SSブログ

LHR100 秋のミニ企画〜古い腕時計復活プロジェクト [DIY記]

<2015>

 

 伯母が9月に亡くなりました。伯母は母の姉で、とても仲良くしていました。伯母の家は実家から近く、私も子どもの頃からしょっちゅう出入りしていました。

 

 私が高校に入学したとき、お祝いに伯母がセイコーの腕時計を買ってくれました。当時25000円ほどのけっこう高いもので、私はうれしくて用もないのに時計を見てばかりいました。

 そのセイコークオーツタイプIIは高校入学から社会人になるまで15年ほど使いました。若さゆえ扱いは乱暴でずいぶん傷だらけになり、25年ほど前にタイメックスと入れ替え、さらにそのタイメックスがMR-Gになって現在に至っています。セイコーはありあわせの電池を無理矢理はめて物置にぶら下げていました。

 

 伯母が亡くなり、無性にセイコークオーツタイプIIをまた使いたくなりました。

 時計屋にメインテナンスを頼むことも考えましたが、問題があるのは電池とゴムパッキンだけだし、できれば自分の手で復活させたいと思い、またまたDIYでの作業に着手することにしました。ついでに手持ちの古い腕時計もまとめて復活させようと考えました。

DSCN1936.jpg

 作業中の古時計たち。

 本来ならば専用の工具を用意したいところですが、案外高いのでやめました。代わりに手持ちの精密ドライバーやピンセットで裏ブタを開けます。代用品ゆえ作業性はイマイチで、少し傷もつきますが、裏だから見えないので気にしないことにします。

 時計はどれもクオーツ時計。機械的な故障はなく、電池をつなぐとどれも動きます。

 

 問題はゴムパッキン。これがないとホコリや水が入ってしまいます。20年以上前のものゆえ、どのパッキンも老化して固くなっていました。特にセイコーのパッキンはバラバラにちぎれています。


 

 電池は通販で簡単に手に入るとして、ゴムパッキンの入手はちょっと大変です。通販も意外に高い。

 ところが。ネット検索をしつこくやっていたら、腕時計の部品はヤフオクによく出るという情報に出くわしました。探してみると、ありました。石川県のとあるお店がパッキンやら電池やらバネ棒やらを出している。しかも安い。通販だとパッキンも電池も1本数百円するのに、ここはパッキンは160円、電池に至っては90!迷わず落札しました。

 一方、ベルトについては通販を使いました。頼んだのはNASAタイプという簡便なベルトで、1500円ほどです。カジュアル使いを考えてナイロンのカラフルなものを頼みました。

 


DSCN1946.jpg

 部品のサイズを正確に計るため、長年欲しかったノギスを購入しました。0.05mm単位で測定できます。

 昨今はデジタルノギスというスグレものもありますが、たまにしか使わない人間がわざわざ電池使うのもバカバカしくて普通のヤツを買いました。1500円ほどです。

 私が中学生の頃、まだ技術家庭科は男女別カリキュラムで、男子は製図・木工・金工・機械・園芸など、女子は被服・食物・住環境・保育などを学んでいました。ノギスの扱いは必須事項で、目盛りの読み方がテストに出されたりしました。

 今回ノギスを買ったら、中学時代に学んだものとは少々様子が変わっていて、面倒な計算をしなくても寸法が読み取れるようになっていました。

 0.05mm単位の計器ですから、作りも精密です。スライドさせると実にスムーズにしっとりと動きます。とても気持ちいいので用もなくスライドして遊びたくなります。


 ヤフオクで頼んだ電池・パッキンは注文通りのものが届きました。サイズもぴったり。

 ところが、順調に作業をしていくうちにタイメックスにトラブル発生。

DSCN1938.jpg

 私のタイメックスはインディグロ・ナイトライトとかいうモデルで、文字盤に青いバックライトが付いているのが特徴です。そのバックライトのスイッチが折れてしまいました。

 部品の代わりを手に入れるアテもありません。あれこれ試しましたがいい方法はみつからず、やむなくバックライトはあきらめました。

 さらに、タイメックスのバネ棒がなくなっていることに気付きました。部品を頼んでから気がつくあたり、いつもながら抜作であります。

 

DSCN1944.jpg

 作業終了後の古時計たち。

 

 一番右が伯母からもらったセイコークオーツタイプII。さっそく仕事にはめて行きました。心配された内部の結露もなく快調です。MR-Gに比べるとかなり小さくスリムで軽い。腕に負担が少なくてなかなかいいです。1980年ころはこういうわりと華奢(きゃしゃ)なデザインが好まれていました。文字盤も現在はブルーなどのカラータイプが多いのですが、当時は白っぽいのが主流でした。あと当時のスタンダードとして、カレンダー機能(日付と曜日)搭載です。曜日は日英切替可能。

 

 セイコーの左となりは20ほど前にバッタ市で売っていたもの。2000円くらいだったはず。最初はシリコンのベルトがついていました。一応防水タイプで、これをはめたまま泳いだこともあります。そのベルトは劣化で粉々になってしまいました。新しいベルトは本体とのマッチングがけっこういいと思います。

 ブランドはTOYOと書かれていますが、正体は不明です。もしかしてオリエント時計がからんでいるんでしょうか。

 

 その左はELITEなるブランドの安価な時計。これは長男の高校受験用に5年ほど前に買ったものです。3000円くらいだったかな。我が県の高校入試では試験会場に時計がないことがわりと多いのです時計は必需品です。2年ほど前に電池が切れたまま放ってありました。ベルトも壊れていたのでNASAベルトと交換しました。

 

 一番左がタイメックスインディグロ。バネ棒がないため、まだベルトは装着できていません。

 この時計はオリジナルのベルトがよかった。ウォーヴンベルトと言って、皮革を編んだような作りになっていました。その革ベルトは夏場の汗で数年でダメになってしまいました。デザインは今でも気に入っているのですけど、作りはわりと雑です。当時の定価は8800円でした。(付記: その後タイメックスインディグロは竜頭も折れて往生しました。チーン。)

 

 

 今後の宿題は、セイコーの「磨き」ですかね。

 何せ傷だらけですから、せめて少しでもマシな状態にしてやりたいところです。

 ケースもベルトもステンレスのちゃんとしたものですから、丁寧に研磨してやれば浅い傷は目立たなくなるはず。冬場に挑戦してみましょうか。

 

nice!(0) 

nice! 0