LHR83 転勤1ヶ月 [ご挨拶&エッセイ]
<2014>
この4月に新任校に異動して、はや1ヶ月となりました。
sshの開校は2006年。私はこの年に前任校に異動しました。今年の異動はそれ以来です。
ssh572で駆け出し教員のころのことを書きました。私が新採用になったのは1987年4月、まだギリギリ「昭和」です。すでに病床にあった昭和天皇裕仁陛下(当時のNHKニュースは毎日最後にその日の為替と株と裕仁陛下の血圧やら何やらの数値を報道していました。まー珍妙な)が崩御して元号が変わるのは翌年度のことです。
なんやかんやで私も教員28年目なのであります。もう立派なベテランというか、まあロートルですな。
ベテランなんだから異動なんか慣れっこじゃないか、というムキはおありでしょう。
でも、こと私に関してはそうでもありません。
むしろ、年が上がるにつれて、新しい環境への適応が鈍くなってきているような気がします。もっと言えば、怖い。
新任校は、前任校と同じ地区にある高校です。歴史は前任校よりもさらに古くて、すでに創立110年以上になります。前身は高等女学校で、その後も県立の女子高として地元ではちょっとした名門でした。で、1975年に共学化されて現在に至っています。
元女子校というのは私は初めての経験なのですけど、いろいろと新鮮なことがあります。
まず、同窓会の役員さん方が、みんな女性です。ま、当然ですわな。男性の同窓生は最年長でも57歳。歴史ある学校の同窓会を任せるにはまだまだ若造です。
入学式と歓迎会で同窓会長さんのお話を伺いましたけど、上品でよかったです。何と言いますか、男性の同窓会長さんは我田引水自慢話タラタラというタイプが多くてねえ。まあ、あの種の名誉職はどうしても社会的に成功した高年齢者に白羽の矢が立ちがちですから。
もう一つは、学校の雰囲気が、何となく穏やかなことでしょう。生徒の印象は、ものすごくいいです。
すでに共学化から40年近く経っているのですけど、現任校は今もって女子の方がかなり多い学校です。そのせいかクラブ活動でも女子の活躍が目立っています。特に文化系クラブは活発です。生徒会活動も活発。生徒達の動きは、ちょっと感動的ですらあります。
前任校も過半数が女子でした。けど、雰囲気はけっこう男っぽいところがありました。前任校はかつては男が大半という学校だったんですけど、何となくそういう雰囲気が伝承されていたんでしょうか。
前任校にあって現任校にないのは、応援団です。ま、女子校にバンカラな応援団があるはずもないんですけど。
さて、新任1年目の私は、進路指導室常駐という役目を仰せつかっています。
この進路室、環境が大変にいい面と、非常に悪い面を併せ持っています。
いい面は、かなり広いこと。進路指導室の隣にはけっこうな容積の資料室があります。この資料室は面接練習の時期には大活躍するそうです。
悪い面は、生徒のいる教室棟からかなり離れた別棟だということ。これだと生徒は「わざわざ」進路室に出向かないといけません。
現進路主任の先生もこの辺の問題意識は持っていて、生徒の動線部分に進路情報を掲示するコーナーを新設するなど対策をしています。
私も主任先生に同調して、資料室の整理や進路コーナーの整理をやっています。こういう仕事は好きです。
ところで、新任校の先生方が異口同音におっしゃることがあります。
それは、学校が手狭だということ。
特に、教室棟が狭い。教室も廊下も階段も、今まで勤めた学校に比べてちょっと狭いんです。
教室棟はけっこう古い建物ですけど、古い建物を大事に長く使わされているのは公立校ではフツーのことでして、古いから狭いわけではありません。
どうも原因は、女子校時代の規格にあるらしいです。
つまり、当時の県の規格では、女子校は男子校よりも狭く定められていたと。
当時の感覚からすると、夫婦茶碗でも何でも、男のモノは大きくて女のモノは小さいというのが常識だったのかも知れません。
けど、妙な話です。
偏見というのは、こういう形で現れるということなんでしょう。