ssh633 AKBは「少女」か、または「少女」の上限は何歳か

<2013>

 

◆◆　ゴーマニズム宣言Special　小林よしのり　AKB48論　

　少女たちが現代社会に突きつけたものは何か?

　かつてはわしもAKB48のよさがわからなかった　／　冷笑主義の時代に本気(マジ)を掲げたのは少女たちだった　／　震災復興の寄付総額13億円!新しい公共心をAKB48が教えてくれた　／　アンチAKB48の連中はどれほど世の中のためになってるというんだ?　／　韓国を駆逐したAKB48の日本的美意識　／　競争社会を選んだ者には覚悟がある　／　これが、わしの選んだUGN(ウラギラナイ)48だ!　／　「大島優子とならやりたい」発言の真相　／　AKB48に対人スキルを学べ!　

　(以下マンガの吹き出し部分)傷ついても人を憎まず立ち上がる少女たちの純粋さにわしは感銘する。　／　競争社会の中で、驕ることも許されず、人との交流に愛を探す少女たちに、わしは唯一の希望を見いだす。

(以上、新聞広告より。太字はshiraによる)◆◆

 

　小林がAKBの熱心なファンであることは知ってはいましたんで、こういうものが出て来ること自体はある程度予想していました。まあ、AKBが唯一の希望だとなれば、もはやこの国にほとんど希望はないような気はしますけど。本の内容はどーでもいいです。贔屓の引き倒しでも何でも、自由に意見を述べる権利は彼のキライな日本国憲法によって保証されております。

　私が「ん?」と思ったのは、太字にしてある部分。200文字にも見たない広告の中で、4回も使われている「少女」という表現。

　AKBって、「少女」なんですかね?

 

　かつて「オンナのコ」という言葉がいつ生まれたか?　それは何歳くらいまでの女性を指すのか?(ssh320＜オンナのコ＞はいつ、なぜ誕生したか?)　ということを結構本気(マジ)に考えてみたsshとしては、この「少女」という表現にはどーにも引っかかってしまったのですよ。

 

　買い物に行った際、缶コーヒー売場にAKBの写真があったので、いきなり嫁サンに聞いてきました。

 

　私：(AKBの誰だかの写真を指差して)「あのさ、これ、少女だと思う?」

　嫁サン：「全然。だってもう20歳過ぎでしょ。」

　その後、次男にも聞いてみました。件(くだん)の広告を見せながら。

 

　私：「おい、AKBって、少女だと思うか?」

　次男：(苦笑い。しばらく間を置いて)「すごく返事に困る。って言うか微妙。もうそういう域は脱してるんじゃね?」

 

　とりあえず、AKB=少女という認識は「国民的」なものではないようです。

　AKBの組織やらマネジメントやらについて私はよく知らなくて、彼女たちの年齢もやはり知らないのですけど、現在TVによく出てくる1軍チームには20歳を越えたメンバーがかなり混じっているみたいですね。

　成人女性を「少女」と呼ぶのは、私には相当な抵抗があります。

　法律的にも、少年とか少女ってのは未成年のことですからね。

 

　しかし、小林よしりんが彼女たちを「少女」と呼び、それが編集段階でNGとならずに出版までこぎ着けたとのですから、over 20を少女と呼ぶことにはある程度社会的許容性があるのかも知れません。

 

　ssh320の「オンナのコ」論(ってほどのもんじゃないか)で私は「オンナのコ」と呼ばれる女性の年齢上限が時代とともに上昇していると分析しています。1970年だと「オンナのコ」の上限は20歳くらいだったけれど、現在はover 30も十分に「オンナのコ」であると。

 

　「オンナのコ」以上に勢力伸張が著しいのが「女子」です。かつては学校内が主な使用環境だった「女子」という表現は、「女子会」などの言い回しによって最近一気に使用範囲が広がりました。アラサー女子とかアラフォー女子なんて言い方も生まれて、「女子」の上限はまだまだ伸びそうです。(「男子」や「男児」については「日本男児」とか「男子の本懐」とか昔っから上限がないので無視。)

 

 

　なれば、「少女」の上限が今後上がっていく可能性は十分にあり得ます。

　それはそれで、ちょっと楽しいかも知れんですな。

　女子大少女とか、オトナ少女とか、成人式の少女とか、就活少女とか結活少女とか、営業少女とかガテン少女とか、アラサー少女とかアラフィフ少女とか、少女会とか少女限定プランとか、なかなかシュールで楽しい言い回しじゃないですか。女性誌にも「週間少女」とか「少女自身」とか「少女公論」とか出てきたりして。

　「少年ジャンプ」だってオッサンたちも読んでますもんね。

 

 

　なお、私個人の感覚としては、法律的な部分を除くと「少年」「少女」の上限は16歳くらいです。高校を卒業したらもう社会人みたいなものですから。高校の先生としては、まさか内面まで「少年」や「少女」のままの者を企業や大学に送るわけにはいかないですよ。ちっとはオトナになってくれていないと。