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ssh154 社説の読み方〜PISA2006編(5) [社説の読み方]

<2007>

 

 「PISA2006社説のリテラシー(読解力)を測定する」と題してお送りしてまいりましたこのシリーズ。ようやく最終回です。

 いろは順での大トリは、産経クンです。

 

 <国際学力調査 読解力向上が喫緊の課題>

 

 ◆◆57カ国・地域の15歳を対象にした経済協力開発機構(OECD)の国際学力調査(PISA)で、日本の学力低下がまた裏付けられた。特に読解力不足は深刻な課題だ。
 3年ごとに行われるこの調査は、解答理由を記述式で答えさせる問題が多く、「ゆとり教育」で育てようとした考える力や知識を活用する力が試されている。
 科学、数学、読解力のうち、前回は、数学が世界トップから陥落するなど、ゆとり教育の弊害が目に見える形で表れ、ゆとり見直しにかじを切るきっかけになった。◆◆

 

 うぐぐぐ・・・。冒頭から、不正確な読解の嵐。


 

 まず、「学力低下がまた裏付けられた」の部分は、多様な可能性を検討してません。これ、朝日クンと同様のマイナス点。朝日クンと産経クン、意外と似てます。

 まあでも、これは軽傷。

 

 「ゆとり教育の弊害が目に見える形で表れ」って、こりゃ傷が深いわ。

 だって、数学って、計算問題じゃないもん。

 数学的リテラシーだもの。応用力だもの。

 ゆとり教育が狙ったのは、基礎力じゃなくて応用力でしょ?

 第一、この段落、1つ前の段落とまるで矛盾してるでないの。

 

◆◆PISAの読解力の試験問題は、文章だけでなく、グラフや図表など資料から情報を読み取り、自分の考えや意見を述べる力を問うものだ。こうした力は、数学など他の教科にも欠かせず、低下傾向が憂慮される。
 これまで日本の学校の国語の授業は、小説など文学作品の主人公の気持ちを読み取ることなどに時間が割かれがちで、教師の独り善がりの授業の弊害が指摘されてきた。
 別の学力調査でも、感想を自由に書くことはできているものの、説明文を読んで要旨を相手に伝えるなど、条件に沿って書くことは苦手とする傾向がでている。結果を受け止め、国語力や読解力の向上を目指して指導の改善に取り組んでほしい。◆◆

 

 グラフや図表の読み取りができないのが、国語教育のせいなんですか?

 どうにも支離滅裂。

 

 なんでこうなっちゃうのかしら?と考えてみたところ、今、気が付きました。

 産経クン、どうやら、リテラシー=読解力=国語力だと思ってるんですな。

 いやあ、こりゃまた、大した誤読です。

 ババア発言といい勝負。

 


 

 さ~て、これで5ヶ国、じゃなかった、

 5紙のリテラシー測定が終了しました。

 それでは、PISAにならって、ランキング発表と行きましょう

 

 1位: 毎日クン

 2位: 朝日クン

 3位: 日経クン

 4位: 読売クン

 5位: 産経クン

 

 並べるとこうなりますが、2位と3位の間には、かなりの差があります。

 で、5位はもうぶっちぎりの最下位。特に産経クンの「読解力不足は深刻な課題」です。

 

 ちなみに、小論文として採点すると、今回のトップは朝日クン。90点くらいあげられます。

 何せ、問題に対する具体的な解決を提示しているのは朝日クンだけですからね。


 

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