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ssh670 集団的自衛権は要らない [社会]

<2014>

 

 6月末から7月初旬にかけて更新が滞ってしまいました。出張やら体調不良やらありまして。

 その更新が滞っている間に、晋三坊ちゃまとそのお友達の皆様は、集団的自衛権に関する解釈を更新しちゃいました。

 いや、えらいものを目撃することになりましたね。国の最高法規の運用が閣議決定でコロッと変えられてしまうとは。およそ法治国家の政治とは思えません。こんな機会を眼前で目撃する機会は滅多にありません。もちろん厭味です。

 

 sshは今回の閣議決定を認めません。理由は2つ。

  1. 「法の支配」そのものを破壊する行為であること。
  2. これまで通りの解釈(個別的自衛権は認められる)で、防衛上の問題は何らないこと。

 本当はこの2つについてみっちりと考察した記事を書かなければならないのですけど、今回は2.についてのみ記事化します。

 (しかし、暴言デマ暴挙暴力に立ち向かうのは割の合わない仕事です。あっちはウソでも思いつきでもテキトーなことを並べ立てて力でゴリ押しするだけだから気楽です。対するこっちは、ウソデタラメの一つ一つにきちんと反論しないといけない。分の悪いこと至極です。)


 今回の解釈偏向、じゃなくて解釈変更に関して、Yahooニュースをけっこうよく見ました。

 見ていたのはニュースそのものではなく、画面の下に出て来るコメントの数々。

 

 賛成コメントで多かったのは、悪い中国や韓国や北朝鮮に対抗すべし。それには集団的自衛権が必要と。

 あとは、反対するのは反日かサヨクかお気楽な奴らという批判。

 それと、これで戦争になるなんて被害妄想だというようなもの。

 

 コメント欄を読むのは不快感と徒労感が多くてキライなんですけど、今回は頑張ってたくさん読みました。

 で、結局、探していたコメントは見つかりませんでした。


 私が探していたのは、集団的自衛権とはこれこれこういうものであり、それを正しく理解すれば、今回の閣議決定の正しさがわかるはずだという賛成コメントです。

 一つもありませんでした。

 それどころか、どいつもこいつも、集団的自衛権と個別的自衛権と集団安全保障をごっちゃにしていました。

 

 自衛権は、個別も集団も、国連憲章51条で認められているとされています。

 個別的自衛権は、武力攻撃を受けた国が、必要かつ相当な限度で防衛のため武力に訴える権利。

 集団的自衛権は、ある国が武力攻撃を受けた場合、これと密接な関係にある他国が共同して防衛にあたる権利。

 (ついでに集団安全保障とは、武力行使をしないことを約束した複数の国々(例えば国連加盟国)の中から、約束に反して平和を乱す武力行動を始めた国が出た場合、他国が共同して(武力行使も含めて)その状況を抑えるという仕組みです。)


 

 実は、我が国の安全保障ということを考えた場合、個別的自衛権まで認められていればそれで十分なんですよ。

 具体的には、

  1. 日本が他国から武力攻撃を受けた場合・・・相手国がどこだろうが、攻撃されたら当然、個別的自衛権を行使できます。日米保障条約に従って、米軍も協力する義務があります(サボる可能性はあります)
  2. 朝鮮半島有事の場合・・・韓国と北朝鮮が軍事衝突するということ。半島内でコトが済むのなら勝手にやってもらえばいいだけのこと。問題は韓国はアメリカと軍事同盟関係にあるので米軍も参戦する可能性大。そうなると在韓米軍だけでなく在日米軍が出動することになり、日本の米軍基地が北朝鮮のターゲットになる可能性はある。また、朝鮮半島にいる日本人の救出も必要となる。前者は日本の国土にある基地なので、そこが攻撃されれば個別的自衛権を行使できる。後者については、晋三坊ちゃまが米軍の艦船に日本人が乗っている場合に個別的自衛権では対応できないと力説したが、そもそも軍の船に他国の民間人を乗せて運ぶこと自体があり得ないレアケースで、仮にそうであっても国家が自国民を守るのは当然の権利であって、集団的自衛権云々で躊躇する必要は全くない。
  3. 尖閣諸島に中国軍がやって来た場合・・・尖閣諸島は日本固有の領土というのが政府の公式見解なので、1.のケースと全く同じ。
  4. シーレーンの警備・・・シーレーンとは有事の際に航行を確保しなければならない航路のこと。シーレーンが領海であれば領土と同じで個別的自衛権の範囲。公海を航行中の貨物船が攻撃された場合、船はその国の領土と同じ扱いなので、やはり個別的自衛権の行使が可能。
  5. 自衛隊と米軍が一緒にいる時に攻撃を受けた場合・・・そんな状況は合同軍事訓練以外考えられない。合同訓練中の艦船が攻撃を受けたら、当然反撃する。単なる正当防衛。わざわざ集団的自衛権を発動する必要はない。
  6. 日本の上空をミサイルが通過した場合・・・例えば中国や北朝鮮のミサイルがグアムあたりの米軍基地に向けて発射された場合ということだが、これは領空侵犯なので個別的自衛権の対象として対応可能。
  7. グレーゾーン事態・・・例えば中国の軍人が民間人にカムフラージュして尖閣諸島に乗り込んだらどうするというようなお話らしいんですけど、日本の領土の侵犯だから個別的自衛権の対象として自衛隊が出て行くのは全く問題ない。
  8. 自衛隊がPKO参加中にいっしょに参加していた他国軍が攻撃を受けた場合・・・5.と同じで、正当防衛による対応をするだけ。
  9. 在外邦人(PKONGOに参加している場合も含む)を守る必要・・・まず、国内の民間人を守るのはその国の警察の責任。もしPKOなどで近くに自衛隊がいたら、2.と同じで当然の権利として守ることになる。テロやゲリラに在外邦人が襲われた場合は、警察権能として自衛隊の出動が可能であり、集団的自衛権を持ち出す必要はない。

 それにしても、集団的自衛権は必要だと力む方々は、よくまあこうも、ありそうもないケースや今のままでも対応できそうなケースをたくさん挙げたものです。

 これ書いていて思ったんですけど、晋三坊ちゃま始め集団的自衛権ゴーゴーの方々は、実は日本人を救いたいという気持ちが薄いんじゃないかしらと。

 もし本当に同胞を救うことを心から願っているのなら、例え集団的自衛権が認められなくても、自分のクビと引き換えにでも何とかして救ってみせるって思うんじゃないっすかねえ。

 今の様子じゃ、在外邦人に何かあっても、あのイラク人質事件のように、自己責任論で見捨てるんじゃないかなとヒジョーに不安です。


 

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