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ssh247 実戦トレーニング〜大麻不法所持力士への処分問題 [小論実戦トレーニング]

<2009>

 

 2月ともなれば、実戦トレーニングのシーズンです。今年もネタになりそうなことはいっぱいあります。

 アメリカ大統領選挙とオバマ勝利。国際関係や政治の分野を目指す人には必須でしょう。アメリカの歴史、特に人種問題とも関連してきます。

 金融危機は経済系の志望者は絶対に考えておかないといけません。

 年越し派遣村のことは、社会学や経済学の志望者は避けて通れません。

 教育系志望者なら、全国学力テスト結果公開や、高等学校での英語授業を英語で、の問題も要チェックです。


 ただ、これらの問題は、たぶんもう練習してるんじゃないかという気がします。そこで、今年のssh実戦トレーニングは、ちょいと意外なものを提示します。

 

◆◆大相撲十両力士の若麒麟真一(本名・鈴川真一)容疑者(25)が大麻取締法違反容疑(共同所持)で現行犯逮捕された事件で、日本相撲協会は2日午前、両国国技館で理事会を開き、同日付で、若麒麟容疑者を解雇した。

 請求があれば、相撲協会は約530万円の養老金(退職金)を支払うことになる。師匠の尾車親方(元大関琴風)は監督責任を問われ、「委員」から「年寄」へ2階級の降格処分となったが、理事長ら役員の処分はなかった。

 大麻を巡る不祥事での解雇は、若ノ鵬、露鵬、白露山に次いで4人目で、日本人力士では初。時津風部屋の傷害致死事件後、解雇された協会員は8人。

 相撲協会の処罰規定には、解雇、番付降下、出場停止、給料手当減額、けん責の五つがあり、解雇は理事会決議で、最も重い処分。このほか、役員、評議員、横綱、大関の4分の3以上の特別決議で「除名」することもでき、退職金支給規定では「除名処分を受けた者には退職金を支給しない」と定められている。

 理事会では、「除名」を求める声も上がったが、「25歳と若く第二の人生を考えればかわいそう」などとして、今回は見送られた。退職金の支給規定については、見直しを検討していくという。

 若麒麟容疑者は30日、東京都港区六本木の音楽CD販売会社事務所で、一緒にいたミュージシャン平野力容疑者(30)とともに、ティッシュに包まれた乾燥大麻約16グラム(末端価格約6万4000円相当)を所持していた疑いで、神奈川県警に逮捕されていた。 2009221219 読売新聞)◆◆

 

 この処分について、あなたはどう思いますか。あなたの意見と理由を800字で述べてください。

 ただし。

 以下の資料をすべて参照にした上で(すべてです)述べてください。


 

<資料1 除名かと思った>

 生活指導部特別委員会委員で漫画家のやくみつる氏は会議後、若麒麟容疑者の解雇について「個人的には除名になると思った。『まだ25歳』という理事長の(記者会見での)言葉があったが、私は『25歳にもなって』と解釈が真逆」と疑問を呈した。大麻による不祥事が繰り返されたことについては「自分も(委員として)無給とはいえ、責任がないわけではない」と話した。

200923日 朝日新聞)


<資料2 ロシア人力士 大麻不法所持で逮捕>

 逮捕された若ノ鵬は、平成17年春場所初土俵で、その2年後には十両、幕内へと出世した。入門時から将来を嘱望されていた一方、振る舞いにはまゆをひそめる関係者も多かった。敗戦の後に悪態をつくのは日常茶飯事で、国技館の備品を破壊することもある。けいこでも番付上位者に胸を出してもらっている最中に「疲れた」といって勝手に土俵を去るなど素行に問題があった。

 両横綱がモンゴル出身の朝青龍と白鵬であるのをはじめ、外国出身の関取の数は史上最多を更新し続けている。外国人力士の土俵上での強さは、部屋を持つ親方衆にとっては魅力に違いない。

 しかし、土俵での素質ばかりに目を奪われていては困る。「礼に始まり、礼に終わる」ことを美徳とする大相撲において、これまでのように、人としての資質を見極めることなく外国人力士をかき集めていては、今回のような不祥事はいつ起きてもおかしくない。

 日本人から見ても特異な世界である角界で、外国人が生きていくのは容易ではない。協会でも一時期、外国人の入門を認める前に、日本の社会常識や角界のしきたりになじめるかを確かめるべきだという声があった。外国人力士の絡むトラブルが目立ち始めているのは事実であり、協会は入門後の教育を含めた受け入れ態勢を見直す必要がありそうだ。

2008818日 産経新聞 一部割愛)


<資料3 礼式だの品格だの、ちゃんちゃらおかしい>

 朝青龍のガッツポーズがどう麻薬汚染がどうと、大相撲が揺れていますね。ちゃんちゃらおかしいのは、「日本のよき伝統の象徴たる大相撲は、神事につながる歴史的・文化的な存在であり、力士には、その伝統を担う『礼式』やらそれなりの『品格』やらが求められる」という、よくある言い方。そんなのは大嘘です。大相撲が、かつて神事につながる歴史的・文化的存在だったことは確かですが、その後に見せ物興行へと大きく変質した。とりわけ戦後の大相撲にはそのようなものが「形式的に」残っているだけで、ずっと以前から「礼式」も「品格」もへったくれもない、カネまみれで社会的なルール無視の見せ物興行になっている。そもそも、なんでわが日本の歴史・伝統・文化が、横綱2人とも外国人、実力力士・人気力士の多くが外国人という大相撲によって担われなくてはならんのか。モンゴル人に「日本の歴史・伝統・文化を担ってくれ」と頼むのは筋違い。朝青龍のガッツポーズなんてどうでもいいことにケチをつけるより、外国人力士に勝てない日本人力士を叱責するほうが先に決まっています。外国人力士を認めた時点で、『礼式』や『品格』がある程度崩れるのは当たり前。それは相撲協会の「日本の歴史・伝統・文化よりも見せ物興行を優先する」という選択なのです(その選択を私は、やむを得なかった、いや、むしろ当然だったと思う)。だから、日本の歴史・伝統・文化を崩した責任は、朝青龍やその他の外国人力士にあるのではない。相撲協会にこそある。相撲協会はその責任を外国人力士に押しつけるのではなく、自らが引き受けるべきです。

 今回の大麻汚染で「解雇は甘い」って、その通りですが、昔から甘い。1965年の2月から秋にかけて、芸能界・スポーツ界の大規模なピストル汚染が明らかになった。石原裕次郎宅は家宅捜索(発見されず)。平尾昌章がピストル横流しの疑いで逮捕。さらに漫画「エイトマン」作者の桑田次郎、作家の大薮春彦、元大関若羽黒、元横綱千代の山、現役横綱の大鵬・柏戸、前頭三枚目北の富士らもピストルの不法所持が発覚。1228日、東京地検は石原裕次郎ら4人を銃砲刀剣類所持取締法違反と火薬取締法違反で略式起訴。なお66年2月には、小林旭の映画に警視庁が本物のピストルを貸し出し、実弾まで撃たせていた珍事件が露呈した。

(坂本衛氏のウェブサイト「Mamo's Site200923日。 なお文中に登場する人物中、石原裕次郎は現東京都知事の実弟にして稀代の人気俳優、大鵬と柏戸は共に昭和の名横綱、いずれも昭和30年代を語る上で欠くことのできないヒーロー達。)


 

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