入れる前に、女性の活躍であり、高齢者の活躍であり、出生率を上げていくにはまだまだ打つべき手があるということでもあります。同時に、この難民の問題においては、日本は日本としての責任を果たしていきたいと考えております。それはまさに難民を生み出す土壌そのものを変えていくために、日本としては貢献をしていきたいと考えております」(以下略 ハフィントンポスト日本版 2015.9.30. ①②はshiraによる)◆◆


 問題です。
 ①の質問に対しての回答として②は適当でしょうか。理由をつけて説明してください。
 ただし、②で示されている政策の是非や賛否を理由にしないこと。

 解答は次回。
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ssh747 面接で絶対やってはいけないことを安倍晋三に学ぶ(2) [面接]

<2015>

 

 ではssh746の解答編面接試験に向けてのアドバイスとして読んで下さい。


 安倍晋三の②の回答は、①の質問に対するものとしてはまったく不適当です。記事タイトルがすでに結論をバラしちゃってますけど、面接試験なら、マイナス100点レベルの0点回答。面接試験なら一発不合格です。

 その理由は以下の通り。

 

1. 基礎知識に欠けている 

 質問①は難民問題についてのものですが、②で回答者は「難民」と「移民」をごっちゃに使っています。

 自らの選択で他国に移住する移民と、自国で迫害されて止むなく逃げ出す難民はまったく異質のものです。

 もし法学や政治学を志す受験生が、この程度の基礎知識がないというのであれば、マイナス50点くらいの減点を喰らうでしょう。

 

2. 質問と関係のない話をしている

 1.よりも大きな減点対象が②の第3文、「人口問題として申し上げれば・・・」の部分。

 私は最初このニュースを見た時、自分の見間違いではないかと思いました(マジで)。しかし安倍晋三は本当にこう言ったらしいのです。

 難民問題ですよ。どの脳細胞にどんなアクロバットをやらせたら、難民問題が人口問題として申し上げられるんでしょうか。これまでずいぶんいろんな高校生のトンチンカンなやり取りに付き合いましたけど、この安倍晋三のぶっ飛び具合は次元が違います。質問した記者も通訳が間違えてるんじゃないかと疑ったんじゃないですかね。

 とにかく、質問されたことと関係ないことを答えるのは大きな減点対象です。ここでさらにマイナス50点。

 

3. そもそも質問に答えていない

 では安倍晋三は②で一体何を述べたのか。

 ()難民問題は多国間で協力して取り組むべきである。 

 ()日本は移民(難民ではない)を受け入れる予定はない。 

 ()日本は難民そのものが生まれないような取り組みに加担したい。

 ①の質問は「日本は難民を一部でも受け入れるのか否か」。質問者が聞きたいのはそれに対するYes/Noです。ところが、②にはそれがない。()()のどれ一つとして、質問①の答えになっていないのです。

 質問に答えていない回答は採点対象外。最初から0点です。

 

 というわけで、(-50)(-50)0=-100で、マイナス100点レベルの0点面接という評価となります。

 これだけダメな回答のサンプルは、なかなかお目にかかれません。反面教師として非常に貴重と言えます。

 ずいぶんと世界に恥をさらしてくれたもんですな。

 


 もっとも。

 ②の回答はまったく無意味とは言えません。ここから相手に伝わるメッセージはあります。

 「この人はこの問題に対して、全然やる気がねえな」と。

 

 ま、仮にこれが大勢の受験生の相手をする面接試験の現場であれば、開始数分で不合格が決定してくれるこういう低レベルの学生がたくさんいてくれた方が面接官はラクができていいかもしれません。

 

 安倍晋三、大学は推薦入学じゃなかったかしら。面接どうやってクリアしたのかな。


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ssh746 面接で絶対やってはいけないことを安倍晋三に学ぶ(1) [面接]

<2015>

 

◆◆安倍晋三首相は930日未明(日本時間)、国連総会の一般討論演説で、シリア・イラク難民の問題について、約81000万ドル(約972億円)の経済支援を実施する方針を表明した。

 演説後の記者会見では、外国人記者が、924日に安倍首相が発表した「新・3本の矢」とする経済政策について質問したあと、①「シリア難民問題への追加の経済的支援を表明したが、難民の一部を日本に受け入れることは考えていないか?」と質問した。

 安倍首相は「新・三本の矢」について説明して「新たな三本の矢を全力で放ち、新たな国造りを進めて参りたい」と述べた後、シリア難民問題への答えに移り、以下のように答えた。

 ②「そして今回の難民に対する対応の問題であります。これはまさに国際社会で連携して取り組まなければならない課題であろうと思います。人口問題として申し上げれば、我々は移民を受け入れる前に、女性の活躍であり、高齢者の活躍であり、出生率を上げていくにはまだまだ打つべき手があるということでもあります。同時に、この難民の問題においては、日本は日本としての責任を果たしていきたいと考えております。それはまさに難民を生み出す土壌そのものを変えていくために、日本としては貢献をしていきたいと考えております」(以下略 ハフィントンポスト日本版 2015.9.30. ①②はshiraによる)◆◆

 

 

 問題です。

 ①の質問に対しての回答として②は適当でしょうか。理由をつけて説明してください。

 ただし、②で示されている政策の是非や賛否を理由にしないこと。

 

 解答は次回。


 

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ssh609 面接官はホンネを聞きたがっている [面接]

<2013>

 

 勤務校の3年生が、キャリア教育講演を受けました。

 講師は経済特に金融に長く携わった方でした。お話は大変に面白く情熱的ですらありました。

 内容すべてをネタに使ってしまうのはもったいないので、その中でご自身が務めた就職試験の面接官のお話もありましたので、その部分だけつまみ食いさせていただきます。

 

 当たり前ですが、試験というのは、合格したくて受けるものです。

 大学入試なら合格して入学したい。就職試験なら合格して入社したい。

 そうであるがゆえに「合格」という結果ばかりにとらわれて失敗するケースが多々あります。

 最大の失敗は、相手に媚びること。

 ssh52でも書いたように、媚びというのは卑屈な行為です。面接のプロたる面接官はそういう態度をすぐに見抜きます。卑屈な人間に魅力はありません。まず落ちます。

 

 今回の講師の方は、そういう行為を「ドレッシング」と表現しました。相手に気に入られたい一心で、本来の自分とは違う様子に自分を着飾った状態です。

 で、案の定、そういうのはすぐバレるんですね。

 そういう「ドレッシング」の部分を、面接官は全く見ていない、と講師の方は断言しました。

 一番見たいのは、受験者の本当の姿なのです。

 この人は本当にこの会社に入ってちゃんとやっていけそうか、いっしょに働くことができそうかそういう一番重要な部分が、相手に媚びるために着飾っていると見えない。

 「ドレッシング」と言うべきか、「媚び」と言うべきかはともかく、こういう着飾りは受験者の本当の人物を知る上でバリアとなってしまいます。


 

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ssh318 僕を合格させてください [面接]

<2010>

 

 面接官「最後に、自己PRをしてください。」

 受験生「先生方、どうか僕を合格させてください。僕はどうしてもここで勉強したいんです。合格にしてもらえたら、必ず頑張ります。」

 

 彼、合格しました。

 これだけで合格したわけじゃないとは思います。センターの点数や、そこまでの面接も評価されているはずです。

 

 別の生徒(これも男子生徒)は、2年生のころから地元大学の理系学部に惚れ込んで、そこだけを目指していました。

 こちらは面接で入れ込み過ぎて、かなり厳しい質問を浴びせられて落ち込んでいましたが、それでも合格しました。

 発表の日、彼は5時頃にわざわざ高校に来て、世話になった先生方全員の所に行きました。挨拶に行ったと言いたいところだけど、彼は狂喜乱舞というか興奮していて挨拶だか何だかわからんような状態でした。

 

 2人が受験したのは、いわゆる難関大学じゃありません。地道に教育活動をしている、地方の国立大学です。

 2人に共通していたのは、志願先への強烈な思い入れ。

 あそこまで惚れ込まれたら、大学側も悪い気はしないでしょう。

 もちろん、入学後やっていけるだけの力があることをセンターの点数で示してあることが前提ではありますが。 


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ssh56 いい答えより、言いたい答え〜面接直前アドバイス(5) [面接]

<2007>

 面接で合格した学生が、ほとんど例外なく言うセリフがあります。

 「言いたいことは、全部言ってきました。」

 結局、これが面接試験の一番の勝負なんだろうと思います。
 自分は、ここで勉強したい、
 4月からここで学びたい、
 打算でも妥協でもなく、ホントにここで学びたい。
 その想いを、今目の前にいる先生たちにぶつける。

 それができれば、面接はOKなんです。

 反対に、
 本当の想いが、相手に伝えられなかった、
 もっと言いたいことがあったのに、それが言えなかった、
 そういう面接は、非常に後味の悪いものです。
 ついでに言うと、結果も悪い。

 どうせ結果が悪いのなら、
 自分の思いの丈をすべてぶちまけてこれたら
 どれだけ後腐れなく次のステップに気持ちを切り替えられることか。

 面接で、いい答えや正しい答えなんか言おうとしちゃいけません。
 「是非ここで学びたい」というあなたの思いの丈を
 思いきり良くぶつけなさい。

 しゃべり過ぎて相手に静止されるくらいで構いません。
 決して相手にコビを売ることなく、
 言葉遣いなんかに神経を遣い過ぎたりせず、
 思いきり良く、自分の思いをぶつけることです。

 いい答えより、言いたい答え。

 Good luck!
 
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ssh55 礼儀作法はあまり気にしない〜面接直前アドバイス(4) [面接]

 面接というと、どうしても気になるのが礼儀作法の部分です。
 言葉遣い(特に敬語)、服装、挨拶の仕方、ノックやらおじぎやらの作法・・・。
 もちろん、礼儀作法はいい方がいいに決まってます。無礼な人間を積極的に評価する理由なんかありません。

 ただ、ここで勘違いしてはいけないのは、ssh54で述べたことです。

 いくら礼儀正しい、いい息子さんやいい娘さんだったとしても、それだけでは合格させるわけにはいきません。
 逆に、礼儀作法がイマイチで、結構ヘンな言葉遣いをしても、「コイツは使えるぞ」と思えれば合格の可能性大です。

 はっきり言ってしまうと、
 礼儀作法は、一番大切なものではない
 ということです。

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ssh54 「人物」って、何?〜面接直前アドバイス(3) [面接]

 ところで、面接試験ってのは、いったい受験生の何を見るためにやるのでしょうか?
 ここを見誤ると、まったく見当外れの努力をすることになりかねません。

 よく、面接は「人物」を見るためにあると言います。
 しかし、「人物」って、何なんでしょうか?

 結論を先に言ってしまえば、どんな面接試験でも、相手が見たい「人物」というのは、一般的に言う「人物」、つまり人柄や人間性を見たいわけじゃありません。
 彼らが見たいのは、ズバリ、
 「この人は入学後or入社後、しっかりやってくれるか?」
です。

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