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ssh538 経済学部と数学 [志望理由・進路選択]

<2012>

 

 ssh347348の「建築か、土木か」で紹介した某大学の説明会に、2年振りに行ってきました。


 今回アタックしたのは、教育学部と経済学部と工学部(またかよ)と農学部。他の学部ブースには同僚の先生が行ってくれているのでおまかせしました。

 その中でも、前回あまり突っ込んだ話が聞けなかった経済学部にはちょいとしつこくアタックしてみました。先生方ごめんなさい。

 

 

 私: 初めまして。◯◯高校の□□(shiraの本名)と申します。よろしくお願いします。

 経済学部の先生: どうも。経済学部の△△と申します(と名刺を差し出す)。本日はありがとうございます。

 私: あ、すみません、名刺がないんですよ。(学校の先生はあまり名刺持ってないんです)

 先生: いえ、全然構いませんよ。

 私: え~とですね、本校は昔っからこちらの大学への志望者がすごく多いんですよ。特に経済学部はキャンパスも近いので人気がありまして。親御さんからするとここへ進学してくれればもう親孝行で万々歳という感じで。

 先生: あ、それはどうもありがとうございます。

 私: で、こういう就職難のご時世ですから。文系の生徒だと人文科学系統よりも経済へ行った方が就職に有利なんじゃないかっていう感覚が、特に親御さんにはあるみたいなんですよ。

 先生: ああ、そういうことはあるかもしれないですね。

 私: ただですね、経済学っていう学問は、社会に出てから直接使うようなものじゃないですよな?

 先生: はい。経済学も学問であって理論ですから、実際に仕事の場ではまず使うことはないです。

 私: やっぱりそうですよね。


 

 私: それとですね、え~と、こちらの学部は経済学部なんですけど、大学によっては経済学部以外に商学部とか経営学部ってのがありますよね。

 先生: ええ、そうですね。

 私: で、経済と経営ってどう違うんですかって、生徒がイノセントに聞いてくることがよくありまして。私は社会全体の経済の仕組みを理論的に研究するマクロなのが経済で、会社の経営のような小さい分野のことを研究するのが経営学だって説明してるんですけど。これで大丈夫ですかね?

 先生: ええ、大筋ではそんな感じです。

 

 私: 経済学の理論は社会で直接「役に立つ」ものじゃないということはわかったんですけど、それでもやっぱり経済学部って文学部なんかに比べるとビジネスの世界につながってる感じはしますよね。実際にそういう方向に就職する学生さんが多いですし。

 先生: そうですね。経済学の扱うフィールドは大げさに言うと人間社会全体です。

 私: 確かに社会は経済で回ってますもんね。

 先生: ええ。それと、本学の場合、社会で活躍されている方々を招いていろんな講演や活動をやっています。学生達のインターンシップもありますし、そういう中でビジネスとのつながりが強く感じられるということはあるでしょうね。

 私: ああ、そう言われれば、確かに人文科学よりは、って感じがしますね。

 

 私: あの、すみません、これどうしても聞きたかったんですけど、経済学って、数学使いますよね?

 先生: はい。数学がないとどうにもなりません。

 私: まああの、もちろん高校でしっかり勉強させて充分な力を身につけさせなきゃならないんですけど、そうは言っても経済学部って文系ですから、数学がうんと得意っていう生徒ばかりじゃないんですよ。

 先生: (苦笑)はいはい、それはよくわかります。

 私: え~それで大変聞きにくい質問なんですけど、どのくらいの数学の力があれば、何とかついていけるんでしょうか?

 先生: それはもう、高校の数学の基礎をきちんとやっておいていただければ。数学IAIIBまでちゃんとやってあれば大丈夫です。

 私: やっぱりそうですよね。え~~~と、ただですね(かなり苦労してます)、まあ現実にはその基礎を全部カッチリやりきれる高校生ばかりじゃないわけでして・・・。数学はそんなに得意じゃないけど経済に行きたいというのはよくあるんですよ。それでですね・・・実際に大学に入ってから、これができないと絶対困るという分野って何ですか?

 先生: (苦笑)まず、関数は絶対に必要です。一次関数・二次関数は不可欠です。

 私: あ、そりゃそうですよね。

 先生: それと、微分ですね。

 私: あの、微分を使うというのは、例えば成長スピードの変化を見るとか?

 先生: まあそんな感じですね。とにかく微分の概念がわかっていないとかなり苦労します。

 私: なるほど、関数と微積ですか。

 先生: 積分はあまり使いませんね。

 私: あ、そうなんですか。他にはどんな分野が?

 先生: 確率は重要ですね。本当は統計もやっておくといいんですけど、あれは選択分野ですから。でも統計だけなら大学に入ってから教育するので大丈夫です。

 私: 図形なんて使いますか?

 先生: 幾何はほとんど使いませんね。え~と、あと高校の数学って、どんな分野がありましたっけ?

 私: 指数とか対数とか。

 先生: あ、指数と対数は使います。ただ、関数や微分や確率ほどじゃないです。

 私: ベクトルなんて使いませんよね?

 先生: いや、ごく限定的にですけど、一応使いますよ。

 私: へえ、意外。あの、まず使わない分野って、幾何以外にありますか?

 先生: え~とですね・・・。あ、三角関数は使いませんね。

 私: それはすごく納得です。

 先生: まとめると、一次二次の関数・微分・確率が絶対不可欠。次に使うのが指数対数。たまに使うのがベクトル。使わないのが幾何と三角関数ってことになりますか。

 私: んじゃ、経済学部志望だけど数学に苦手分野があるっていう生徒がいても、関数と微分と確率は苦手じゃなかったら、とにかく頑張って受験だけ突破しろと言ってもよさそうですね。

 先生: はい、ぜひたくさんの生徒さんが本学を志望していただければ嬉しいです。

 

 

 いや~、実にありがたい情報でした。

 経済学部志望のみなさん、関数と微分と確率は死ぬ気で頑張りましょう。


 

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