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ssh18 分けてみる [リテラシー・思考力]

<2006>

 再び「問い」の立て方に戻ります。

 ssh17でいじめ問題について考えてみました。いじめ問題というのは通常、学校での子ども同士のいじめを指します。学校以外の場での、子ども以外の者によるいじめというのは、オマケ程度にしか扱われません。
 「学校での子ども同士のいじめ」について考える=問いを立てて行くというのは、案外面倒なことです。ヘタをすると、「けしからん」、はいおしまい、になりかねません。
 ssh17はそうならないように私がトライした1つの例ですが、もっと基本的なやり方に、「分けてみる」というのがあります。

 つまり、
 1: 学校で
 2: 子ども同士が
 3: いじめる
 と、分けてみるということです。その上で、一番攻めやすそうなところから問いを立ててみます。

 たとえば、なぜ「学校で」なのか?
 すると、いくつかの問いが立つ可能性が出てきます。例をあげると、

 ア: 学校以外の場所でのいじめはないのか?
 イ: なぜ学校で起きるのか?
 ウ: 学校にいない時、いじめっ子といじめられっ子はいっしょにいるのか?
 エ: 学校でのいじめは学校外でも行われるのか?
 オ: もし学校がなかったら、いじめは起こったのか?
 カ: 学校以外に、子どもがいっしょになる場所はあるのか?
 キ: そもそも、学校って何なのか?
 (問いはいくつたてても構いません。1つでもヒットすればいいんです。)

 私なら、この中の「カ」がけっこうヒットします。つまり、「今、学校以外に、不特定多数の子どもが共同生活をする場なんてあるんだろうか?」と。
 そう考えると、巷で言われていることがいろいろと思い当たってきます。
 「地域社会が壊れた」「核家族化が進んだ」「子どもだけで遊んでいる姿を見なくなった」等々。
 となると、こんな仮説(というのもオオゲサですが)も出てきます。
 「不特定多数の子どもが集まれば、いじめは自然と発生するものなのではないか?学校でいじめが発生するのは、不特定多数の子どもが集まる場所が学校しかないからではないのか?」

 無論、これが当たっているかどうかを確かめるには、いろいろと調べてみる必要があります。しかし、少なくとも、分けてみなければこういう仮説が出てくる可能性はありません。


 「分けてみる」作戦の応用例を以下に挙げてみます。

 若者がケータイばかりいじっている→「若者」と「ケータイ」と「いじる」
 温暖化につながるCO2削減のためにマイカー利用の自粛を→「温暖化」と「CO2」と「削減」と「マイカー」と「利用」と「自粛」
 日本も国際貢献をすべきだ→「日本も」と「国際」と「貢献」と「すべき」
 他人の命を助けるために医者になりたい→「他人」と「命」と「助ける」と「医者」と「なりたい」

 こうやって分けていくと、なんか1つくらい、問いを立てられそうなネタがありませんか?

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