LHR65 おばちゃん、ここに住んでるの? [ご挨拶&エッセイ]
<2012>
<舞台設定>
某月某日早朝、隣組のゴミステーション(大きな物置を改造したもの)での会話。
<登場人物>
私: 某県立高校教諭。8年ほど前に現在の住所に転居。隣組の情報にはイマイチ疎い。
Aさん: たまたま「私」と同じ日にゴミステーション当番となった隣組の初老のご婦人。とても人柄が良い。
***
朝6:50にゴミステーションに向かう私。ステーションに着くと、すでにAさんがいらっしゃる。Aさん、持参したレジャー用の折り畳み椅子に座ってらっしゃる。準備がいい。
私 : あ、おはようございます。
Aさん: おはようございます。ご苦労さまです。
私 : あ、いや、そちらこそご苦労さまです。
Aさん: 朝早くから大変ですよねえ。これからお仕事でしょ?
私 : ええ。
Aさん: 学校の先生でしたよね?高校でしたっけ?
私 : はい、◯◯高校です。
Aさん: 学校の先生も、なかなか大変でしょうに。
私 : いやあ、小学校みたいに朝早くないんで、それはありがたいですよ。
Aさん: 高校は何時くらいに始まるんですか?
私 : どこもだいたい8:30から8:50くらいですね。これが小学校だと7時くらいから子どもが来ますから、先生方も早くて大変ですよ。
Aさん: ええ、ここでこうやっていても、小学校の子どもがいっぱい通って行きますよね。
そのうち、登校中の小学生がやってくる。
小学生: おはよーございまーす!
私&Aさん: はい、おはよう。
私 : いいですよねえ、ああやって挨拶していく子どもって。ウチの子どもなんか至って無愛想で。
Aさん: そう言えばねえ。
私 : はい?
Aさん: この前ここの当番になったときなんだけど、一人でここにいたら小学生の男の子が通りかかって。
私 : はい。
Aさん: で、私、今日みたいにここ(ゴミステーション)の中で椅子に座ってたんですよ。
私: はいはい。
Aさん: で、今みたいに「おはよう」とか言ったら、その子がね、こう言ったんですよ。
「おばちゃん、ここに住んでるの?」
私 : (爆笑)
Aさん: ホント、子どもって、可愛いわねえ。
私 : (まだ笑ってる) いや、実は私も子どもの頃、学校の先生って学校に住んでると思ってたんですよ。子どもって、そういうもんなんでしょうねえ。