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ssh688 予備校の激励会 [教科学習]

<2014>

 

 予備校の激励会というのをご存知でしょうか。

 浪人生の割合はずっと減少傾向ですが、それでも進学校と呼ばれる学校ではかなりの数の浪人生が出ます。昨年まで勤務していた学校でも全学年の4分の1から3分の1くらいが捲土重来を期して予備校に通っています。

 私の地元ではかつては東京や京都の予備校に出て行く浪人生が多かったのですけど、最近は地元予備校に通うケースがほとんどです。

 そういう浪人生たちを激励するために、旧担任団が予備校に出向くのが激励会です。当地では春と秋の2回行うのが通例です。

 

 とは言っても、ただ激励だけして帰って来るわけじゃありません。

 予備校のチューターの先生方から学力状況や生活状況を伝えてもらい、こちらからも高校時代の様子や生徒のキャラなどの情報を交換し、少しでも彼ら彼女らが目標に近づけるように協力します。生活面がなかなか安定しない生徒の場合、高校時代の様子や家庭状況についての情報がチューターの助力になることもあります。

 

 先日、秋の激励会に行ってきました。


 

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ssh673 勉強することができる力 [教科学習]

<2014>

 

 現任校に赴任して4ヶ月ほど経ちました。

 実は4月からあまり経験のない仕事を一つもらっています。

 加齢のつらさの一つは、新しいことへの対応が鈍ることです。やっぱ若い頃に比べて、仕事でもその他でも新しいことを飲み込むのが遅くなってます。困ったなあと弱音を吐いていれば周囲が救いの手を差し伸べてくれるのも若いうちだけ。

 わからないことは、自分で勉強して理解して、なんとか仕事をこなさなきゃいけない。


 前任校の教え子で、4月から地元の金融期間に勤めている女子がいます。いや、女子じゃないか、もう立派な社会人のお嬢さんです。

 今日、偶然そのご両親に会いました。ご両親によると、彼女は新入社員ということで研修研修の日々だそうです。

 彼女は大学では英文学を専攻していました。金融のことはもちろん、経済学も高校生レベルまでしかやっていません。だから、帰宅後は毎日、勉強勉強なのだそうです。テキストを開いて、ノートを作って、新しい知識を学ばねばならないと。

 ま、高校時代から頑張り屋だったから、そう簡単にへこたれることはないでしょう。

 

 私事で恐縮ですが、ウチの嫁サンがお仕事を見つけまして、今月からぼちぼちと出動しています。

 ただ、仕事内容はまったく未経験の分野。

 けっこう立派なマニュアルをもらって、ノートを開いて一生懸命勉強しています。

 身内を褒めたってしょうがないけど、私の目から見ても「頑張ってるなあ」とちょっと感心してます。


 大学生の長男と次男は、ただいま前期試験シーズンです。

 寮住まいの長男も、自宅住まいの次男も、試験勉強中です。

 さすがに大学生ともなれば、自分でテキストとノートを開いて、自分で勉強しています。

 この2人に比べると、高校1年の長女の勉強はまだまだ全然あまいですね。


 

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ssh656 パンキョーにはセンターを [教科学習]

<2014>

 

<登場人物>

・私・・・某県立高校に8年勤務し、4月から異動となる英語教諭。4年前とこの3月にそれぞれ担任学年が卒業。

Aさん・・・4年前に普通科を卒業した女子。高校時代は美術部。「私」が英語を3年間担当。富山大学に現役で進学し、今年故郷の公務員試験に合格。

Bさん・・・同じく4年前の普通科卒で、Aさんの親友。やはり「私」が英語を担当。筑波大学に現役で進学し、偶然Aさんとまったく同じ公務員試験を受験し合格。

 

 

<舞台設定>

3月下旬のとある一日、英語研究室にて

 

**********

 「私」、英語研究室で年度末業務に追われている。「卒業生が面会に来ています」との内線が入る。

 しばらくして、A子さんとB子さんが英語研究室にやって来る。

 

Aさん&Bさん: 先生、こんにちは。

私: え?あれ、いやあ、君たちだったのか。卒業生って言うから、てっきり今月卒業した生徒かと思ったよ。

Aさん: 今日はBさんと一緒に来たんです。

私: うんうん、先月だっけ、別の子といっしょに来てくれたよな。

Bさん: お久しぶりです。

私: やあ、ホントに久しぶり。もしかして卒業以来か?

Bさん: 大学1年の時に文化祭に来たんですけど、それ以来ですかね。

私: そうか。や、それでさ、2人とも公務員試験に受かったんだってな。Aさんから聞いたよ。

Bさん: ええ。まさかおんなじ試験を受けて、しかも一緒に受かるなんて思ってなくて。

私: ははは。2人は高校の頃から仲良しだったし、とことん気が合うってことかな。

Aさん: 高校卒業してからもちょくちょく会ってはいたんですよ。でも公務員試験のことなんか1回も話したことなくて。試験会場でバッタリ会ってすごく驚いたんです。で、2次試験の会場でも会ったからまた驚いて。

私: でもまあ、よく受かったよなあ。公務員ってすげー人気じゃん。試験が大変だったろうに。

Aさん: あ、でも、先日もお話したんですけど、センター試験に比べれば大変じゃなかったです。

Bさん: そうそう。パンキョー(一般教養)の試験って、センターの内容とかなりカブってるんで。

私: ああ、Aさんがこないだ言ってた通りだな。


 

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ssh654 決める前に、やれるだけのことをやる [教科学習]

<2014>

 

 2014年度国公立大学前期入試の発表が始まりました。

 入試結果は冷酷です。笑う人もいるし、泣く人もいます。

 

 すべての受験生の得点と合否結果を統計にすれば、トータルではまったく想定内の結論となるでしょう。A判定の人は70%以上合格しているだろうし、E判定の人は10%も合格していないでしょう。

 

 でも、それは統計としての話。

 実際にE判定から奇跡の逆転合格を取った受験生は歓喜の涙を流し、A判定からまさかの不合格になった受験生は悲しくて泣きます。統計は一人一人の人間の人生を救い取ることはできない。一人の人間にとって、自分に起きたことだけがすべてです。


 前期で結果が出なかったみなさん。

 とにかく、最後まで頑張りましょう。


 前期ですらダメだったのだから、中期後期なんかもうダメだと決めつけてはいけません。

 不合格の原因が100%自分の力不足とは断定できません。運もあるかもしれない。

 

 中期後期の競争率が高いからと逃げてはいけません。

 前期合格者は受験に来ません。本当の競争率は、試験会場に行ってみなければわかりません。

 

 合格している私立に行こうと思うというのも、安易に決めるのはいけません。

 合格している私大と、これから受けに行く国公立を平等に比較することはできません。受験してから決めればいいのです。

 

 もう浪人することに決めたとかいうのは絶対にいけません。

 浪人するのならなおのこと、ギリギリ最後まで受験を続けねばなりません。センター対策を考えずに二次のことだけに集中出来るのはこの時期だけです。


 前期で結果が出ずに凹んでいる人に対して酷な事を言うようですが、上記のような考え方は「逃げ」です。

 すべてが終わる前に、勝手に「決める」ことはやるべきではありません。

 「決める」のは、すべてが終わってからでいいのです。


 

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ssh652 がんばれ、国公立前期 [教科学習]

<2014>

 

 明日は国公立前期試験です。

 いろんな人が、いろんな思いで受験します。

 

 文系の人、理系の人。男子学生、女子学生。公立高校出身者、私立高校出身者。

 センターが十分で、目標とおりに受験出来る人。

 センターが目標に届かず、改めて志望を考えた人。

 地元の大学を受験する人、遠方に赴く人。

 A判定の人、E判定の人。

 センターで大勢が決まる人、2次こそ勝負という人。

 自分のやりたいことのできる大学を受ける人、諸事情あってそうでないところを受験する人。

 記述試験で勝負する人、面接・小論で勝負する人、総合問題に挑む人。

 多くの科目を受験する人、1科目のみの人。

 一人で受験地へ向かった人、家族がいっしょに行ってくれた人。

 すでに私大合格を決めている人、まだ合格がない人、そもそも国公立先願の人。

 生まれて初めての国公立受験の現役生、捲土重来を期す浪人生。

 前期はダメもとという人、前期にすべてを賭ける人。

 余裕を持って受験できそうな人、不安で仕方がないという人。

 

 どんな事情があろうと、全員が同じ受験生です。

 勤務校の生徒を始め、私の身の回りの受験生たちも、明日は決戦です。

 頑張れ、受験生。


 

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ssh650 個別対策 [教科学習]

 国公立大学出願が締切られました。

 高3生を担当する立場の人間にとって、この出願指導は本当にのるかそるかです。生徒の人生に関わる大きな選択を、わずか2週間ほどで決めさせなければならない。事前のシミュレーションをどんなに丁寧にやってあっても、センターの結果とリサーチの判定が出てみなければわからないことはたくさんあります。

 

 そういう嵐のような出願シーズンが終わると、学校は妙に静かになります。

 2月は私大入試のハイシーズンです。多くの生徒が入試に赴きます。個別試験対策のための特別編成授業は行われていますが、登校できる生徒はぐっと減ります。

 

 実は、こういう時期は、結構好きなんですよ。普段よりも気楽というか、ラフな感じでやれるんです。

 自分が受験生だった時も、ガラガラの教室で先生と妙になごやかな授業をやってもらったのは、ちょっと楽しい思い出です。

 

 2月の受験指導は、主に生徒の個別試験の指導です。

 生徒は個々別々あちこちに受験に行きますから、個別試験対策を生徒個別に指導することになります。

 私は英語の教員なんで、リクエストはかなりあります。

 この時期は、授業とその他の仕事と並行して、生徒から預かったノートに添削をすることが多いです。

 こういう時、教員のところに自分からやって来られる生徒は有利です。まあ、そのために、私達は早い時期から生徒に声をかけたり研究室に呼んだりいろいろと働きかけて、いざという時に先生のところへ足を運べるように仕向けておくのですけど。

 

 2月は勉強する教科科目が少ない時期です。多い人でも4教科、たいていは3科目かそれ以下です。少ない教科科目を集中的に頑張ると、意外な学力向上を果たすことがあります。

 それと、センター対策を気にせずに個別試験の勉強ができるのは、この時期だけです。だから、センターがまったくダメで浪人がほぼ確定的な生徒にも、この時期の頑張りを強く求めます。ここで頑張っておくと、記述試験の力がかなりつきます。

 

 

 受験はいよいよヤマ場です。

 頑張れ、受験生。


 

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ssh630 週間スケジューラー [教科学習]

<2013>

 

 学習ってのは、ただやみくもにやってもなかなか効果が上がりません。計画性は重要です。

 小学生だと、夏休み前に1日の生活の計画を立てて提出させられます。

 中学だと定期テスト前にテストまでの学習計画を立てさせられたりします。

 高校生ともなれば、ましてや受験生となれば、日常的に計画性が必要です。

 

 ところが、これが意外とうまくいかないんです。

 「この時期は、何を重点的にやればいいですか?」とか、「今は毎日何をやるべきですか?」なんて相談を受けたりします。

 いろいろ話を聞いているうちにわかったのは、高校生の多くが、短期的な計画と長期的な目的はあっても、中期的な計画を意識していないということです。

 彼ら彼女らは、毎日何をすべきかはすごく意識している。同時に、テストや模試やセンター試験までの目標も意識している。

 でも、1週間単位とか、1ヶ月単位の計画は、ほとんど意識していないんです。

 

 このことに気付いた私は、週間スケジューラーなるものを生徒に配布するようにしています。


 

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ssh598 まず最低限を考える [教科学習]

<2013>

 

 山田ズーニー「おとなの小論文教室」で、興味深い話を読みました。

 

 学校でクラス替えがあると、新しいクラスの人たちと仲良くならなきゃ、と強く思ってしまって、しかしみんなと気が合うはずもなく、仲良くなれない人が見つかるたびにマイナスが発生するようで落ち込んでしまう。

 ところが別の人は、友達なんて1人できれば上出来だと最初っから思っているという。その人にとっては、気が合う人と出会えることは儲け物というかプラスであって、仲良くなれる人が見つかるたびにプラスが発生するようで嬉しくなる。

 

 友達になれなかった人がいたことで落胆する前者と、友達ができたことを素直に喜べる後者。

 後者のように達観することが必ずしも良いわけじゃないですが、それでもこういうエピソードを読むと、ゼロに近い方から発想するというのも、なかなかいいことがあるじゃないかと思います。

 

 

 さて、国公立前期の発表シーズンです。

 合格発表は、不合格発表でもあります。合格者以外はすべて不合格者です。合格の喜びのよりもずっと多く、不合格の涙が流れています。

 

 今からどうするか?国公立前期に向けて頑張って、不合格になった落胆と疲れの中で、どうするか?

 

 こんな時こそ、ゼロに近い方から考えてみてはどうでしょうか?


 

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ssh597 大きくため息をついてから、本当の努力が始まる [教科学習]

<2013>

 

 「努力」って、どんなイメージですかね?

 

 マンガだと、必死で努力してる人ってのは、スポーツでも戦闘でも仕事でも勉強でも、眉を吊り上げて頭から汗を飛ばして猪突猛進的な様相になってます。思い込んだら試練の道を。熱き青春の血潮。血と汗と涙。大熱血熱肉熱骨野球漫画。

 でもねえ。現実の努力ってのは、そんなに血湧き肉踊るようなものじゃないですよ。

 もっと地味~で、もっとカッコ悪いものです。

 

 4年ほど前に、ssh273「自分が天才ではないとわかったときがスタート」という記事を書きました。

 その時のキャッチコピー(?)は、「しゃーない、勉強するか」。

 

 本当の努力ってのは、「しゃーない」という達観からスタートするものなんです。

 

 より正確に言えば、それまでの明るい展望が怪しくなり、「やればできる」とか「何とかなる」とかいった根拠のない楽観が否定され、浅はかな期待や幻想が打ち砕かれて、「結局地道にシコシコと頑張るしか手はないのか」と、ある意味での「あきらめ」がしっかりと内在化された時に、やっと始まるものだということです。

 人間誰しも、できるだけ少ない労力で、できるだけいい対価を得たいものです。

 何かもっと効率的な方法はないか?もっと上手なやり方はないか?そういう風に考えたくなるものです。

 それそのものは全然非難すべきことではありません。そういう気持ちこそが、様々な発明や技術革新などの進歩の原動力であったのですから。

 ただ、こと人間が学力を鍛えるということに関しては、残念ながら革命的な方法ってのはありません。

 ま、あるわけないですね。技術や機械や組織と違って、生身の一人の人間の鍛え方なんですから。


 

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ssh586 鏡を見ろ、笑え [教科学習]

 「鏡を見ろ、笑え!」

 

 以前いっしょに働いていた先生が、センター試験終了後に担任クラスの生徒たちと面談する時に言っていた言葉です。

 生徒達はセンター試験で思うような点数が取れず、絶望的な気分になっていました。

 先生は一人一人との面談で、これから可能性のある出願を、本人達の希望や思い入れを尊重しながら一緒に考えました。時にはまったく見込みのない出願であっても、それが本人のために必要であれば受け入れました。ただし、中期後期と私大の併願をきちんと考えさせ、それまで考えたことのない大学についてはすぐに調べさせました。

 

 終わってしまったセンターの点数は変わりません。

 「あー、英語があと10点あれば・・・」と思っても、その10点は変わりません。

 そう落ち込んでいる人よりもたくさんの点数を取った人も、「ああ、あと5点あれば・・・」と落胆しているのかも知れません。

 いずれにせよ、終わった試験のことをくよくよこだわっても、何も変わりません。

 

 しかし。

 受験は、始まったばかりです。

 受験生には、これからの踏ん張りで変えられるものがあります。

 一つは、出願先。

 一つは、今まで調べてなかった大学を調べること。

 一つは、今まで考えていなかった系統を考えること。

 一つは、いろんな可能性を並べた上で、本当に自分にとって譲れないものを見つけること。

 そして何より、私大個別試験や国公立2次試験など、これから受験する試験の点数。

 

 

 私も今まで、センターで不本意な結果となった生徒を山ほど見てきました。

 たくさんの生徒が泣きました(私がいじめたんじゃないですよ)

 泣いて当然です。受験で点数が悪くて泣いて何が悪いんですか。頑張ってきたから悔しいし切ないんです。

 でも、ほとんどの生徒は、そこから立ち直って、「今やれること」を真剣にやりました。そしてそういう生徒は、最終的に結果を出しました。 

 

 

 一時、泣いても、落ち込んでも構いません。

 でも、それが済んだら、前を向いて、「今やれること」をやる。

 その経験は、必ずあなたを成長させます。

 

 

 センターで失敗して落ち込んでいるあなた。

 鏡を見ろ。笑え。

 そして、頑張れ。


 

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