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ssh1141 2022年度末のご報告 [ご挨拶&エッセイ]

<2023>

 2022年度、最終週となりました。土曜日からは新年度です。

 ということで、高齢、いや恒例の年度末のご挨拶と本年度のご報告です。


 まずは本業のこと。

 2020年4月に迎えた生徒たちを、この3月に卒業生として送り出すことができました。

 当地の公立高校は、担任が3年間「持ち上がり」が慣例となっています。担任を持つことは「千日修行」などと言われたりします。さらに年齢制限が特になく、50代だろうが定年間近だろうが千日修行に突入することは全く珍しくありません。かく言う私も50代後半にして千日修行を仰せつかりました。

 この学年、本当に特殊でした。原因はもちろん新型コロナウイルスです。3年間コロナに振り回された学年です。


 彼ら彼女らが中3の2月、時の首相である安倍晋三が、突如全国一律の一斉休校を要請しました。

 これは本当に寝耳に水でして、学校現場どころか、各地の教育委員会すら事前に何も知らされていませんでした。私もニュースで「え?マジ?」と思ったくらいです。

 コロナに振り回された3年間どころか、入試前からコロナにいたぶられてたわけです。


 入試も新年度準備も特殊なものでした。で、なんとか入学したものの、3日目にしてまたも休校。この休校は1ヶ月以上続きました。

 学校生活も翻弄されました。遠足・クラスマッチ・合唱コンクールなどの行事は軒並み中止。高体連も高野連も高文連も大会はことごとく中止。当地の高校生が最も燃える文化祭も超緊縮モードでした。

 授業もまったくの非日常。ペアワークやグループワークはご法度。授業中の声出しも最小限。英語教員としては音読ができないというのは致命的でした。我々教員は一時期、マスクしてフェイスシールドして授業しろと言われました。一応やりましたけど、まあ暑い暑い。コロナに罹患する前に具合悪くなりそうでした。

 まあまあ高校生活っぽいことをやれるようになったのは、高2の後半くらいからです。

 とは言え、生徒も教員もずーっとマスク着用でした。寄る年波で生徒の顔と名前が覚えられなくなってきたことを差し引いても、今回の学年の生徒は、まるで判別できない生徒がいっぱいいます。




 もっとも、コロナ禍の副産物もありました。

 休校が多く、教育機会の確保がしにくかったため、当地の教育委員会が(珍しく)しっかり予算をつけて、全生徒がGoogle Classroomのオンラインで授業を受けられるようにインフラを整えてくれました。自宅にWifiのない生徒には端末を無料で貸し出したりして。そのオマケとして、校内の会議や情報交換もオンラインでできるようになりました。職員会議も密を避けるべくオンラインになりました。

 おかげで、生徒への連絡や校内の情報共有がすごくラクになりました。各種アンケートや調査はオンラインで片付きます。職員会議の資料も完全にペーパーレス化です。Google Classroomの導入で、ベネッセがプッシュしてきたClassiなるサービスも無用の長物となりました。


 ひどく不自由な生活を強いられた生徒たちではありましたが、進路についてはよく頑張ってくれました。

 今の高校生の親御さんは40~50くらいで、つまり氷河期世代です。子どもを大学進学させるにしても、現役で・学費の安いところで・家から近いところにと望んでいます。いわゆる安近短志向ですが、志向などという軽っちい言い方で片付けるのは失礼なくらい、切実なものです。

 そういう切実な要求を満たせるような進路実現を、かなりの生徒がしてくれました。正直ホッとしています。

 (余談ですが、安近短志向が日本で最も強いのは東京です。東京の受験生はよほどのことがなければ自宅から通える大学に現役で進学します。彼ら彼女らの多くが国公立大を目指さないのは、単にその方が学業や家賃等々のコスパがいいからです。)


 本業と言えば、この3月で定年です。

 自分が定年までこの仕事を続けられるとは思いませんでした。まあ、年金受給までまだ5年あるので感慨などという余裕のある感情は持てませんが、正直ホッとしています。

 4月からは再任用となり、別の学校で働きます。課程も規模も現任校とはかなり違う学校ですが、いい学校です。


 仕事以外の面については、昨今は割と変化が少ないです。

 一番の理由は、子どもたちが社会人になっていることでしょう。学校を出ちゃうと、年ごとの変化があまりないですから。

 子どもたちは、自分で稼いだゼニを自分のために使える喜びは感じているようです。いいことですね。



 それでは、2023年度もssh-スーパー小論文ハイスクールをよろしくお願いいたします。

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