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ssh587 出願決定 [志望理由・進路選択]

<2013>

 

 センター試験は土日に行われます。毎年そうです。

 センターの自己採点結果は月曜日に業者に送付されます。毎年です。

 その集計と分析は、関係者が三日三晩かけて行います。徹夜作業です。毎年です。

 そうやって集計されたデータが、木曜日に全国に送られます。木曜日の午後には、月曜日に送られた自己採点データがすべて集計分析され、ボーダーラインやABCDE判定がすべて、立派な冊子とコンピュータの判定システムとなって手元に届きます。もちろん毎年です。

 

 センター試験が終わると、23週間のうちに国公立大学の出願になります。出願はセンターの結果を見てから決めることができますが、出願先の決定という重大なことの割には、考える時間はそれほどありません。

 

 当然、私たち教員の側も、この短期間に、生徒にとって有用なアドバイスをする必要があります。

 学校関係者も、この時期は土日返上、超過勤務当たり前です。

 私が今まで勤務した学校では、木曜日にデータを受け取ると、それを基に出願先に関する検討会を行っていました。現任校もそうです。

 

 検討会で何を検討するのか?

 その生徒の可能性です。 

 

 例えば、ある生徒が大阪大学文学部を目指しているとします。

 ところがセンターでは予想外に苦戦した。センター判定はD2次学力とドッキングしてもDだった。

 普通に考えれば、Dでは合格はおぼつきません。とは言え、阪大は目標としてきた大学。そう簡単に「ムリだからやめなさい」とは言えない。しかも阪大の場合、2次試験の方が配点は大きい。逆転の可能性はないわけじゃない。

 

 そこで検討会では、当該生徒の2次学力を検討します。

 判定システムは、2次学力を含めての判定をしてくれます。しかし、2次試験の力を占う記述模試は、大半の業者が10月でラストです。従って判定システムは10月記述模試の結果を2次学力と見なして判定します。

 しかし。10月と2月では、学力は違います。特に現役生の場合、その4ヶ月でかなり伸びていることもある。

 

 ここが私たちの腕の見せ所です。

 「◯◯先生、この子の英語って、どうですか?」

 「ああ、かなり伸びてきてると思いますよ。10月模試の偏差値よりは上でしょう。」

 「国語はどうですか?」

 「んー、古典がイマイチでねえ・・・」

 「数学は?」

 「こいつ数学いいよ。たぶんもっと取れるよ。」

 というようなやり取りをして、2次はかなりいけると判断すれば、「よし、強気で阪大で勝負しろって言ってみるか」ということになります。


 

 この検討会、仕事としては割とテンションの上がる類いのものなんですけど、難点は時間がかかることです。

 上記のような調子でやっていると、あっと言う間に何時間もかかってしまう。

 もちろん全員の検討は不可能だからやりません。特に検討の必要な生徒だけを選んで検討します。それでも、やっぱり時間がかかる。 

 本校の3学年担当による進路検討会は、5時間かかったそうです。終わったのが10:30

 でもね。仕方ないんですよ。時間がないんですから。

 

 

 センター試験の結果が出る。その現実を受け止めて、自分の進路を決める。

 こんなシビアで残酷な選択を、わずか2週間かそこらでやらねばならない。何というでしょう。

 しかし。

 人間は本当にシビアな状況になると、大変な集中力を発揮するものです。

 これまで何ヶ月もかけて考えていたことが、この時期の23日で答えが出たりするものです。

 人生で一番重大な決断は、意外と短時間で下されていたりするものです。

 

 

 センターがうまくいった人も、そうでない人も、決断の時です。

 腹を決めて、頑張れ、受験生。


 

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