SSブログ

ssh714 米軍特殊部隊すら困難な人質救出、いわんや自衛隊をや [社会]

<2015>

 

 自国民が2人殺害されたというのに、「これ幸い」とばかりにこれを自衛隊の海外派遣のネタにしようという人間のクズどもが現政権にいます。(人間のクズ」とは他者の尊厳特に他者の生命を自説を展開するネタに活用するようなことをする人間のことであるというのがsshの定義です)

 で、そういうクズのクズな物言いにあっさり同調するアホウもいっぱいいるから、まーオメデタイもんです。


 次の文面は「自衛隊の活動、安全保障問題全般を伝える安保・防衛問題の専門紙」である朝雲新聞社のホームページにあったものです。

 

◆◆過激派組織「イスラム国」による日本人人質事件は残念な結果となった。悔しい気持ちはわかるが、自衛隊が人質を救出できるようにすべきとの国会質問は現実味に欠けている。

 人質救出は極めて困難な作戦だ。米軍は昨年、イスラム国に拘束されている二人のジャーナリストを救出するため、精鋭の特殊部隊「デルタフォース」を送り込んだが、居場所を突き止められずに失敗した。

 作戦に際し、米軍はイスラム国の通信を傍受し、ハッキングもしていたに違いない。さらに地元の協力者を確保し、方言を含めて中東の言語を自在に操れる工作員も潜入させていたはずだ。もちろん人質を救出するためであれば、米軍の武力行使に制限はない。それでも失敗した。

 国会質問を聞いていると、陸上自衛隊の能力を強化し、現行法を改正すれば、人質救出作戦は可能であるかのような内容だ。国民に誤解を与える無責任な質問と言っていい。

 これまで国会で審議してきた「邦人救出」は、海外で発生した災害や紛争の際に、現地政府の合意を得たうえで、在外邦人を自衛隊が駆け付けて避難させるという内容だ。今回のような人質事件での救出とは全く異なる。

 政府は、二つの救出の違いを説明し、海外における邦人保護には自ずと限界があることを伝えなければならない。私たちは、日本旅券の表紙の裏に記され、外務大臣の印が押された言葉の意味を、いま一度考えてみる必要がある。(2015212日付『朝雲』より)◆◆

 

 自衛隊どころか、世界最強の米軍特殊部隊でさえ、人質救出は失敗するのですよ。

 失敗例はもっとあります。例えば以下の文面。


 

◆◆米軍は昨年シリアとイエメンで3回の人質救出作戦を行ったが全て失敗に終った。73日には「イスラム国」の本部があるシリア北部ラッカの南東郊外にある石油貯蔵施設に、米国人フリージャーナリスト2人が拘束されているとの情報により、精鋭の特殊部隊「デルタ・フォース」をヘリコプターで潜入させたが、人質はそこにはいず、後に2人は斬首された。

 1125日にはイエメン南部の村で「アラビア半島のアルカイダ」に囚われていた米国人フォト・ジャーナリストを救出しようとしたが、人質は別の場所に移されており、作戦は失敗した。このため126日に再度別の場所に海軍特殊部隊「ネイビー・シールズ」を潜入させようとしたが警備兵に発見されて銃撃戦となり、米国人の人質とともに、すでに解放が決まっていた南アフリカ人1人も死亡した。

 米国は1980425日、イラン革命派の学生によりテヘランの米大使館に閉じ込められていた大使館員ら52人を救出するため、アラビア海の空母ニミッツから8機の大型ヘリRH53Dを発進させ、イラン領内の砂漠にあった使われていない飛行場にC130輸送機を夜間着陸させてヘリに給油し、デルタ・フォースの隊員をヘリに乗せてテヘランの大使館に突入させようとしたが、駐機中の輸送機にヘリが衝突、火災が起き8人が死亡するなどして失敗に終った。(「田岡俊次の戦略目からウロコ」より抜粋 ダイヤモンドオンライン 2015.2.5.)◆◆

 

 

 イスラム国の人質を救出する作戦について「朝雲」の方はあっさり「失敗」と書いてますけど、こちらを見ると結局人質を死なせたということです。

 あとの2つの例はもっとタチが悪い。死ななくてもいい人間まで巻き添えに殺しちゃってる。

 アメリカ特殊部隊にして、こんな失敗例がザラなのですよ。

 引用してませんが、田岡によると、武力による人質奪還の成功例は非常に稀で数えるほどしかないということです。失敗例はその何倍もあるのに。

 

 そんな困難で危険な仕事を、平和ボケの政治家の思いつきで提案されたんじゃ、専守防衛のために頑張っている自衛隊員に対して失礼極まりない。ちっとは現実を学んでからものを言ったらどうっすかね。


 ついでに指摘しておきますが、イラク戦争関係で3人の日本人が人質となった2002年の事件で、国が億単位のゼニを使ったというデマをいまだに信じているアホウがいるようです。彼らの救出に掛かった費用は1000万円ほどで、しかも彼らは自分たちの交通費は負担しています。国内の山岳遭難向けの保険が上限300万円くらい。イラク人質事件は現場が海外であったことを考えれば、この費用は部外者が迷惑だといきり立つような額ではないでしょう。

 

 自衛隊を派遣したら、いくらかかりますかねえ。それこそ迷惑だと自己責任論者(sshは自己無責任論者と呼んでいます)は怒るべきですな。


 

nice!(1) 

nice! 1