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LHR71 ホームビデオ整理の意外な効能 [DIY記]

<2013>

 

 我が家にビデオカメラが初めてやってきたのは18年ほど前です。もちろん理由は子どもができたから。

 当時、民生用ビデオカメラの主流は8ミリビデオでした。それまでシェアを圧倒していたソニー・ハンディカムに対し、シャープ・液晶ビューカムという強力なライバルが出た頃です。我が家にやってきたのはこのビューカムです。

 

 ビューカムは親バカの道具として大活躍しました。10年ほど使った後、さすがに古くなったのでビクターのデジタルビデオ(DVテープ使用)と世代交代しました。ビューカム購入時にはただの受精卵だった長男が、今や私とほぼ同体形のムサい野郎に成長いたしました。月日の経つのは早いものです。

 

 月日が経ちまして、キカイとテープの保存状態がぼつぼつ気になってきました。

 いかに被写体がウチの豚児どもであろうとも、私と家族にとっては(一応)大切な記録であります。キカイやテープがパアになったのではたまりません。

 

DSCN0577.jpg

 

 左が18年ほど前に購入した液晶ビューカム・シャープVL-HL3

 ビューカムの泣き所は撮影に両手がふさがること。特に、人込みを避けて高く差し上げて撮影するのはひと苦労でした。バッテリーの保ちも今一つで、私は複数のバッテリーをポケットに入れて撮影していました。

 

 右は現役のデジタルビデオ、ビクターGR-DV5000。デカいレンズのついた、ちょっとした高級機です。こんな立派なものを買うつもりはなかったのですけど、つい営業担当の人に説得されてしまいまして。デジカメ機能もありますが、そちらはオマケレベルです。


 

 この冬、ようやく重い腰を上げて、ホームビデオの整理に取りかかりました。

 ホームビデオを整理する場合は、ビデオキャプチャというキカイを用意してパソコンに取り込む形で整理している人が多いようです。それも考えはしましたけど、新しいキカイを買うのももったいなくて、HDDレコーダーにダビングしてDVDに焼くことにしました。

 

 まず1本やってみました。テープもキカイ(ビューカム)も問題なし。出だし快調。これは楽勝かなと思ったところ、2本目で問題発生。

 

 

 2本目のテープが、終盤の4分の1くらいでひどくノイズが出るんです。調べてみると、テープにけっこうなシワが。

 テープはどれも巻き戻した状態で保管されていました。どうも、長いことリールの内側に巻かれていたためにテープがひん曲がったようなんです。

 いや、焦りましたね。こりゃあかんかなと、ちょっと観念しました。ビデオテープ補修業者のHPをいくつも検索しましたよ。


DSCN0581.jpg


 8ミリビデオテープをiPod classicと一緒に撮影しました。8ミリというのはテープの幅だそうです。コンパクトカセットと大差ないサイズのカセットにビデオが2時間録画できるというのは当時の私にはかなりの驚きでした。その後、画質を向上したハイエイトという規格が登場しました(左側のテープ)

 

 

 2日ほど暗ーい気分で過しているうちに、ふと、アイディアが浮かびました。

 リールの内側だけがシワになっているのなら、それを外側にしてやれば伸びるんじゃないかと。

 まあ、ダメもとです。全部のテープを逆に巻き送ってみました。

 

 翌日、あまり期待もせず、改めて2本目のテープを再生してみたところ、なんと。

 トラブルが和らいでいるのですよ。

 23日待ってから再生してみたら、まあ何とか見られるくらいに改善していました。シワが伸びてくれたんでしょう。

 

 いや、助かりました。

 その後ダビングはスムーズに進み、すべての8mmビデオがDVDになりました。

 テープってのは、モロいようなタフなような、なかなか面白いメディアですね。何でも、ネット情報によると、大事な映像記録はHDDやメモリーでなくテープで保存するという人がいるそうです。テープの方がタフだというんです。

DSCN0585.jpg
 DVテープを8ミリビデオテープと並べるとこんな感じ。DVテープは本当に小さいです。

 

 

 今回、DVテープも含めてホームビデオを50時間分くらいダビングしました。

 で、気付いたことが2つほど。

 

 1つは、主な被写体たる子どもたちよりも、周辺情報の方が面白いということ。

 子どもが生まれて以降、引っ越しもしたし、クルマも買い替えたし、いろんな変化がありました。

 ホームビデオには、そういうものが全部残っている。かつて住んでいた教員住宅のボロ屋や、かつて乗っていたクルマも写っている。嫁サンの実家で飼っていたイヌやネコも写っている。

 こういうのが面白いんですよ。

 特にグッと来たのは、大人の映像でした。

 自分の両親とか、伯父伯母とか、そういう映像が出てくると「おお、元気だなあ」とか思ってしまうのですね。中にはすでに鬼籍の人もいますから、ちょっとうるっとします。

 

 で。2つ目がもっと重要なんですけど、子どもを見る目がちょっと変わる。

 ビデオに写っている3歳とか0歳の子どもたちを見ると、何というか、現在の子どもたちに対してあまりキツいことを言おうと思わなくなるんですよ。ああ、あんなにちっちゃかったのに、こんなにデカくなったんだなあ、と、気持ちがずいぶん穏やかになる。

 これは発見でしたね。

 

 率直に言って、私は子どもの学芸会やら運動会やら音楽会やらでビデオを回す仕事は好きじゃないのですよ。面倒というのもあるけど、ビデオ撮ってると全体の様子が全然わからない。ずーっとディスプレイを見てるから、会場全体の雰囲気は全然わからないのです。はっきり言って楽しくない。

 けど、こういう効能があるのであれば、そのガマンも無駄じゃなかったなと思います。

 

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