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LHR55 夏休み大工作 書架2台同時作製プロジェクト [DIY記]

<2011>

 

—822日付け補足あり

よい子のみんな 何でもやる前からあきらめちゃダメだよ

 

 本年6月に震度5強の直下型地震を喰らって、書斎のスチール本棚2本がぶっ倒れてしまいました。

 以来、散乱した本を部屋のあちこちに積み上げて仮住まいのような状態となっていました(本棚は廃棄)

 この状況を何とかするこれが今年の私の夏休みの宿題でありました。

 

 もともとスチール本棚は大学入学時に買った安物で、7年前に新居を持った時「とりあえず」置いたものです。いずれキチンとした本棚を購入なり制作なりする予定でいました。残念ながらというか案の定というか、その「とりあえず」がそのままになっていたんですね。今度こそはと決断し、本棚を作ることにしました。それも2台同時に作るという一大プロジェクトです。構想7年、設計1ヶ月、製作2週間。


 

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 寸法は高さ1838mm、幅600mm、奥行き225mm(上部の奥行き175mm)。なぜこういう数字になったのかというと、木取りの都合によります。板材が1820mmx910mm(通称サブロクというサイズ、つまりは畳一枚分)なので、部品の幅や長さは大体1820mm910mmを等分したものになるんです。例えば600mm1820mm3等分、175mm225mm910mmのそれぞれ5等分と4等分です。

<補足>

 全高が1838mmなのは、1820mmの側板の上に18mmの天板を載せたからです。

 

 設計で一番大変なのは、欲しいサイズと木取りをうまいこと合わせることです。これはほとんどパズルみたいなもので、なかなかいい答えが見つからないんですよ。でもうまく見つかった時はすげー嬉しいです。今回は我ながらかなり見事な設計で、サブロク1枚から書架1台分がほぼ余りなく取れました。

 棚板は固定式、上から文庫本・新書・A5x2B5A4x2のサイズにしてあります。

 

 

 設計が済んで、決意が固まったら、まずは材料の調達。カインズホームでパイン集成材2枚をパネルソーでカットしてもらいました。板は1¥3,480(テレビラックを作った時より500円値上がりしていた。う~む。)、カット代は¥1,000ほど。

 

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 部品が揃ったら、加工に必要な線を引きます。けがきとか墨つけとか言うようです。

 今回活躍したのは2番目の写真にある「けびき」と言う道具。平行線を引くのがすごくラク。線を引く部分は刃になっているので、薄いシート類だとそのままカットすることも可能。ダイニングのテーブルクロスはこれで切りました。(このけがきは中学時代の技術の授業で作ったものです。何たる物持ちの良さ。)


 

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 今回は作業環境も改善。裏庭の物置を片付けて作業場にしました。作業台は以前の勤務先で廃棄処分になった木製机をもらってきたもの。作業灯は庭でバーベキューをやる時に買った安物のクリップライト。

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 裏板なしで十分な強度を確保すべく、ほぞ組(細くした部分を穴にはめ込む)構造にしています。ただしこの加工がものすごい手間。プロは卓越した腕か、さもなくば丸ノコ盤や角のみ盤などのマシンで加工するのですけど、こちとら腕も道具も日曜大工レベル。切って削って組んでみてダメなら修正して、の繰り返しです。

<補足>

 側板の奥行きは上部より下部の方が大きくなっていますが、これはストレートにカットした側板に細い板(3枚目の左側にある角材みたいな部材)を貼りつけたものです。ホームセンターのパネルソーはストレートカットしかできないので、こういうやり方にしました。設計している時は強度が心配でしたが、ボンドだけでしっかりくっ付いています。

 

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 私は電動工具はドリル・ジグソー・サンダーと、最近買った充電ドライバードリルくらいしか持ってないのです。どれも¥2,0005,000の普及品です。

 今回は大工作なので、珍しくケチらずに新しい道具も買いました。下の2枚目が今回新調した道具類。のみ・ハタガネ・クランプ・木工やすり。さて、この中で一番高い道具はどれでしょう?(正解は木工やすり。これ、¥1,500ほどしました。)

 
 

 組み立てはほぞ穴に棚板をはめ込むだけなので省略(結構スリリングではありました)、塗装も無色のチークオイルを塗っただけなのでこれまた省略。

<補足>

 「組み立てはほぞ穴に棚板をはめ込むだけ」というのは、棚板の接合にはネジやクギは使っていないということです。ほぞ穴はどれもギリギリで、棚板はかなり力を入れて叩き込まないと入らないようになっています。だからボンドを塗って叩き込んだだけで組み立て完了です。ただ、天板だけは上部からのイモ継ぎ(何の加工もないただの平面同士の接合)なので、木ネジの力を借りました。

 なぜ天板だけ上から載せる構造にしたのかというと、内寸(棚内部の高さ)18mm稼ぐためです。わずか18mmですが、この18mmのおかげで棚板同士の間隔がうまく取れました。

 塗装にチークオイルを使った一番の理由は作業がラクだから。実際、塗装作業は2台で1時間ほどで済みました。

 

 完成状態の写真が下。今回も例によって裏板のない構造ですが、強度は文句なし、ハシゴに使えるくらい頑丈です。普通の本棚と違って、妙に脚が長い(一番下の棚板がかなり高い部分にある)のがお分かりでしょうか?普通の本棚は下部510cmほどがハカマ(何も無い部分)になってますが、今回はそのハカマ部分をうんと高くして、そこにも物が置けるようにしてしまうという設計です。どーせ板の間だし。

 

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 地震で倒れて壊れたものの後釜が地震で倒れたのではシャレになりませんので、書架は壁にガッチリ固定する必要があります。

 今の家屋は内装がたいてい石膏ボードになっています。私んとこもしかり。ここで厄介なのが下地探し。石膏ボードはネジが効きませんので、下地の木枠を探してそこにネジを打たないといけません。

 通常は下地探しは針を差し込む道具で行います。私もこの道具は持っていて、実際によく使っています。

 ところが、書斎はオーディオルームでもあるということで、スーパーハードボードという特に堅い石膏ボードを張ってあります。これは本当に堅くて、針なんか全然通りません。文字通り歯が立たない。

 

 まーしかし。世の中には頭のいい人がいるんですねえ。

 

 下地の木枠は必ずクギかネジで留められています。だから、ネオジムなどの強力磁石をあてれば、そのクギかネジの頭に磁石がくっつくと言うんです。やってみたら、あら!くっつくじゃないですか。

 かくして下地の場所が分かったところで、充電ドライバードリルで穴を開けて木ネジでがっちり固定しました(下の写真)。今度はそう簡単には倒れないはずです。

 
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 いや~、我ながら上出来です。ステレオを聴きながらこいつが目に入ると、頬が緩むのがわかります。たぶんこれまでで一番の大物工作、やり終えた感慨もひとしおです。嫁サンは「ここだけ新築みたい」と言ってました。

 

 

 実を言いますと、まさかこんなデカいものを自分で設計制作できるとは思っていなかったのですよ。構想7年というのは誇張じゃなくて、新居に入ってからずっとこういうものを置くことは考えていたんです。でも考えれば考えるほど「こりゃあ大変だわな」と尻込みしていたんです。

 でも、いざやってみたら、なんとかなった。

 ものごと、案外なんとかなるものですね。

 

 できないと思っていたことを、やり遂げる。この満足感・自己達成感は格別です。



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