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ssh1071 書斎のDIY(1) D-164のチューンナップ [DIY記]

<2018>


 オーディオとPC環境をいじくりました。今回はそのご報告。まずは大物のオーディオから。

 書斎のオーディオには2年ほど前からずっと気になっていたことがありました。D-164の音です。


DSCN2422.jpg


 いじくる前のオーディオ全景。手前の焼却炉みたいなスピーカーがD-101Sスーパースワン。長岡鉄男のバックロードホーンスピーカーの中でも傑作と言われています。昨年ユニットをFE103Solに替えてから絶好調、顔がほころぶようないい音で鳴ってくれています。

 後方の壁についたてのように張り付いているのがD-164。30年ほど前に作ったバックロードホーン。長らく物置でホコリを被っていて不憫だったので再塗装して再稼働させました。ユニットはFE166En。再稼働は成功で、音は物足りない部分があったのですが、時間をかけて少しずつ調整していこうと思っていました。

 そのD-164が、あれこれ調整してもなかなか思うような音になってくれませんでした。一言でいうと音が安っぽい。校内放送かトランジスタラジオみたいな印象。いくらなんでもこんな音のはずはない。D-101Sがユニット交換で俄然音が良くなったので余計に安っぽく聞こえる。


 調べること半年以上。原因がわかったときはショックでした。低音不足だったんです。


 D-164は低音重視の設計です。結婚前はこいつがメインだったのですが、地鳴りのような低音がモリモリ出てくるのが快感でした。そのD-164から低音が出ていない。そんなバカな。


 バックロードホーンが低音不足になる理由としては、以下のものが知られています。

1 エンクロージャーに対してユニットが強力過ぎてユニット前面からの中高音レベルが高過ぎる。

2 開口部から放出された低音がなにか物の邪魔されたり左右で干渉したりしている。


 1については、使用中のFE166EnはオリジナルのEAS-16F20よりもマグネットが小さく能率は低くなっています。リクツからすればむしろ低音が出過ぎるはずです。とは言え、最新のユニットだからマグネットが小さくても力はアップしているのかもしれません。そこで空気室の調整などやってみました。しかし効果なし。やはり1ではないようです。

 2はあり得ます。D-164は開口部を内側に向けて置かれています。できればオリジナルの頃のように開口部を外に向けたいのですが書斎にそれだけのスペースはありません。これが原因ならお手上げです。


 解決の糸口が見つからず、D-101Sばっかり鳴らすこと1年ほど。久しぶりにD-164を鳴らし、部屋の中をウロチョロ歩きまわっているうちに発見がありました。

 D-164の低音は、場所によって聞こえ方が全然違うんです。

 低音が一番よく聞こえるのはオーディオの反対側の壁際に立った時。この時はたっぷりと低音が聞こえます。オーディオに近づくほど低音は聞こえにくくなり、低いところほどよく聞こえない。もっとも低音が弱かったのが、なんとふだん椅子を置いている場所でした。


 ひとつ予想を立てました。

DSCN2922.jpg

 D-164はスペースの都合で30cmほどの脚を履かせて壁に密着させてあります。その真ん前にオーディオラック。ラックの後ろにはディスプレイ(三菱RDT202)が置けるようになっています。低音は中高音と違って方向性はほとんどなくいろいろな方向に回り込みながら広がっていくものではあるのですが、このレイアウトだと大半が上方に流れてしまっているのでは?低音は出ていないのではなく回り道をして音圧が下がってしまっているのでは?


 検証すべく実験を開始しました。

1 RDT202および置台を撤去し、前方への放射が少しでも増えるようにする。

2 オーディオラックを壁から離し、横方向への通り道を広げる。

 どちらも少々ではありましたが低音の量感が増えました。やはり上方に低音が逃げるのが原因のようです。となれば上方に低音が逃げないようにしてしまえばかなり改善されるはず。


3 向かい合った開口部の上部と前部をふさぎ、下方にだけ低音が放射されるようにする。

 実験には端材とスタイロフォームを使いました。やってみると、予想通りです。ズシンという低音がリスニングポジションにちゃんと届きます。


 やるべきことは決まりました。DIYで解決です。


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 D-164の向かい合って開口部の上部に板を渡し天板とし、前部を大きな板で塞ぎました。天板はRDT202を置くのにちょうどいいサイズで一石二鳥です。



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 真上から見るとこんな感じ。これでもうオーディオラックを前に出す必要もなく、部屋が広く使えます。


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 前部をふさぐ板は開口部より少し大きく、D-164の脚まで伸びています。低音の通り道はオーディオラックの横がメインなので、こうすることで少しでも横に回そうという狙いです。


 板材は今回初めてコンパネを使いました。コンパネというのはコンクリートパネルの略で、本来の用途はコンクリートを打つ時の型枠。普通のラワンベニヤ合板よりも若干小さく、加工もあまり丁寧にされていませんが、そのぶん安価です。今回のコンパネは12mm厚、カインズホームで1枚1380円でした。

 実際に使ってみると、意外に面倒な物件でした。まず反りが発生する。さらに硬さが一様じゃない。内部に節でもあるのでしょうか、釘を打ったら曲がってしまう場所がありました。それでも表面はけっこうキレイで、砥の粉とニスでまずまずの見栄えに仕上がりました。


 チューンナップ終了後のD-164は快調です。低音だけでなく中高音もきれいに鳴るようになりました。もしかしたら開口部から中高音が漏れて音を濁らしていたのかもしれません。最近はポール・マッカートニーの新譜「Egypt Station」をもっぱらD-164で聴いています。


 解決策が見つからなかった間、D-164を撤去してしまおうかと思ったことが何度かありました。でも決行しなくてよかった。まあ撤去も面倒臭いので放置していたという面もあるのですが、こういう問題は得てしてダラダラと気長に付き合っているうちに答えが見つかったりするものです。


 書斎のDIYはパソコン関係もありますが、それは次回ということで。

コメント(1) 

コメント 1

tyuuri

 パソコンの記事をぜひ! 最近Windows10に買い換えたんですが、どうも遅くて使いづらい。メモリー不足なのかなぁ。8Gでも、足りない?
by tyuuri (2018-10-21 05:24) 

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