ssh169 学力問題の語り方〜実戦トレーニング2008攻略法 [小論実戦トレーニング]
<2008>
では、ssh167の攻略法を。
<キャッチコピー人間は不要>
「近年はゆとり教育のせいで、学力低下が起きている。」
こういう書き出しを考えた方。残念。あなたは100%不合格です。
そもそも「ゆとり教育」って、何ですか?
きちんと説明できます?
それに「学力低下」って、ホントですか?
何を根拠に、学力が低下していると言うんですか?
この国でごくフツーに生活していると耳から入ってくるのは、短くて当たりのいいフレーズばかりです。
例えば、CMなどの広告。例えば、いろんな人のコメント。例えば、新聞の見出し。あるいは、ネットの見出し。
短いフレーズで、多くの人々の注意関心を引く−これは今の世の中では、すごく重要です。
特に商売をする人にとっては、まさに死活問題。一発で商品や会社に好印象を持ってもらわないと、競争に負けちゃいます。
だから世の中には、そういうフレーズが洪水のように溢れています。
そういう、短くて人の関心を引くような言葉のことを惹句(じゃっく)と申します。
英語でいうと、キャッチフレーズとか、キャッチコピーとかいいます。
そういうものを専門に考えるお仕事の人もいます。(コピーライターといいます。)
キャッチコピーは、一瞬で関心を捉えるのが使命。
いちいちものごとを深く考えてもらっては困ります。瞬間的に感じてもらわないといけない。
感覚や気分に訴えるのが、キャッチコピーの命です。
一方、小論文や面接試験の場合、感覚や気分は、むしろ有害です。
大学は知識や適性や考える力を試すために、小論や面接をテストしています。感覚や気分だけで動く人は、大学には要りません。
キャッチコピー人間は、いらないのです。
教育系や医療系の入試では小論文の後で面接をする大学がかなりあります。
その場合、あなたが小論文で書いたことが面接のネタになります。
もし、あなたが冒頭のような書き出しをして「では、ゆとり教育について説明してみてください」と問われたら、あなたどうしますか?きちんと説明できますか?
ゆとり教育というのは、単なる通称です。マスコミが作った一種のキャッチコピーです。
キャッチコピーが怖いのは、何となくわかったようなつもりになってしまうことです。
しかし、ちょっと突っ込まれるとしどろもどろになってしまうでしょう。
小論にキャッチコピーを使ってはいけません。
小論には、あなたが自信を持って理解していることだけを使って下さい。