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ssh325 1Q84と読売日本とトヨタ主義人民共和国(3) [三題噺]

<2010>

 

 「野球は巨人」というのが読売日本国のイデオロギーであるとすれば、「クルマはトヨタ」というのも、ある種のイデオロギーであると言えないでしょうか?

 いえ、別にトヨタのクルマがダメとか、トヨタという会社が悪徳企業だとか、そーゆーことを言いたいんじゃないんです。巨人の選手がひたむきにプレーするように、トヨタの社員もひたむきに仕事に打ち込んでいます。

 それでも、やっぱりヘンなことがある。

 

 先日、私の義母がこんなことを言いました。「何かトヨタはプリウスのリコールとか大変みたいだけど、何で急にあんな風になったのかねえ?」

 急じゃないですよ、お義母さん。他の自動車メーカーと同様に、トヨタもリコールはいっぱいしてきているんです。

 

 トヨタのリコール数はダントツの日本一です。

 ま、これはある意味当然です。何せ日本一どころか世界一クルマを生産販売している会社なんですから。

 手元の資料によりますと、200105年にリコールとなったトヨタ車の台数は529万台。2位の三菱が300万台というのがシェアの割には高いなあとは思いますが、この時期の三菱はグループ内のふそうも含めてリコール隠しだの車輪脱落だのと言語道断なことをやっていた時期です。あと、3位ホンダ(280)4位日産(230)と続きます。

 まあつまり、トヨタも他のメーカーと同程度かそれ以上くらいにはリコールをしていたんです。


 

 いや、リコールそのものはあってしかり。人間がキカイを作っているんです。しかも自動車なんて3万点以上の部品からなる複雑なキカイ。どんなにテストしてもなお、市販して大多数の顧客が使い始めて、初めて判るトラブルというのはあります。そういう時のためにリコールというシステムはある。だからリコールそのものはいいんです。

 むしろリコールは積極的にすべきであって、リコールを躊躇したりコソコソやったりすることがまずいんです。事実、前述の時期に、三菱と三菱ふそうはリコール隠しで大変な非難を浴びました。

 

 私が気にしているのは、先ほどの義母の言葉が「トヨタはリコールなんか出さない」という感覚から出てきているということです。

 先ほど述べたように、トヨタもリコールはちょいちょいしています。生産台数が多いだけに対象台数もすごい。なのに、トヨタはリコールがあまりないと思っている人がいる。なんで?

 

 ここいらへんが「トヨタ主義人民共和国」たるところなんです。 


 

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