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ssh22 その仕事でなければならない理由 その1 [志望理由・進路選択]

<2006>

 私の母親は総入歯です。
 ちょっと大きな病気で入院していたため、2ヶ月以上入歯を外していました。最近久々に入歯をはめたのですが、ああいうものは長いこと外していると微妙に合わなくなってきます。
 で、TVなどでよく宣伝している総入歯安定剤(ポリなんとか、いうヤツ)のお世話になってます。あれのおかげでうまいこと食事も取れてます。
 かつで総入歯安定剤がなかったころ、総入歯の人に取って、義歯が合わなくなるというのは恐怖以外の何者でもありませんでした。少しでも合わなくなると、痛くてものが噛めなくなってしまいますから。
 総入歯安定剤は、義歯を使う非常に多くの人を救った大発明だと言えます。

 さて、医療系を志す学生さんは、「人の命を助けたい」と、よく言います。
 しかし、仮にあなたが首尾よく医師なり医療従事者になれたとして、さらにあなたのウデが超一流だったとして、果たしてどれだけの人を救えるというのでしょうか?

 仮にあなたが日本のある町で働いたとして、あなたにインドやアフリカや南米の人は誰一人救えません。それどころか国内の遠くの患者だって救えません。
 いや、町内の患者であっても、誰か他の重篤な患者を治療中ならどうしようもありません。

 残酷な言い方ですが、医療現場で救える人数なんか、タカが知れてます。救いたくても救えない人の方が何千倍も何万倍もいます。

 ところで、今の医療は様々な医療機器や薬剤の開発によって支えられています。キカイとクスリなくして医療は成り立ちません。
 例えば、すぐれた人工呼吸器やリハビリマシンや患者情報の管理システムのようなものを作るということは、医療現場にいたのでは到底なしえないような、ものすごく多くの人の生命や生活を救うことができます。

 医療を志す人に対しての問いです。
 「人の命を救いたいのなら、医療機器や薬剤などを開発する仕事の方がはるかに多くの人の命を救えます。そういう方面は考えないのでしょうか? もし、それでもなおかつ医療従事者になりたいというのなら、その仕事でなければならない理由は何ですか?」

 これは他の方面についても同様です。
 子どものためになりたいと教育職を目指す人には、なぜ教育産業や教材の開発や学校の設計建築等の仕事ではいけないのか?
 困っている人を助けたいと弁護士を目指すのなら、なぜ人生相談や家庭裁判所調査官やボランティアではなく弁護士なのか?
 国際社会で活躍したいと英語関係を目指すのなら、なぜ中国語(ある意味もっとも人口が多い)やポルトガル語(日本に一番多い外国人はポルトガル語話者)や韓国語(隣国)ではなく英語なのか?

 なぜ、その方面でなければならないのか?
 なぜ、その仕事でなければならないのか?
 続きはその2で。

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