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ssh1139 パイオニアPL-30LIIのトラブルシューティング [DIY記]

<2023>

 メインシステムのレコードプレーヤー、パイオニアPL-30LIIにトラブルが発生しました。

 本日はそのトラブルシューティングのご報告。


 PL-30LIIは私のメインシステム中で唯一の譲り受け品です。もうずいぶん前、20年以上前ですけど、嫁サンの従妹さんの家に遊びに行った際にホコリを被っているのを発見しました。オーナーは従妹さんの夫君でして、聞けばもう使わないので捨てるつもりだとのこと。こんないいコンポをもったいないと、その場で譲ってもらいました。さすがにタダでは申し訳ないので、お小遣い程度のお礼を払いました。

 取扱説明書もカートリッジもない状態でしたが、通電するとちゃんと動きました。それまで使っていたテクニクスSL-Q3を当時の同僚さんにお譲りし、選手交代となります。

 いざ使おうとするといろいろと不具合がありました。特に困ったのはアーム周りで、角度は前下がりだし、リフターも効かない。しかしあれこれいじくっているうち、アームもリフターもちゃんと高さが調整できるようになっていることに気づき、適当に調整して無事使えるようになりました。当時はインターネットもまだ普及してなかったので、調整はまったくの手探りです。

 カートリッジはオーディオテクニカAT-F3。MC型のカートリッジとしては手頃な価格のハイCP品です。現在でも生産されているようです。しっかりした作りのプレーヤーと組み合わされてなかなかの音を出してくれました。

*訂正:AT-F3は生産終了しています。


 さて、時は流れて2023年、気まぐれで久しぶりにレコードをかけようとしたところ、針が降りません。


 以前使っていたSL-Q3はフルオートプレーヤーで、ボタンを押すだけでアームが動いて演奏を開始し、演奏が終わるとアームが自動的に戻ります。実に便利ですけど、機械仕掛けのアームは音質的にはマイナスになります。音質優先ならプレーヤーはマニュアルです。

 PL-30LIIはマニュアルプレーヤーではありますが、純マニュアルではなく、オートリフトアップ機能がついています。これはレコードが終わるとアームが持ち上がり、同時にターンテーブルの回転も止まるもの。音質重視でマニュアルプレーヤーが欲しいけど、レコードが終わっても針が降りっぱなし回転しっぱなしでブツッブツッと無粋な音が出るのはやはりイヤなものです。オートリフトアップは音質と便利さの妥協点として人気の機能でした。

 
 PL-30LIIのリフターはなかなか気持ちのいい動きをします。スイッチを入れるとしずしずと針が降り、切るとしずしずと上がります。てっきりオイルダンパーだと思っていたら、電磁式でした。リフターのシャフトの根本は永久磁石で、本体内の磁石と反発して持ち上がっています。本体にはコイルがあり、ここに通電すると磁場が発生して反発力が弱まって降りる仕組み。一種のリニアモーターです。

 さて、私のPL-30LIIですが、オートリフトアップどころか、リフターがまったく下がりません。アームをどこに動かしてもダメ。リフターのスイッチをいくら押してもまったく作動しません。これではレコードがかけられません。どうやらリフターへの通電がないみたいです。


 DIYの頼もしい味方・インターネットをいつものように漁りましたが、古いレコードプレーヤーの修理情報は少数でした。わかったのは、この機種のリフター作動はメカニカルマターではなく、完全に電子マターだということ。リフターのスイッチからして電子スイッチだし、オートリフトアップの検知もアームにあるセンサーで行っています。リフターの作動が不良というのは、回路基板のどこかにトラブルがあるということです。コンデンサとICを交換して直したという情報もあるにはありましたが、どこのコンデンサとICなのかは記載がありませんでした。コンデンサに液漏れでもあればそれを交換するところですけど、見た感じではどれもマトモです。

 残念ながら、私の手には負えないようです。


 そうは言っても、トラブってるのはリフターだけです。針が降りてさえくれればレコードはかかります。

 人生あきらめも肝心です。リフターの修理はあきらめ、とにかくレコードをかけられるようにすることにします。

 要はリフターのせいで針が降りないだけなのですから、リフターを効かないようにしてやれば針が降ります。

 既述のようにPL-30LIIはアームもリフターも高さ調整可能。細いネジを精密ドライバーやレンチで緩めてやれば上下に動かせます。そこでリフターのネジを緩め、目一杯下にしてやりました。狙い通り、上がりっぱなしのリフターはアームに当たらなくなりました。

 

 いろいろいじくったので、改めてアームのバランスを取り直し、針圧とアンチスケーティングも再調整したのち、テスト。

 針はちゃんとレコードに降りました。音もきちんとしています。つーか、思ったよりいい音で驚きました。

 リフターが効かないので、針の上げ下ろしは自分の手でやることになります。正真正銘の純マニュアルプレーヤーです。面倒と言えば面倒ですが、レコードはたまにしかかけませんので、通過儀礼みたいなもんと割り切ります。


 PL-30LIIのアームにはオイルダンパーがついています。アームの余計な共振を抑えて音をきれいに鳴らすのが狙いのようですけど、アームに余計な抵抗がかかって情報力が減る可能性もあります。メーカーもその辺は承知で、ダンパーはオフにすることもできます。私はもっぱらオフで使ってます。


 ところで、このプレーヤー、アームパイプが2本ついていました。1本はストレートアームで、もう1本がS字アーム。一般的にはストレートアームが音質面で有利とされていますが、カートリッジやヘッドシェルが重くなると頑丈なS字の方がいいこともあります。好みやカートリッジによって使い分けてくださいということでしょう。アームの交換も簡単にできるようになっています。

 なんですが、実はストレートアーム、ないんですよ。

 PL-30LIIを譲り受けた頃、私はまだ教員住宅住まいで、でっかいコンポを置く場所がありませんでした。メインシステムは実家に置き、PL-30LIIは義実家に預けておいたのですけど、ストレートアームはその間に行方不明になっちゃったようです。犯人は当時3歳の長男ではないかと思うのですけど、今となってはナゾです。

 まあ、私はどっちかというとS字アームの方が好きですけど。

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