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ssh1031 女子大は要チェック [志望理由・進路選択]

<2017>
<ssh322再録>
*初出は2010年

 私の担任したクラスがこの3月卒業しましたが、そのうち5人が東京の名門女子大学=津田塾大学・東京女子大学・日本女子大学に進学しました。
 年配の方なら「ほお、それはスゴいねえ。」と感心なさるでしょう。
 一方、若い人なら「で?」という感じでしょうか。そもそも「名門」という名前に違和感があるかも。

 1990年代あたりから、女子大の受験偏差値はずいぶんと低くなりました。国立大学でただ2校の女子大=お茶の水女子大学&奈良女子大学は相変わらず難関ですが、それでも1980年ころまでからするとずいぶん攻めやすくなりました。上記の3女子大は、相変わらずハイレベルではありますが、それでかつてを知る人からするとずいぶん合格しやすい大学になっています。

 この3月まで(注:2010年3月)私が担任していた全日制英語科のクラスは4分の3が女子でした。英語科だから当然みんな文系(注:例外が1名いて、浪人して国立の医学部に進学しました)。
 で、その4分の3の女子たちが受験校を検討する際、私は常に女子大を提示しました。特に強く受験を勧めたのが前述の3大学です。

 私が推したその理由は、
1 就職のサポートがいい。女子大は女子学生がすべてである。職員は女子学生の就職だけを担当している。経験も気合いもパイプも全然違う。
2 規模が比較的小さい。大規模な大学にはその良さがあるが、小規模な大学にも持ち味がある。特に職員と学生のつながりは濃密になる。
3 そもそも私立3女子大にしても国立2女子大にしても、どれも歴史も伝統も実績もある非常に優れた教育活動をしてきた大学である。
4 そういう中身の良さの割に、受験偏差値が低い。下品な言い方をするとお買い得。これは大学関係者には切ないことだけれど、受験する側からすると大変にありがたい。
5 そういういい大学なのに、男子は絶対に進学できない。女子だけが受験できる。よくぞ女に生まれけり。
 女子大の受験偏差値が下がり始めたのは1990年ころからではないかと思うんですが、理由はよくわかりません。
 実は私はかなり強硬な男女共学主義者でして、高校までは基本的に別学はよろしくないと思っています。その理由は、あんまり同質な集団で過ごすと弊害が大きいから。
 年齢や人種や能力や性別が同じような人たちの集まりである同質集団にはメリットもありますが、マイナス面もあります。同質集団でなければ達成できないようなこともあります。それは十分に認めた上で、同質集団でずーっと過ごしているといろいろと問題も発生します。最大の問題は異質なものとの交流がヘタクソになること。
 でも、女子大は話が別です。なぜか?それが理由の6番目。

6 大学生の場合、サークル活動や街中のあれこれなどで、学外の人間との交流がいっぱい持てる。別学であってもずーっと同性の同室空間にいるわけではない。特に都市部の場合、大学は生活の一部に過ぎない。異質な人々と交流する機会はいっぱいあり、同質集団のデメリットは顕在化しない


 というわけで、もしこれを読んでいる女子受験生がいたら、女子大もチェックしてみてはどうでしょうか。
 ぜひ進学しろとは言いません。けれど、「え〜女子大〜?」と食わず嫌いをするのはもったいないです。一応調べてみて、その上で判断すればいいと思います。
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