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ssh534 中央メディアが無視し続ける毎週金曜日の抗議行動 [マスコミュニケーション論]

<2012>

 

—623日付追記あり

 

 中央メディアが大規模な市民運動を報道せずに黙殺している、というネタをsshではたびたび取り上げてます。

 そういう運動には山本太郎とか大江健三郎とか天木直人などの中央から干された人物が積極的に参加しています。また、そういうものを拾い上げて何とか流しているのが、hand to mouthな状況で頑張っているフリージャーナリストたちです。

 なんですけど、世の中にはそういう人たちの重箱の隅っこてきな部分での事実誤認やら発言やらに妙にこだわった批判をして、結果として政財界&中央メディアに塩を送っている人がいます。

 気持ちはわからんでもないですけど、ものごとを語るときは、社会状況とか歴史の大きな流れっつーものも認識しないと。

 

 sshは原発反対の立場ですけど、フクイチの事故が起きた直後に「それ見たことか」的な物言いをすることは批判しました。そんなこと言ってる時じゃないだろうと。

 それと同じことが現在の市民運動懐疑派に言えます。今はそんなこと言ってる時じゃないでしょう。あなた方のそういう言動がそのまま野田の人でなしにエールを送ることになってるんです。それともアナタは野田ファン?

 

 さて。

 まだまだフリージャーナリストへの懐疑心が中央メディアへのそれより強いという方々のために。

 今、毎週金曜日の夕方に、首相官邸前に多くの人々が集まっているという事実を、アナタご存知ですか?

 615日は、主催者発表で1万人以上が集まったとのこと。


 

◆◆金曜恒例となった首相官邸前での「大飯原発・再稼働反対集会」が、国民運動の様相を見せ始めた。(主催:首都圏反原発連合)参加者の人数は、回を追うごとに最多記録を更新しており、15日は1万1千人(主催者発表)と膨れ上がった。

 この日、歩道は人で一杯になり車道にまで溢れた。長蛇の列は霞が関方面でなく溜池方面にもできた。勤め帰りのサラリーマンやOL、夕食の支度を済ませた主婦が続々詰めかけてくるのだ。物見遊山で訪れた人が携帯電話のカメラで撮影する。ムバラク独裁政権を倒したタハリール広場の蜂起と似た光景である。(2011210日付け拙稿「カイロ発・携帯写メールが見守る市民革命」)

 15歳の少年がマイクを握って叫んだ。「負の遺産を背負っていくのは僕達です。福島の事故が終わっていないのに再稼働はおかしくないですか?」

 横浜から参加した3児の母も声を振り絞って訴えた。「私には子供を育てなければならない責任がある。安全に命をまっとうさせてあげたいんです」。

 「居ても立ってもいられずに岩手県盛岡市から駆け付けた」というのは高校教師の女性(30代)だ。「労働者を被曝させて生活を破壊して。そんな原発はいりません。再稼働を強行するような政府もいりません」。

 老いも若きも男も女も、人道的見地から再稼働反対を訴えたのである。金曜恒例となった首相官邸前での「大飯原発・再稼働反対集会」が、国民運動の様相を見せ始めた。(主催:首都圏反原発連合)参加者の人数は、回を追うごとに最多記録を更新しており、15日は1万1千人(主催者発表)と膨れ上がった。

発連合)

 老いも若きも男も女も、人道的見地から再稼働反対を訴えたのである。奇しくもこの日(1960615日)は、安保改定に反対する学生が国会に突入し東大生の樺美智子さんが圧死した日だ。

 労働者や学生が連日、国会を取り巻く模様は当時ラジオが実況中継し、それを聞いた市民が駆け付けた。今はネットがライブ中継する。エジプト市民革命はフェイスブックなどで呼びかけ合った市民がタハリール広場に続々集まった。首相官邸前の集会の別名は「ツイッターデモ」である。(田中龍作ジャーナル 2012.6.15.)◆◆

 

 さて、これに対する中央メディアの反応がこれ。

 

◆◆

 TBS 

 首相官邸前では関係閣僚会合の時間に合わせ、およそ400人が大飯原発の再稼働に反対するデモを行いました。参加者らは「多少不便でも国民は危険な原発稼働より節電を選ぶ」と話し、安全性に疑問が残る再稼働は性急だと抗議しました。(1611:14

 

 NHK 616 1137分 運転再開に反対 官邸前で抗議

 福井県の西川知事と野田総理大臣や関係閣僚の会談が行われた総理大臣官邸前には、大飯原発の運転再開に反対する人たちがおよそ400人集まり、抗議活動を行いました。官邸前には、会談が始まる前の午前9時ごろから「大飯原発の運転再開に反対」などと書かれたプラカードを持った人たちが主催者の発表でおよそ400人が集まりました。参加した人たちは、「福島第一原発の事故の検証も終わっていないなかでの運転再開は断固許せない」とか「原発の安全性は確保されていない」などとシュプレヒコールをあげ、福井県の西川知事に運転再開に同意しないよう訴えていました。

 

 日経新聞 首相官邸前で300人が大飯再稼働反対デモ 2012/6/16 12:01 

 大飯原発の再稼働に反対する市民団体らによるデモが16日午前、首相官邸前で開かれた。集まった約300人の参加者が再稼働を決めた政府、地元自治体に抗議した。小雨が降る中、「大飯原発再稼働反対」「原発NO!再稼働NO!」などと書かれた横断幕やプラカードを掲げた参加者は「首相は原発再開をやめろ」と官邸に向かって訴えた。午前10時すぎには、デモを呼びかけた市民団体「再稼働反対! 全国アクション」のメンバーが、野田佳彦首相に対し再稼働反対を求める要望書を内閣府の職員に手渡した。山梨県から来たという自営業の男性(47)は「事故があったにもかかわらず、また『原子力ムラ』の論理で再稼働が進められようとしている。許せない」と憤りをあらわにしていた。

 

 毎日新聞

 大飯原発:官邸前で再稼働反対の抗議集会 20120616日 1201分(最終更新 0616日 1215分)

 東京・永田町の首相官邸前では16日、市民団体「再稼働反対!全国アクション」が抗議集会を行った。メンバーは、大飯原発再稼働の撤回を求める野田佳彦首相宛ての要請書を政府に提出した。雨が降りしきる中、午前9時ごろから再稼働に反対する市民約500人が集結。官邸に向かってのぼりや横断幕を掲げながら「再稼働は許されないぞ」「子供たちの命を守れ」などとシュプレヒコールを上げた。マイクを握ったメンバーは「大飯原発は地震や津波の対策は何もできておらず、なぜ野田首相は安全だと言えるのか」などと批判。福島から駆けつけた被災者も「福島原発事故は収束しておらず、廃炉の見通しも立たない中、被ばく労働者が命を張って日本を守っている。国民を死地に追いやらないでほしい」と声をからした。【袴田貴行】

 

 時事通信

 官邸前で怒りのデモ=再稼働反対

 東京・永田町の首相官邸前では、大飯原発の再稼働に反対する多数の市民がデモを行った。参加者らは「危険な原発もう動かすな」などと書かれた横断幕やプラカードを掲げながら、怒りの声を上げた=16日午前 【時事通信社】

 

 (追加)朝日新聞

 大飯原発再稼働にノー 市民グループ、官邸前で抗議

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に反対する市民グループが16日午前、首相官邸前で抗議集会を開いた。野田佳彦首相と、西川一誠・福井県知事の会談に合わせて開き、主催者側発表で約400人が参加。再稼働の中止を訴えるプラカードや横断幕を手に「安全性が十分でないのに再稼働させるのはおかしい」「電力不足を脅しに使っている」などと声を上げた。野田首相に再稼働しないよう求める要請書を内閣府の職員に手渡した後、周辺を練り歩いた。 

(以上、ブログ「EX-SKF-JP目を覚ませ日本人」より転載)◆◆

 

 主催者発表1万人の集会がすべての中央メディアから黙殺されて、翌日の数百人の集会はすべての中央メディアが取り上げる。

 これを合理的であるという方がいらっしゃったら、ぜひその論拠をお聞かせください。sshが誠心誠意、その論拠を採点して差し上げます。中央メディア関係者歓迎。

 

 で、その毎週金曜日の集会場所では、こんなことも。

 

◆◆首相官邸前の歩道に、不思議な看板が現れたというので見に行ってきた。たしかに国会記者会館前にそれは立っていた。この6月下旬から1221日ごろまで「傷んだ歩道を直す工事」をしますと書いてある。しかし歩道はきれいなままであり、東京を代表するような目立つ場所の舗装を直すのに半年もの工期が必要なはずがない。このところ連続する官邸への抗議行動に対抗して、人が集まれる場所を狭くする意図が明瞭に見える。もちろん承知の上で、威嚇の効果を狙っているのだろう。

 なんとも浅はかで姑息な手段を弄するものである。かつては新宿東口アルタの前に「反原発」の人たちが集まるようになったとき、植え込みの工事をするという名目で長い塀を立て、歩道を狭くする処置を強行した。今度は首相官邸の目の前の歩道だから、官邸が知らない筈がない。あるいは官邸主導の「国家戦略」なのかもしれない。世にも情けない首相府ではある。

 この7日木曜日には、ここで福島の女たちによるダイ・インも行われた。連夜にわたって抗議デモが集中している事実も、ようやく新聞が報道するようになった。これらはきわめて健全な現象だと私は思っている。国政に意見を述べる言論および表現の自由は、憲法で保障されている。交通の妨害、公序良俗違反などの特別の理由がない限り、犯罪として取り締まることはできない。この原則は街頭、駅頭などすべての公共空間に適用される。

 民主主義のもとに成り立っている政府は、権力を用いて批判の言論・表現を封じてはならない。自らの政策が正しいと思うのなら、なおさら批判に耳を傾け、真摯に説得すべきではないか。姑息な手段でのデモ封じでは、自信のなさを告白することになる。今からでも遅くはないから、みっともないこの工事計画は、官邸の名誉のために直ちに撤回するのがよい。(志村健世のブログ 2012.6.10.)◆◆

 

 この記事の写真を見た方から「確かにこの歩道は修繕が必要だ」というコメントも寄せられているそうですが、それにしても時期が良過ぎませんかねえ。

 

 

 原子力ムラの村民が自己利益と保身に走るのは、まあ当然といえば当然でしょう。人間のクズではありますが、クズにはクズなりの計算があります。メディアがそれを批判できなくてどうする。これじゃ共産圏とどこが違う。

 それと、この共産圏ばりの状況を何とか打破しようとしているフリージャーナリストの足を引っ張るようなことをしている方々も、その意図がどのへんにあるのか是非お聞きしたい。

 報道が不正確だとかいう指摘は、それそのものだけ切り取れば合理です。でも、不正確な報道を批判することが目的なら、そういうものすべてを批判すべきでしょう。特に中央メディアの不正確な報道には100倍以上の怒りをもって対処すべきです、影響力が100倍以上あるのですから。フリーだけを批判するのは、意図があろうが無かろうが、原子力ムラの応援団となることを意味します。

 

 いい加減に目を覚ましましょうよ。

 

 

—623日追記

 毎週恒例ということでこの行動は622日にも行われました。今回の参加者は主催者発表で4万人超、警察発表でも1万人超と、先週の4倍の規模です。ここまでくるとさすがに黙殺しきれなくなったようで、中央メディアのTV・新聞もしぶしぶ伝え始めたようです。

 笑ったのは読売新聞のサイトで、東京23区版というローカルニュースコーナーでベタ記事扱い。大飯原発再稼働反対の万単位の人間の行動が東京ローカルニュースと、これはこれは。日頃の東京中華主義はどこへ行ったんですか、読売クン。

 

 詳報はこちらから。

 田中龍作ジャーナル 「再稼働反対」の地鳴り 首相官邸前で進む"紫陽花革命"

 Our Planet TV 再稼働撤回を求め 官邸前に人の並



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