SSブログ

ssh629 招致成功・開催失敗にならないために [社会]

<2013>

 

 まずは関係者のみなさま、2020年東京オリンピック招致成功、おめでとうございます。

 中央メディアは例によって大政翼賛的にニッポン全国お祝いムードみたいに報道してますけど、それはウソとまでいかなくてやり過ぎ。どんなイベントにも受け止める側の温度差ってものはあります。それを否定してはいけません。特に福島およびその周辺の人たちは例の「250kmも離れている」には相当トサカに来てますよ。

 

 世界的スポーツイベントがニッポンで開かれること自体は悪いことじゃありません。

 でもまあ、心配はつきません。

 

 私の最大の心配は、招致成功・開催失敗にならないかということ。


 

 オリンピック招致が決定したのに、開催できなかったということはかつてもありました。1916年のベルリン、1940年の東京と札幌(冬期大会)1944年のロンドンとコルツィーナ・ダンペッツォ(イタリア・冬季大会)1940年は開催地の変更で、あとはすべて中止。

 ただしこれらはすべて戦争が理由です。それ以外の理由で開催がパアになったことはありません。

 

 パアにはならないまでも、大会がひどくシラケたものはあります。1980年のモスクワと1984年のロサンゼルスは東西各側の国が盛大にボイコットして参加国がえらく減ってしまいました。ただ、これも冷戦というある種の戦争のせいです。

 

 私が最も心配しているのは、2020年東京大会が、戦争とは無関係な理由で、中止になったり、開催地が他所に移されたり、盛大にボイコットを喰らったりしてしまうということです。

 

 最大の理由は、もちろん、フクイチ。

 

 何しろフクイチは全然収束の見通しが立っていません。あんなものを収束宣言してみせた野田佳彦もクズですが、完全にコントロールできていると大見栄を切った晋三坊ちゃまも相当に無鉄砲です。

 高濃度の放射能をされた水は日々えらいペースで増えています。フクイチが建っているところは地下水がたくさん出るところで、どんどん汲み出して捨てないと地盤が緩んじゃう(そんな話あんまり伝わってませんよね)。その地下水も放射能汚染されている。炉心はメルトダウンしてるし、格納容器内には使用済み核燃料がいっぱいあるし、建家の中はすげー放射線で入れないしで、もう現場で日々格闘している方々には申し訳ない気分でいっぱいです。そんな彼らがそれこそ命を削って戦っていても、現状を守るのが精一杯です。

 

 さらに怖い話としては、建家内の使用済み核燃料をいつまでも置いておくわけにはいかないので(高濃度放射能汚染水を生み出す元凶でもあるので)、何とか取り出したいと東電は思っているのですけど、この取り出し作業がまったく安全性のメドが立たないらしいんです。一応シミュレーションはしてはいるのだけれど、前例のない事故の現場で、放射線量が高くて中を見ることもできない場所から、一触即発の使用済み核燃料(扱うをしくじると臨界を起こしかねない)を取り出すなんてのは無理難題レベルです。最悪の場合、またレベル7の事故になりかねない。

 

 フクイチの対策が全然進まない、あるいは状況が悪化するというようなことになれば、多くの国と地方が東京に選手団を送ることを躊躇する可能性は大いにあります。

 

 フクイチ以外にも日本は不安材料を抱えています。アベノミクスとやらの効果はまだまだ「先物買い」レベルだし、アジア周辺国との関係は全然よろしくない。蜜月だと思っていたアメリカからも靖国やら慰安婦やらでダメ出しされる始末。経済が弱くなればいろいろしわ寄せが出るし、外交面でこじれるとボイコットに発展しかねない。尖閣諸島のトラブルでは中国と武力衝突も辞するなと威勢のいいことを口先ばかり言う方もいらっしゃいますが、そんなことしたら確実に複数の国がボイコットします。

 

 

 招致は成功しましたが、開催はまだまだ難問山積みです。

 

 とは言え、せっかく世界的スポーツイベントの招致に成功したのです。

 「招致には成功しました、開催は失敗しました。」じゃあ、あまりに情けない。

 コトはニッポンだけの問題じゃありません。IOCで立派なことを言って招致したのです。安心安全なオリンピックは世界全体に対するお約束です。日本人は中央メディアで騙せても、世界は騙せません。

 

 

 東京オリンピックが、中止や開催地変更の憂き目に遭わず、ボイコットもなく開催されるために、sshは以下のことをご提案いたします。

  1. とにかくフクイチを何とかすること。イデオロギーはこの際どうでもいい。反原発派の意見でも使えそうなものは使う。特に高濃度放射能汚染水の処理については、カネに糸目をつけず対応する。
  2. 1.と重なるが、国際的イベントということなので、海外の支援を求める。プライドもへったくれもないから、とにかく力を貸してくれとお願いする。
  3. 外交面は安全運転を貫く。国内のウヨ君たちに突き上げられても、周辺国など他国を刺激する行為は控える。
  4. 経済・福祉対策に手を抜かない。
  5. 「復興オリンピック」をお題目に終わらせない。海外から最も共感を受けるのはこの部分。例えば250kmも離れているというような物言いは絶対に控える。
  6. 中央メディアは、常に国際社会から見られているということを意識する。都合の悪いことは報道しないか小声でごまかすという姑息な手段は海外の海千山千のジャーナリストにすぐに突き上げられる。これを機会にジャーナリズム本来の姿にちっとは近づくようにする。

 

 2020年を「感動よさようなら」の年にしないように。頑張れニッポン。


 

nice!(1) 

nice! 1