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ssh500 本番は狙い通りには行かない [教科学習]

<2012>


 


 今を去る事30年前、センター試験のご先祖様にあたる国立大学共通一次試験なるものを、私は受験しました。


 当時はリサーチシステムはもちろんなく、業者の模試も今ほどは普及していませんでした。共通一次試験でどのくらいの点数を取ればいいのか(つまりボーダーライン)は、かなり大雑把な予想の世界で、予備校や高校の先生たちの経験とカンの方がアテになるという感じでした。


 そうは言っても、目標点がなけりゃ頑張れません。18歳の私は、手に入るいくつかの情報から志望校のボーダーを調べ、目標点を1000点満点の810点としました。これだけあれば出願はできるだろうと。


 


 この810点は、実はかなり細かく科目毎の目標点まで計算して出したものです。


 すなわち、国語は割と取れそうなので165点、数学は苦手なので140点、英語は得意だから180点、社会科は苦手だけとがんばって2科目で155点、理科は物理も化学も割と得意なので2科目で170点と。


 


 ところが。この皮算用は、あんまり当たりませんでした。社会と理科が誤算。特に社会は、問題を見た瞬間に「ヤバい・・・」という感じ。


 何を隠そう、私は文系にクセに社会科が昔っから一番苦手なのです。地理も歴史も全然ダメ。高校時代にそれでも頑張ったのは、敬愛する担任の先生が社会科の担当だったから。だから定期テストは結構頑張って点数を取っていたんですが、やっぱ本当の力はなかった。日本史も世界史も6割も取れず、目の前が真っ暗になりました。


 理科も完全に誤算。化学はよかったんだけど、得意の物理がひどく難しくて難渋、目標点を大きく下回りました。


 


 それでも何とか志望校に合格できたのは、もっとも苦手だった数学がえらくできたから。というか、この年の数学はかなり問題がラクだったんですね。私の得点は何と190点。全科目で最高でした。友人には満点がいっぱいいました。




 以上は自慢話でも恥ずかしい話でもありません。要は、「本番は何が起きるか分からない」ということです。


 得意科目でコケるかもしれないし、苦手科目で取れるかもしれない。


 完全にコケたと思っていたら、全体の平均が低くて大丈夫だったりする。


 大コケしたと思った科目が、得点調整で修正されたりもする。


 センターがダメだと思っていたら、2次試験の競争率が低かったりすることもある。


 


 とにかく。本番はやってみないとわからないんです。


 本番は、狙い通りには行きません。


 


 

 私がかつて担任をしたクラスには、英語がべらぼうにできる生徒が3人いました。英検でいうと準1級以上のレベル。

 で、彼女たち(全員女生徒)に私が言ったのは「満点なんか狙うな」。

 満点が取れるかどうかは、問題の内容にもよります。変に力むといいことありません。

 実際、その年のセンターはひねった問題があって、平均も低かった。3人とも95%くらい取りましたけど、満点は取れませんでした。もちろん進路は決めましたが。


 もし、この記事を受験生が読むとすれば、センター初日が終わったときか、それ以降でしょう。

 受験生のほぼ全ては、狙い通りの点数は取れていないはずです。目標は高いですから。

 でも、そんなもんです。

 

 問題は、その先。ここから、どうするか。

 それに対してだけを考える事です。目標点に達したかどうかなんて、終わってしまえばどうでもいいことです。

 

 

 前に向かって、頑張れ、受験生。


 

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